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タイムマシン

作者: 杜鵑花

一番初めに軽い気持ちで書き始めた小説です。

ータイムマシンー

それは誰もが一度は夢見た

魔法の機械。

しかし、そんなタイムマシンが3年ほど前に作られた。


僕の名前は国姫皐月。

高校二年生で、

とある大富豪の息子だ。

僕は前まで趣味で時空旅行をしていたらしい。

しかし、僕には記憶がない、なぜなくなったのかもわからない。でも、一つだけ覚えている事がある。それは、「10年前に戻って助けろ!」という言葉だった。何を助けるのか分からない。

そして僕は今、その謎を解くためにタイムマシンに乗っている。

前まではたくさん乗っていたらしいのだが記憶喪失になってからタイムスリップするのは初めてなので内心すごくワクワクしていた。

皐月「どうやってタイムスリップするんだろう?」

そういった途端タイムマシンが動き出した。

皐月「うわぁ〜〜!」

「光より速い速度で動き、タイムスリップする」とテレビでいっていたが間違いではなかったようだ。

皐月「うっ…気分が悪い…これがタイムスリップか。」

僕は近くにあったベンチに座った。

皐月「ふぅ~ここが10年前か…。」

そして僕は時空旅行の受付でもらった詳細が書かれた紙を見る。

皐月「へ〜家や通う高校は用意されてるんだ。」

どうやら僕は「用意された高校に転校する」という設定になっているらしい。

皐月「明日から高校生活か…楽しみだな~。とりあえず用意された家まで行くか。」

そうして僕は歩き出した。

皐月「紙に書かれていた地図があってるんだったらここが僕の家かな?」

表札を見る。そこには国姫と書かれていた。

皐月「どうやらここで間違いないようだ。」

僕は家の中へ入った。

皐月「意外と広いな。これなら普通に生活出来そうだ。だいたいの家具は揃っている。」

グルルルとお腹がなる。

皐月「お腹すいたな〜今は…6時か…今日はコンビニ弁当だな。」

そうして僕は近所にあるコンビニに行き、唐揚げ弁当を買い、帰って来るのだった。

皐月「町の様子は10年後とほとんど変わってなかったな。」

唐揚げの匂いが周囲に立ち込める。美味しそうだ。

皐月「いただきます。」

心なしか10年後のより美味しい気がする。

皐月「ごちそうさまでした。」

一瞬で食べきってしまった。

皐月「今日は疲れたな~こういう時はお風呂でゆっくりするのに限るよな。」

僕はお湯に浸かった。

皐月「あ〜やっぱりこれだよな~」

その後僕は20分程お風呂を堪能した後ベッドに入るのだった。


翌朝、僕は今、新しい高校に登校していた。

皐月「転校初日は緊張するな〜自己紹介はどうしようかな~」

そうこう考えている内に高校の前に着いてしまった。

皐月「ヤバいめっちゃ緊張してきた。」

その後先生に教室の前まで連れてかれるのだった。

先生「知っている人もいると思うが今日、転校生が来る。入ってきていいですよ。」

そして僕は教卓の前に立つ。

先生「では、自己紹介をお願いします。」

皐月「僕の名前は国姫皐月です。趣味は読書をすることです。よろしくお願いします。」

拍手が起こる。

先生「皐月さんの席はあそこです。」

そうして僕は指定された席に座る。

先生「あとは休み時間にしていいぞ〜」

先生の一言で一気に騒がしくなる。

僕はてっきり質問攻めされるのかと思っていたがそうでもなかった。

その後僕は友達を作ることもなく今日が終えるのだった。

月曜日、僕が教室に入るとやけに騒がしかった。

耳を澄まして聞いてみると、また転校生が来るらしい。

皐月「2回連続なんて珍しいな。」

特に男子達が盛り上がっているということは転校生は多分女子なんだろう。

皐月「僕にはあまり関係ないな。」

突然、教室の扉が開く。

先生「今日も、転校生が来る。今月で二人目だが仲良くやってほしい。入ってきていいですよ。」

「分かりました。」と透き通った綺麗な声が聞こえる。

そして入ってきて来たのは、薄い緑色の髪と目の美少女だった。

緑花「私の名前は時上緑花です。私は、そこにいる国姫皐月さんに会いに来ました!!」

その瞬間、クラスの皆が僕を見つめる。

皐月「なっ!何を言っているんだ?!君と僕は初対面じゃないか!」

冗談にしては度が過ぎているなんてレベルじゃない。

チャイムがなった。

先生「じゃあ私はこれで…」

そう言い先生は逃げた。

緑花「あっ…えっと皆さん、さっきのはちょっとした冗談ですよ。」

彼女はそんな嘘かほんとかわからないことを言ったがクラスメイト達はそれを信じ、いつもの空気に戻った。その理由は多分彼女がかわいいからだろう。

かわいいって得だよな。そんなことを考えていると彼女がクラスメイトの質問攻めを素早く終わらせて話しかけてきた。

緑花「あの…さっきはすいません。」

皐月「あぁ、本当にあんな冗談は金輪際辞めてほしいな。」

緑花「それはどうでしょうか。あなたの反応が面白かったからまたやるかも知れません。」

本当に反省してるのか?

皐月「話が変わるが、なんで僕なんだ?」

緑花「それは…たまたま目についたからですね。」

そんなに適当だったのか。

そして彼女は少し顔を赤らめながら衝撃的なことを言った。

緑花「あの…こっちも話がだいぶ変わるんですが…えっと…もし、あなたはさえ良ければ友達になってくれませんか?」

皐月「えっ!」

一瞬冗談か疑ったが彼女の目は本気だ。

別に断わる理由もない。

ここは了承しても問題無いだろう。

皐月「別に良いぞ。国姫皐月だ。改めてよろしくな!」

彼女はぱっと明るくなった。

緑花「やった!こちらこそよろしくお願いします!」

そこまで喜ぶものか?

