二人の失敗
正直駄文です
暇潰しにどうぞ
「出口はどこだ!!」
「知るか!!まずは走れ!!」
2人の青年が長い洞窟の中を全速力で駆けていた。
「お前がまだいけるなんて言うから!!」
「はぁ?お前だって同意したじゃねーか!!」
言い争いをしながら走る彼らの後ろには多数のコウモリが彼らを追っていた。
このコウモリはポイズンバットと言い、その名の通り毒を持っている。
「「あった!!」」
そして彼らの目の前に光が見えてきたと同時にコウモリの群れはスピードを上げ、彼らに襲い掛かった。
「「死んでたまるかー!!!!」」
これがダンジョンでの日常であった。
「死ぬかと思った…」
金髪の青年キースと黒髪の青年アデルは何とかコウモリの群れから逃げ出し、現在探索者が集まる酒場ラッキーデイにいた。
「まぁまぁ生きてんだからいいだろ?何か食うか?」
酒場のマスターである頭にバンダナを巻いた大男、スラッグがテーブルに突っ伏している二人のに声をかけた。
「俺、ソーセージの盛り合わせ、あと水くれ」
キースが突っ伏しながらスラッグに言うと、
「おやっさん俺も同じの頼む」
同じく突っ伏しているアデルが言った。
「へいへい、ところで今回は何で凹んでるんだ?」
注文表に注文を書いたスラッグが突っ伏している二人に聞くと、
「聞いてくれ!おやっさん!またアデルが無理に探索を長引かせたからコウモリ避けのアイテム使いきっちまって…」
「おい!キース!お前もあの時同意したろが!!」
突っ伏していた二人が急に起き上がるなり口論を始めた。
「だー!うるっさいわ!お前ら静かにしてろ!!」
しばらく二人の口論を見ていたスラッグは、二人の頭を殴り強制的に静かにさせた。
「口論じゃなくて次に繋がる反省をしろ」
スラッグはそう言って厨房の方に戻って行った。
「かー、いってー…」
「おいアデル…てめえのせいで…」
スラッグの一撃をもらった二人だが、まだ懲りずに口論を始めようとしていた。
「おいおい、もう一発ほしいのか?」
ついさっき厨房に戻ったはずのスラッグが注文した料理を持ってきた。
「おやっさん!早くね?」
キースが驚くのも無理はなかった。まだ時間にして3分も経っていなかったからである。
「ああ、あいつがもう作ってたからな、お前らの注文」
そう言って厨房をスラッグが指差すと厨房から長い黒髪を後ろに縛った女性が手をふっていた。
厨房の奥から手をふっていたのはスラッグの妻であるナターシャだった。
「女将さん、相変わらず仕事が早いね」
「当然だ、キース。うちのモットーは「早く」「安く」「旨い」の3つだからな」
どうだ、と言わんばかりの自信ありげなスラッグは厨房の方に戻っていった。
「繁盛してるのは女将さんのおかげだろ」
そう呟きながら二人は出てきた料理を食べ始めた。
「「やっぱうまいな」」