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『友達』

「さあ、みんな全部選べたね?」


ノアがみんなを見渡して言い、全員がこくっとうなずく。後でどんな武器とか選んだのか聞いてみよ。


「いいのが見つかったみたいでよかった!シンはシルクさんに武器選んでもらったみたいだし」


ノアが嬉しそうに言った。


「あれ、ノアさん、お知り合いだったんですか?」


ていうか、見てたんだ。


「うん。お知り合い」


ふざけた感じで言うノア。


「えっ、誰?シルクさんって」と、織。


「俺見たよ。秦と一緒にいたエルフの女の人だろ」


龍人がなんでもないというように言う。


「おー。美人だった」


「キモッ」


私が言うと、なぜかみんなが引く。こういうことを言うと決まって引かれるのはなぜだろうか。正直に言って何が悪い?


「そんな引くなよ。ホントのことだろ」


少ししゅんとして言った私に、ノアがにっこり笑って言った。


「シン、いつもそんなこと言ってるから友達ができないんだね」


「……ッ」


いきなりの爆弾発言に息が詰まる。


龍人と竜人、織と七瀬はピシッと固まる。


「誰が言いやがった……」


ノアが私の友達関係をそんなに知っているわけがない。誰か言いやがったな。


ひとりひとりじっとりした目で見ていくと、一人だけ目をそらしたやつがいた。


「……うふふ、七瀬……?」


「ぎゃあぁぁぁぁ!お許しっ、お許しをッ……いぎ、いぎがぁ……」


悲鳴を上げた瞬間、私の腕は七瀬の首にまわされた。そして思いっきり力を入れる。


後日、そのときの私の笑顔は、かなりドス黒いものだったと大崎兄弟は語った。



七瀬を締めたあと、ノアに村の中を案内してもらった。


この村には鍛冶屋、薬屋、武器と防具屋、そしてさっきの雑貨屋があるらしい。


民家は少なく、20ぐらいだった。


住んでいるひとは少ないが、どうやら体のつくりが他と違うようだ。私が持ち上げられなかったような武器をシルクさんのように軽々と持ち、狩りに行くのか、森のほうへ歩いていく人がいた。


ノアはそれを見て、「みんなもいつか、ああやって狩りに行くんだよー」と笑いながら言う。


ふむ。今出て行った男の人たち4人のように、堂々と村を出て、でっかいモンスターを狩りに行くのか。いいじゃないか、格好いいぞ。


5人で村を出ていくところを想像する。5人並んで村の門をくぐり、その中心には私が……あ、顔がニヤけちまった。


「キモッ」


……さっきと同じ言葉と調子で言うのはやめてくれ。さすがに傷つく。


そこに、またノアが最高の笑顔で言った。


「シン、ナナセの言うとおり何でもないときに怖い笑い方するね」


ノアはかなり毒舌っつーか、純粋なようだ。


「七瀬ェェェェェェ!!」


「え、ちょごはぁっ!!」


七瀬のお腹に、私の拳がクリティカルヒットした瞬間だった。けっ。


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