まぁ僕もこれで友達ができたわけだ。

その後、僕は緑花と休み時間全てを使って雑談をした。

ちなみに僕が未来から来たということは勿論言ってない。

言っても信じてくれないだろうからな。

そして時は放課後、僕は緑花と帰っていた。

緑花「ねぇ、タイムマシンって本当にできると思いますか?」

緑花がいきなりそんな質問をしてくる。

皐月「いきなりだな。う〜んそうだな〜最近科学が発達してるから出来るんじゃないのか?ちなみに、どうしてそんなこと聞くんだ?」

緑花「気分ですよ気分。」

皐月「そんなものなのか?」

緑花「そんなものなんですよ。」

皐月「前から思ってたんだが何で敬語なんだ?」

緑花「なんででしょう?自分でもよくわからないんですよ。多分癖何じゃないんでしょうか。」

皐月「試しに敬語をのけて喋ってみてよ。」

緑花「分かり…分かった。やっぱり慣れませんね。」

皐月「そうだな。なんか凄く違和感を感じた。」

そんな感じで緑花と喋りながら帰るのだった。


そして、家につき、夕食を食べ、お風呂に入り、ベッドで眠りにつくのだった。

翌日、僕は学校で緑花と喋っていた。

緑花「日曜日に遊びに行きませんか?」

突然のことに少し困惑してしまう。

皐月「どうして急に?」

緑花「私達、友達になってから遊びに行ってないじゃないですか!」

皐月「それもそうだな。予定もないし行くか!で、どこに行くんだ?」

緑花「適当に町をぶらぶらしたらいいんじゃないですか?」

皐月「そうだな。そうしよう。」

その後、僕らは集合場所などについて話し合った。

日曜日までの五日間はあっという間に過ぎていった。

そして僕は今、集合場所で緑花を待っている。

皐月「少し早く来すぎたかな。」

そう言い辺りを見渡すと誰かが近づいてくるのが見えた。

皐月「来たな。」

緑花「すいません。待ちましたか?」

皐月「いや、今来たところだ。さぁ行くか。」

緑花「そうですね。」

そうして僕らは歩き出す。

それから僕らは買い物をしたりして過ごした。

皐月「色んなお店を回ったけど結局何も買ってないな。」

緑花「いわゆるウィンドウショッピングですよ。」

皐月「そうなのか?」

緑花「そんなことよりそろそろお昼時ですね。どこで食べましょうか。」

皐月「そういえばもうそんな時間だな。この辺りにおすすめのカフェがあるんだよ。そこに行こうぜ。」

緑花「そうですね。そこにしましょう!」

また、僕らは歩き出す。

そしてカフェ「S.K.」についた。

店員「いらっしゃいませ~何名様ですか?」

皐月「二名です。」

店員「二名様ですね。それではあちらの席へどうぞ。」

僕らは席につく。

緑花「へ〜皐月さんのおすすめのお店にしては随分おしゃれですね。」

皐月「なんか今凄くバカにされなかったか?」

緑花「気のせいですよ~それより何を頼みましょうか?」

皐月「そうだな~僕は軽くこのサンドウィッチにしようかな。」

緑花「じゃあ私もそれにします。」

皐月「別に無理して合わせなくてもいいんだぞ。」

緑花「別に無理してませんよ。単に私も食べたいだけですから。」

そうして僕らは注文した。

