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『武器と防具と日用品と』

カロス爺さんと別れ、今私たちはノアと雑貨屋にいる。中に入ってみると、意外にでかい。生活に必要な家具やら、狩りに必要な武器や防具を買いに来たのだ。


やはり雑貨屋。たくさん物がある。生活用品、狩りにつかう道具、さらにはモンスターの精巧なミニチュア。あれ子供用のおもちゃだな。


「とりあえず、武器と防具、あと家具かな」


ノアが言い、みんなに好きなの選んで、とうながす。


「お金は?」と竜人。


「新人ハンターはあとでモンスター狩って返せばいいんだよ」


あ、なるほど。たしかに、はじめは生活用品揃えられるほどお金持ってるわけないし。


私たちはそれぞれ散って、自分の趣味に合う家具や武器、防具を選ぶ。


まず家具行こうか。ベッドなんてすぐ決まるだろう。



案の定、私は見て即決定した。なんとベッドではない、下に敷く布団。色はグレー。色など消滅したわって感じ。相変わらず適当だな自分。


他の家具も黒ベースのものを即決して買った。


さて、次次。



武器と防具のコーナーに来た。こちらもたくさんある。まず防具。なんとなく。


私は性能より格好にこだわるので、まず好きな色、黒ベースの物を探す。


発見。壁にかかっている防具を見ると、結構格好いい。だがしかし、露出が……。


いや、ノアよりもは露出が少ないのだが、腹が出るのだ。ノアは平気だと思うが、私にとってはかなりキツい。


これはインナーでどうにかしよう。


次。武器かな。


太刀や双剣、大剣や短剣。いろいろだ。


私の場合、なにがあうか……。腕を組み考える。


「あら?新米ハンターさんですか?」


急にとなりから女性の声が聞こえた。目だけを動かしてそちらを見ると、なんと耳が尖った美人さん。いや、人間ではなく、エルフだ。


人間じゃないとしても美人に変わりはないので、私は慌てて向かい合う。


「は、はい、そうです」


私が慌てているのを見てクスクスと笑った。顔が赤くなる。


「見たところ、武器を選んでいるようですが」


「はい。よく分からなくて……」


「じゃあ、私が選んであげましょうか?」


にこっと笑いながら言ってくれるエルフさん。あなたは天使ですか。


めちゃくちゃ固そうな緑の鱗がついてる防具を着ていて、背には大きな弓を背負っている人、否、エルフが天使と呼べるなら。


「おっ、お願いします!」


私が頼むと、エルフさんはすっと白い綺麗な手を出す。


「シルク・シャルダーです。お好きにお呼び下さい」


私はまた慌てて手を出して、握り返す。


「済郷秦です。名前は下……秦です」


私がそう言うと、シルクさんはまたにっこりして、武器のほうを向いた。私も武器を見る。


シルクさんはさっと移動しながら武器に目を通し、やがてある武器の前で止まった。


見てみると、それは大きな鎌……死神の持ってるような鎌だった。


いや、格好いいけどさすがに……。


だが、シルクさんはそれを片手にとり、二、三回振ってからこちらによこした。


「持ってみて下さい」


いや無理だろと思いながら両手で受けとる。


「……おッ!?」


私にその鎌全体重が乗ると、私は腕を下にぐっと引っ張られて、千切れたような錯覚に陥った。腕を見ると、ちゃんとつながってる。ほっ。


どうやら私には重すぎたらしい。シルクさんどうやったらあんな細い腕でこれを片手で持ち上げられるんだ。


全力で持ち上げようとしても、地面にぴったりくっついてしまったかのように、まったく浮かない。


「あら?シンさんには重すぎたかしら……」とシルクさん。


確かに最近ネットやゲームばっかして少しは筋力落ちたと思うが、これは普通に無理だと思う。


シルクさんはまた軽々と鎌を持って、まじまじとそれを見つめ、またあてかけなおした。そしてまた、


「じゃあもっと軽い物は……」


と言って、またうろうろと武器の前を行ったりきたりする。


私もゆっくりと見て回る。自分では扱えなさそうなものばかりだ。とにかく重そう。


実際に持ってみたが、30cmほどの刃物も見た目に反して結構重い。


パソコンより重い物を持ったことのない私だからかもしれないが。また見て回る。


シルクさんも真剣な目付きで武器を選んでくれている。


そういえば、他のみんなは?


家具コーナーを見てみると、もう誰もいなかった。


次に防具のコーナーを見る。いた。みんな目をキラキラさせながら飾られてる防具を見ている。


武器を選ぶころになれば、その目は直視できないほどの輝きを放つことになるだろう。


「シンさん、そういえば何か心得はあるのですか?」


シルクさんに聞かれ、ふと振り向いて答える。


「親から、弓を少しだけ」


小さい頃から身近にあったので、他のものより扱える自信かある。教わったのは弓道であって狩猟の技術は皆無だが、暇つぶしに自作の動く的をズタボロにした経験ならある。


「なら、これはどうでしょう!」


ぱっと大きく重そうな弓を持ち上げ、くるくると回して見せるシルクさん。


「タティという種類の弓です。少し重量はありますが、破壊力は凄まじいですよ!そうですね、なんならテティ、軽い弓も一緒に持ち合わせるといいかもしれません!」


そしてとなりにあった、私の背丈ほどのタティより細い弓も持って渡してくる。


というか、タティにテティか。聞いたことのない種類だ。この世界オリジナルの種類かな。


私は渡された弓をひいて確かめる。多少調節すれば、使えそうだ。


「丁度いいです、ありがとうございました!」


私がペコリとお辞儀すると、シルクさんはとんでもないというように両手を振った。


「いいんです。元々私から言い出したんですし」


「いえ、とても助かりました……おっと、そろそろ仲間が集まっているので、私も行きます」


ちらっとだが、みんながノアのところに集まっているのが見えた。


シルクさんは「じゃ、また今度ね」と言って手を振ってくれた。


「はい、また!」


私も手を振り返えし、みんなの元へ駆けていった。

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