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第13話 入学式で大目立ち

《結城 視点》


 都内のお金持ちが通う星夏高校。


 俺の両親の母校でもあるこの高校で、俺とアイシャは三年間通うんだよな……


「アイシャ、頭に桜の花びら乗ってるぞ。取ってやるよ」


「え? ちょ、ちょっと待って! み、皆見てるから、私たちに皆注目してるのだわ」


「? 別に良いだろう。注目されるくらい……ほれ、頭下げて」


「ううぅ、ありがとう。結城……皆が見てるから早く終わらせて」


「……?」


 いつも騒がしいくせに、なにを怖がっているんだろうか? 俺の元カノさんは……


「……ん?」



「絵になるお二人ですわ」

「今年の入学生はビジュアルつよつよの方が多いですね」


「……あの男。なんで、あんな可愛い子と」

「羨ましい〜!」


 俺たちの回りにいる新入生と思われる連中がざわついている。


 あぁ、アイシャが綺麗だから驚いてるのか。


「名門・星夏高校。地元から離れてるから、流石に知り合いはいないか」


「い、居るじゃない! この私が! 結城の元カノの私がいるわよ!……んむぅ!?んんん!(なにするのよ!)」


「……君。知らない人の回りで、俺が君の元カレとか言うなよ。学校の人たちに変な勘違いされるからな」


「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!(こんな口を塞がられたら。勘違いされるわよ。私のお口に当てている手を話しなさい! 結城)」

 

「はいはい、離す離す。それよりもクラス分けの掲示板見に行こうか。アイシャも普通科だったよな」


「ぷほぉっ! ハァ……ハァ……そ、そうよ。それよりも結城、私も結城の口を塞がせなさいよ! 不公平よ!」


「おい! 止めろ。高校入学初日で、狂暴な本性をさらけ出すんじゃない!」


 俺たちは、クラス掲示板へと向かった。





◇◇◇


「1―Aクラス…………」

「1―Aクラス…………計画通りね」

「え?」

「え!?」


 クラス分けが書かれた掲示板を見て、呆然としている俺たち。


「マジか、アイシャと同じクラスか。こんな偶然あるのか?」


「ふ、ふんっ! 良かったわね。結城、私と同じクラスになれるなんて、これで教室でボッチにならずに済むんじゃないかしら? 私に感謝しなさい!」


「あぁ、アイシャが同じクラスに居てくれるとすごく心強いよ。ありがとう」


「ゆ、結城! そ、そう。それは良かったわ!」


 ……とか言っとけば、アイシャは有頂天になって喜ぶ。ちょろい。


「同じクラスだし、このまま教室まで一緒に行くか?」


「え?……えっと……結城には言っていなかったのだけど。私、新入生代表の挨拶をしないといけないのよ」


「……新入生代表? マジ? アイシャって、頭……良かったな。たしか」


「マ、マジよ。そして、なによ。その変な間は!……2日前に星夏高校から連絡があって、入試の時に成績が良かった1番、2番の子達と連絡が取れないから、代わりに新入生代表をしてほしいって、家の方に連絡があったの」


「……それって、1番と2番の奴らが新入生代表をやりたくないから、アイシャに押し付けたってことか?」


「そ、そうとも取れるわね。災難だわ。……で、でも、引き受けたからにはしっかりと役目を果たすわ」


 責任あるアイシャらしい台詞だ。

 俺もなにか手伝えることはないだろうか?


「……なら一緒に付いていくか? 1人じゃあ、不安だろう?」


「え?……いいわよ別に、別の学校から入学してきた友達たちと待ち合わせしてるもの。必要ないわ」


「そうか」


 あっさりと断られてしまった。


 マジか。アイシャの奴、俺と違って、この高校に友達が入学してんのかよ。


 ……もしかして俺の方が、アイシャよりボッチになる可能性があるのか?


「…………なぁに? その不安そうな顔は? 仲良すぎる元カノのアイシャさんが近くに居ないと不安なのかしら? 元カレの結城くんは?」


 こ、こいつ。俺が一瞬だけ不安そうな顔になったのを見逃さなかったな。くそぉ。


「不安そうな顔になってないっての。それよりも早く友達の所に行ってこいよ」


「ニヒヒ。はいはい、入学式が終わって2人きりになったら、いっぱい甘えて良いでちゅからね。元カレく~ん。よしよし」


 こ、こいつ。ムカつく~! 勝ち誇った顔で俺の頭を優しく撫で撫でし始めやがった。


「や、止めろ! 皆が見てるだろうが!」


「え〜! 良いじゃない別に、私は嬉しいもの。ニヒヒ!」


 皆が見ている〜! とか言っていた奴の行動か? これが?



「あっ! 見つけた! 宵宮よいみや・クロメール・アイシャさ~ん! 探しましたよ〜!」


 そんなことをしていると「右腕に生徒会」という腕章を付けた眼鏡巨乳が胸を揺らして、俺たちの方を走って来る。


「柊ちゃんじゃない! 久しぶりね」


「こ、こ〜ら! 星夏高校では、ワタシは先輩なんですから、口の利き方には気をつけて下さい」


「ご、ごめん。柊ちゃん」


「か、変わってませんけど!……とっ! それよりも早く体育館に一緒に来て下さい! 緊急のリハーサルしますから!」


「あっ! ちょっと待って!……行ってくるわね。結城〜!」


「おう。行ってらっしゃい……ふんっ!」


「もう、辛かったからって、スネないでよね。後で甘やかしてあげるから許しなさい。行ってくるわね〜! 教室でまた会いましょう」


「……了解」


 アイシャはそう言うと、眼鏡巨乳さんと共に体育館へと向かってしまった。


「くそ……完全に上からマウントを取る気だな。アイシャのや……ん?」


ドサッ!……グゥ〜!


「お、お腹……減った……エネルギー補給……」


「は?」


 青髪の新入生が、俺の目の前に倒れ込んだ。




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