すると、5分もすることなく注文したものが届いた。

やっぱり客が少ないからかな…いや、これはあまりにも失礼だな。

緑花「美味しそうですね〜」

緑花が目を輝かせながら言った。

皐月「じゃあ、いただきます。」

緑花「いただきます。」

味はやっぱり10年後と変わらず何処か懐かしい味だ。

緑花「美味しいですね。皐月さんは食べたことあるんですか?」

皐月「あぁ、何度か食べたことある。」

緑花「つまり、常連客ってことですか?私も常連客になろうかな~」

皐月「気に入ってもらえて嬉しいよ。」

10分後、僕らはサンドウィッチを食べ終え、カフェ「S.K.」を出た。

その後、僕らはまた街をぶらぶらするのだった。


気付けばもう夕方になっていた。

皐月「今日は楽しかったな~」

緑花「そうですね〜時間が過ぎるのが早く感じました。」

皐月「これって他の人から見たらデートに見えてるのかな?」

緑花「デッデート!?そっそんなわけないじゃないですか〜私達はまだ友達なんですし。」

皐月「フフ、冗談だよ冗談。」

緑花「真面目な声のトーンで言わないで下さいよ〜」

そんな感じで僕らの遊びは終わるのだった。


翌日、僕と緑花が先生に呼び出されていた。

部活についてのことだった。

どうやらこの学校では必ず何か部活に入っていなければいけないらしい。

なので何の部活に入るのか決めとけと言われた。

皐月「緑花は何の部活に入るんだ?」

緑花「私は、作品制作部に入ろうかなって思ってます。」

皐月「作品制作部って最近できてまだ部員が足りなくて部として認められてないんじゃなかったっけ?」

緑花「そうです!だからこそ入るんです!皐月さんはどうするのですか?」

皐月「僕も作品制作部に入ろうかな〜」

緑花「やった!これで部として認められますね!早速入部届を書きましょう!」

皐月「僕も書こう。」

そして僕らは入部届を書き、提出した。

先生「これでやっと作品制作部も正式に部活になるな。よし!今日から部活があるから忘れずにな。」

先生はそう言って去っていった。

その後の授業は驚くほど速く終わった。

皐月「いや〜時間か経つのは早いな~じゃあ早速行くか。」

そして僕は部室に向かった。

部室につくとそこには緑花ともう一人男子がいた。

???「おぉ〜君がもう一人の新部員か〜俺の名前は時幻正広君たちと同じ2年生だ。」

時幻か…聞いたことある名字だな。

皐月「僕は国姫皐月だ。」

緑花「私は時上緑花です。」

そんな感じで軽く自己紹介をした。

正広「では、早速この部の活動内容について伝える。この部は小説などの作品を制作し、それを提出する活動をする。まぁ名前と同じだ。質問はあるか?」

緑花「質問です。この部の顧問は誰ですか?」

正広「お!いい質問だ。聞いて驚くなよ~この部の顧問は〜俺だ!」

「えっ!?」僕と緑花はそんな素っ頓狂な声を上げた。

正広「実はな…俺の親父がな…かなりの富豪なんだ!時幻財閥って知ってるか?親父はそこの社長なんだよ~だからこの部も無理言って作ってもらったんだ!でもこの学校にはこの部活の顧問になれるような先生がいなくて俺が代わりに顧問をやってるんだ!」

