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三聖剣物語  作者: なつ
&c...   --そして彼女は--
33/69

Prelude


 西へ

    <ト ルルエル>

 太陽が沈む地へ

    <バ ラエッサンド ラマハル エマ アルエル>


 春に夏の息吹を感じるように

    <ウルカ ア サフォル メーテ ラ エブレ クル セルマ>

 夏に秋の涼しさを感じるように

    <ウルカ ア セルマ メーテ エエムメ クル ファーレ>

 秋に冬の心地よさを感じるように

    <ウルカ ア ファーレ メーテ クイルラメ クル カッカーダ>

 冬に春の暖かさを感じるように

    <ウルカ ア カッカーダ メーテ ホイルトメ クル サフォル>


 夜に

    <ア ニヒト>

 太陽が沈むときに

    <ア イ ラマハル エマ アルエル>

 希望が溢れる

    <ラウール フォルン>


 西へ

    <ト ルルエル>

 希望が眠る地へ

    <バ ラエッサンド ラウール エマ フォルン>



 少女は顔を上げた。

 光は彼女の背よりも高いところにある窓から差し込む月の明かりだけだった。彼女は月が好きだった。2時間も経てば、月は窓から消えてしまう。その僅かな時間が好きだった。月の光は彼女の瞳を照らした。瞳は金色に輝く。瞳の中に丸い月が映る。

 彼女はほんの少しだけ口を開いた。とても小さな声で何かを囁く。誰にも聞こえない。誰も、いない。

 窓に影が止まった。月を背景にして、その影は鳥の形をしていた。

「ププ!」

 少女は立ち上がると、両手を上に差し伸べた。鳥は窓から羽ばたくと彼女の胸元へと移動する。

「ププ」

 彼女の声はかすれて聞こえた。それでも、その声はその空間に反響しこもっていた。鳥は彼女の胸元で羽ばたくのを止める。

 彼女は鳥を抱きしめた。


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