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虹丸  作者: もんじろう
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 前に出れば確実な死が待っているからだ。


 野盗たちの様子を見て、剣士は構えていた長刀を鞘に納めた。


「どけ」


 剣士の声に野盗たちは唖然とした。


 長髪ではあったが、男装している剣士は男であると思い込んでいたからだ。


 だが、剣士が発した声は紛れもなく女のものだった。


 女に手も足も出ない。


 野盗たちには屈辱的であったが、誰も動けない。


 剣士の前方を塞いでいた男たちは左右に道を開けた。


 剣士が歩き始める。


 その切れ長の美しい双眸は真っ直ぐに前を向き、野盗たちのそばを通るときも見向きもしない。


「おい」


 男たちの後ろから、野太い声がした。


 女剣士の足が止まる。


 声の主は男たちを掻き分けて、のっそりと姿を現した。


 大男だ。


 女剣士もすらりとした長身であったが、この男はそれよりも頭ひとつ高い。


 肩幅は三倍はあろうかという体格だ。


 この男、野盗の(かしら)であった。


 名を牙次(きばじ)という。

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