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虹丸  作者: もんじろう
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102

 歪んだ形とはいえ唯一、心を通わせていた十蔵を失った悲しみにひたる間もなく、押し寄せる力の奔流に呑み込まれ虹丸は気を失った。




「虹丸」


 自分を呼ぶ声で虹丸は目を覚ました。


 不思議な声だった。


 無感情で男とも女ともつかぬ、落ち着いた声。


「虹丸」


 声が、もう一度呼んだ。


 虹丸は起き上がり、周りを確かめた。


 何も無い。


 分身も居ない。


 何も無い空間に、ただ緑色の輝きだけがあった。


 虹丸が知る、緑の石の光だ。


「誰だ!?」


 虹丸が訊いた。


「どこに居る!?」


 さらに訊ねた。


「私は、あなたの周りに居ます。正確には私の身体の中にあなたが居るのです」


 声が答えた。


 虹丸には意味が分からなかった。


「お前は何だ!?」


 虹丸が再び訊いた。


「私は遠い星から来ました。目的地へと向かう途中で予期しない事故が起こり、この星に墜落したのです」


「………」


 虹丸は黙った。


 やはり、何を言っているのか分からなかった。

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