時幻財閥…聞いたこと無いな…

正広「もう質問はないか?それでは今日の作品制作部の活動内容は〜冬休みに行く旅行のスケジュールを考えることだ!」

皐月「旅行?!どういうことだ?」

正広「せっかく新部員が2人も入ってきたんだ!だから皆の仲を深めるための旅行だ!お金は俺の親父が払うよ。」

緑花「いや〜悪いですよ~」

正広「遠慮すんなって!」

どうやら正広はどうしても旅行に行きたいらしい。

皐月「正広がいいって言うんだったら…行こうかな。」

緑花「ちょっと皐月さん!いいんですか!?」

皐月「だってあいつはどんなに言っても聞かないだろうし…」

緑花「それもそうですね…」

正広「さぁ、行くのか?行かないのか?どっちなんだ?」

緑花「行きます!」

正広「そうか!じゃあ早速スケジュールを考えるか!」

その後僕らは2時間ほどスケジュールを考えていた。

正広「今日はそろそろ終わろうかな。」

皐月「そうだな。」

緑花「そうですね。」

正広「あ!そうだ!せっかくだから皆でメアド交換しようぜ!」

そうして僕らはメアドを交換した。

正広「これでよし!じゃあ2人とも気をつけて帰ってな〜」

緑花「正広さんも気をつけて帰ってくださいね~」

その後僕は帰宅し、1日を終えるのだった。


それから月日が経つにつれ、僕らの旅行の準備は終わっていった。

そしてついに旅行の日がやってきた。

皐月「ついに今日か〜」

緑花「そうですね〜正広さんはまだでしょうか?」

正広「2人とも〜お待たせ〜皆忘れ物はないか?」

皐月「無いな。」

緑花「私も無いです。」

正広「じゃあ行きますか〜」

その後僕らは電車に乗った。そして、僕らが泊まる予定の旅館についた。

皐月「うわ〜広くてきれいな部屋だな~で、何で一部屋しかないんだ?」

正広「いや〜一部屋しか借りれなくて…」

皐月「それならしょうがないか。緑花は大丈夫か?男子2人に女子1人だぜ?」

緑花「私はそういうのは気にしないので。それに2人とも私に手を出さないでしょうから。」

皐月「そうか。」

正広「そんなことより早く荷物を置いて観光に行こうぜ!」

皐月「そうだな。」

その後僕らは色んな所に行った。

そして気付けばもう夜になっていた。

皐月「あぁ〜今日は楽しかったな~」

緑花「そうですね〜でも少し疲れましたね。」

正広「疲れたんだったら部屋にある露天風呂に入って疲れを取りなよ。」

皐月「え!露天風呂があるのか?部屋に?」

正広「何も珍しいことでもないだろ。それに…あれ?電話だ。誰からだろう?ちょっと席を外すよ。」

緑花「なんの電話でしょうか?」

皐月「さぁな、こういうのは本人に直接聞いた方が良いをだ。」

数分後、正広が浮かない表情をして帰ってきた。

皐月「なんの電話だったんだ?」

正広「実は…俺の親父が急に倒れたんだ!だから俺は今すぐに帰らなければいけない。だから残りは2人で楽しんでくれ。ほんとにすまない。」

皐月「分かった…お大事にな。」

正広「あぁ、俺の分まで楽しんでくれよ。」

そう言い正広は部屋を出ていった。

その後部屋に沈黙が訪れた。

最初に沈黙を破ったのは、

緑花だった。

緑花「あの~正広さんもあぁ言ってた事ですし残りを楽しみましょう?」

皐月「それもそうだな!いつまでも下を向いていてもだめだよな!」

緑花「じゃあ露天風呂にでも行きましょう!じゃあ皐月さんからどうぞ。」

皐月「いやいや、悪いよ。緑花から先に入りなよ。」

緑花「私は後からで良いので。」

皐月「そこまで言うなら僕から先に入るよ。」

緑花「そうです。それでいいのです!」

そうして僕は露天風呂に入った。

皐月「あぁ〜やっぱり露天風呂はいいな〜考え事をするのには最適だ。」

「そうですよね。」

ん?1人しかいないのに何で返事が返ってくるんだ?

