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ドラゴニックエンブレム  作者: 竜ヶ崎龍介
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第九話 それぞれの闘い

今回は基本として三人称視点(龍が闘いに参加していないから)で語っていきます。

文章力が低く、稚拙かも知れませんが、その点については感想にて指摘してくださるとこちら側としては大変助かります。

気に入ってもらえれば幸いです。では、本編をどうぞ。

 ~~グラナス側~~

 

目の前には複数のヴァンパイアが居る。

その中心で一人囲まれているのは、言うまでもなくグラナス・ドラゴニカである。

グラナスは手元のスタブソードを肩に担ぐ。

そして一言。


「容赦は、できないぞ?」


圧倒的な威圧感、力量がその瞳と言動から見て取れる。

だが相手のヴァンパイア達も臆する事などない、逆に相手の士気も釣られて上がってしまった気がする。

ザシュ。

地面に担いでいたスタブソードを突き刺した音を合図に、ヴァンパイア達は一斉に襲いかかった。


☆☆☆



~~菜々香側~~


周囲四方八方を囲まれ、グラナスと同じように孤立した菜々香。

だが、その隣には『宝龍』と呼ばれる黒々とした龍が居座る。

ヴァンパイア達の目線は菜々香へと注がれる。


「アリア、一瞬で蹴散らすよ」

「わかってるわ」


意思疎通。

龍族秘伝の五感に関係する術、「感性術」の一つ。テレパシーである。

聴覚・視覚・嗅覚・味覚・触覚、この5つを研ぎ澄ます事で常人より一歩上の感性を築き上げる。

今回のテレパシーは聴覚を媒体に発動する術だ。


「さぁ、かかってきなさいッ」


高圧的な態度で敵達を挑発する菜々香。

ヴァンパイア達は攻撃の隙を見せた菜々香へと襲いかかる。


☆☆☆



~~セシリア・エリン側~~


セシリアとエリン、ドラゴニカ一家において女子とは連携に長ける者を指す。

つまり、1対1よりも2対複数の方が得意というわけだ。

それは単純計算の枠に収まらず、1+1=2ではなく1+1=未知数という圧倒的コンビネーション力を持つ。

セシリアとエリン、そしてもう一人の少女リリシアの連携力は神の域である。

目の前に居る40人近いヴァンパイア達にも臆することなどない。


「へへーんっ! お姉ちゃんには一人も倒させないよぉーっだ」

「勝手にするのじゃ・・・まったく。ともかく、ノルマは一人20じゃ、さっさと終わらせるぞい」

「了解~」


見事なまでに対照的な二人は、ドラゴニカ王家の血統であるヒューマニアドラゴンの力を覚醒させる。

二人は異形な龍を形作り、ヴァンパイア達と交戦を始めた。


☆☆☆


~~グラナス側~~


グラナスは汗一つかかずに10人以上を仕留めていた。

彼の武器、スタブソードは純銀製だ。ヴァンパイア達に最も有効な武器でもある。

また、形状がフランヴェルジュのように先端が軽く捻れている為、傷を広げ易い。

さらに、彼の西洋剣術の「回転突き」。

この技はこのスタブソードを突き刺した瞬間に刀身を回転させる事でより傷を広げる技だ。

これを利用すると大体4~5発でヴァンパイア達は倒れる。


「ハッ、ハッ、ハッ、ハァァッ!!」


気合の掛け声と共に敵を薙ぎ倒して行くグラナス。

だが、その時。

残すは一人となった瞬間。

グラナスの頬に刀で撫でたような切り傷が生まれた。

目線を前へ向けると。

一人のヴァンパイア、右手には自丈程もある巨大な長剣。


「ヴァンパイア特攻部隊長、ジーザスだ」


男は長剣を片手で軽々と持ち上げ、グラナスへと肉迫する。


☆☆☆



~~菜々香側~~


ヴァンパイアは基本として光や銀に弱い。

一説によれば吸血鬼は伝染病・感染病から来ているという話がある。

銀製品には殺菌効果、光には消毒効果。この二種にはそれぞれ毒や菌を打ち消す力が備わっている。

故に、ヴァンパイア達は光や銀に弱い。

そして、運悪くも菜々香の扱う龍術は基本「光」を主体にした技が多い。


「シャインフレア!」


キラキラと朝日のように輝く火炎球が彼らの体ごと吹き飛ばす。

技によってはその場で消滅するヴァンパイアも居た。無残に砕け散ったヴァンパイアも居た。

だが、菜々香はそれでも手を止めない。

光の龍術により敵は残す所一人となった。

だが。


「あうぐっ!」

「アリアッ!?」


黒龍が呻く。

足にはシャープペンシルサイズの赤く細く鋭い何かが刺さっている。


「ヴァンパイア血操法部隊長 スンダルよ」


細身の女が言う。

黒龍から赤い槍を抜き取り、態勢を立て直す。

そして。

スンダルは菜々香へと肉迫する。


☆☆☆



~~セシリア・エリン側~~


セシリアは『轟龍 ワイヴァーン』へ。

エリンは『夜龍 ヨルムンガンド』へ。

お互いがお互いに異形の龍となって辺りを殲滅する。

ヴァンパイア達へ爆風や轟音、豪炎や光線が放たれる。


「ボイスバーストッ!」

「ナイトカーニバルっ!」


二人の声が響く。

目の前の雑魚ヴァンパイア達は粗方やられ、残るは二人。

似た容姿だ。双子のようにも見える、というか逆に双子以外の何者でもない。

彼らの右手には赤い剣。


「僕の名前はアレン」

「僕の名前はカレン」

「「僕たちが、相手だよ」」


二人は一糸乱れぬ息の良さで二人に迫る。

セシリア・エリンも負けじと応戦する。


☆☆☆



目の前では4人の対戦が行われていた。

グラナス対ジーザス、菜々香対スンダル、セシリア・エリン対アレン・カレン。

奥で鎮座するのはヴァンパイアの王、ドラキュラ。

ガラガラになった街道を龍は突き進む。

目の前にはあの絶対無敵のドラキュラ。


「さぁ、勝負だッ!」

「私は手を抜く事はない、死を覚悟しろ」


そして、頂上決戦が始まった。

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