そして誰かが温泉に入ってくる。

僕はとっさに後ろを向く。

皐月「何で入ってきてんだよ!緑花!」

緑花「別にいいじゃないですか~」

皐月「いや、全然良くない!出て行ってくれ!」

緑花「嫌ですよ〜こうやって背中合わせにしていたらいいでしょう?」

あっ…これは絶対に出ていかないやつだ…

皐月「わかったよ!でも、お互い絶対振り返らないようにな!」

緑花「わかってますよ~」

こんなに近かったらゆっくり温泉を楽しめない。

皐月「何で急に入ってきたんだよ。」

緑花「せっかく友達と一緒に旅館に来てるのに温泉に一緒に入らないのは損じゃないですか。」

皐月「そういうのは恋人同士でやるんじゃないのか?」

緑花「……!?私もう出ます!絶対見ないで下さいね!」

何なんだ?もっとゆっくりしたらいいのに…まぁこっちの方が僕も楽だからいいんだけど…

その後しばらくして僕も温泉から出た。

皐月「どうしたんだ緑花?そんなに顔を赤くして、もしかしてのぼせたのか?」

緑花「忘れてください…さっきの事は全部忘れてください!」

皐月「分かったよ。全部忘れるよ。」

何なんだ?一体…

この話はこれ以上続けない方が良いだろう。

皐月「それよりさ、夕食を食いに行こうぜ。」

緑花「それもそうですね。私お腹空いちゃいました!」

皐月「じゃあ行くか!」

その後僕らは夕食を食べ終え、眠りにつくのだった。


翌日、僕らは今日も観光をしていた。

緑花「皐月さん見てくださいあれ!凄く綺麗ですね。」

皐月「あぁそうだな。あんなものが日本にあるなんてな。」

その後もこのようなやり取りが続きついに旅行も終わりの時を迎えた。

皐月「雪が降ってきたな。」

緑花「もう、旅行も終わりですか…」

皐月「そうだな。3人で終わる予定だったけどな。」

緑花「そうですね。正広さんは大丈夫でしょうか?」

皐月「あいつなら大丈夫さ。」

僕らは見慣れた帰路を辿っていた。もうお別れだ。

緑花「じゃあ私はこっちなので、また学校で会いましょう!」

皐月「おうそれじゃあな。」

頬に当たる雪の結晶はもう冬であることを実感させられる。あと7ヶ月後には未来に帰らなければいけない。

その後僕は1人帰るのだった。

冬休みが終わり、数日たったある日の放課後、僕は図書室を訪れていた。

趣味の読書の本を借りるためだ。

僕は「夢」と書かれている本を手に取った。

少し読んでみる。

ふむ…興味深いな。

この本には、寝ているときに見る夢とはどんなものかが詳しく書かれていた。

どうやらこの本によると、夢は、『過去を乗り越える』ためにあるらしい。

真偽は不明だが…

僕はこの本を借りることにした。

皐月「緑花は流石に帰ったか。」

そう言い、僕は帰路につく。

皐月「夢…か、人生の目標って意味もあるよな。だとしたら僕の今の夢は誰かを助けることかな。」

最近、誰かを助けるという状況が近頃ありそうだと感じることがある。

これは偶然なのだろうか…

そんな事を考えていると、いつの間にか家に着いていた。

その後、僕は夕食などをすませ、ベッドに入るのだった。

その日、僕は久しぶりに悪夢を見た。

それは、緑花と登校しているところから始まった。

特にいつもと変わりはない。

いつもと同じ通学路、いつもと同じような会話、そんな、いつも通りの日常だった。

横断歩道に差し掛かるまでは…

皐月「緑花!危ない!」

突然、緑花にトラックが突っ込んできたのだ。

僕は緑花を助けようと走るが遅かった。

トラックと緑花が触れる。

その瞬間、目を覚ます。

僕は全身汗だくだった。

皐月「全く、朝っぱらから嫌な夢を見たな~さぁ、準備をするか。」

そして、準備を終えた僕は学校へ歩き出した。

いつもの場所で緑花と会う。

緑花「おはようございます。」

皐月「あぁおはよう。」

挨拶を交わし、歩き出す。

緑花「今日って部活ありましたっけ?」

皐月「いや、確か無かったと思う。」

緑花「そうですか、ありがとうございます。」

僕はこの会話に妙な既視感を覚えた。

皐月「なぁ、この会話、前にもしなかったか?」

緑花「気のせいじゃないですか?」

皐月「いや…何処でしたっけな…あ!そうだ!今日見た夢の中でだ!」

緑花「へ〜凄いですね!所謂予知夢ってやつですか?」

予知夢?まさか!

しかし、気付いたときにはもう緑花は横断歩道の真ん中にいた。

そこに、一台のトラックが迫る。

皐月「走れ!まだ間に合う!僕は、緑花を助けるために戻ってきたんだ!」

世界がスローになる。

あと少し、あと少しだ!

僕は手を伸ばす。

しかし、緑花は僕の手をとらずにこういった。

緑花「もう…夢から覚めたらどうですか?」

その瞬間、世界が崩壊する。

残ったのは僕と緑花の二人だけだった。

緑花「もう…いいんですよ…私のことなんて…貴方も薄々気づいてたんじゃないですか?ここが夢の世界だっていうことに。」

そう、僕は、この世界があまりにも都合よくできていると思っていた。

緑花「ここは、貴方が私を救う夢、つまり、現実での私は、あのトラックに轢かれて死んでいるのです。でも、ここで私を救ってもそれはただの夢に過ぎない。夢というものは、『乗り越える』ためにあるんですよ。だから、貴方は、私を乗り越えて下さい。おっと、そろそろ時間のようです。」

すべて…思い出した…僕は、タイムスリップなんかしていない。そんなものは全部、事実から目を逸らすための言い訳に過ぎない。緑花が死んだという事実から…

僕の頬を涙が伝う。

緑花「絶対に私を乗り越えて下さいね!」

皐月「あぁ約束する!」

僕は嗚咽まじりの声で叫んだ。

返事が返ってくることはなかった。

そして僕は病室で目を覚ました。

僕の頬には、涙の跡がついていた。

どうやら僕はあの事故から5日間眠っていたらしい。

特に大きな怪我は無かったのでそのまま退院になった。

そして、僕は今、唯一の幼馴染である時上緑花の墓の前に来ていた。

皐月「なぁ、緑花、結局救われていたのはどっちだったんだろうな。」

優しいそよ風が、僕の頬を撫でる。

皐月「僕はお前を乗り越えられているか?前を向いて歩けているか?」

涙が込み上げてくる。

皐月「涙が出てくるって言う事はまだ乗り越えられてないんだろうな。」

でも、ちょっとづつでいい、少しづつ乗り越えて行けばいいんだから―――――――

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