幼少期2
俺は8歳になった。体も少し大きくなり剣技も父様と互角に打ち合うようになった。
正直、わざと負けるのが難しい程、父様と俺の剣技に差ができてしまったのだ。
この秋には、父様の知り合いの剣術の師範がうちに滞在して指導してくれるらしい。
楽しみだ。
魔法の方は原理と実践は俺なりに理解したが、只今停滞中。
魔素の波動たる魔力を物質の波動なぶつけて、波の相互作用というか干渉により魔法効果を具現化するというのは理解できたのだが、それなら物質の「素」に魔素を直接ぶつけた方がはるかに効率も効果も良い気がするのだ。
カザールの本にはそんな事は書いてないし、具体的にそれを起動するのにまだ俺の力が足りないのか、何か要素が不足してるのか、いまいちうまくいかない。
また、火、水、風魔法は物質に影響を与えて発動。
白魔法は魔素の生命エネルギーの特性を使い、生物の生命エネルギーを活性化させ発動。
黒魔法は精神エネルギーの特性を使い相手の精神に影響を与える。
ここまでは良いのだが、俺に言わせると土魔法は毛色が違うのだ。
火、水、風魔法はかまどや暖炉に火をつけるレベルのものを含めれば、魔素量の多いこの世界では使える者はかなりいる。
白魔法と黒魔法は扱える者はかなり少なく、教会でも司教レベルでなんとか。
扱えないと司教になれないのかもしれないが……
土魔法は名前の通り土塁を作ったり、土の壁を作り相手の攻撃を防いだり。
物質の重さを軽くしたり重くしたりして攻撃を補助したりというほとんど戦争特化型みたいな魔法なのだ。
もちろん理屈では橋などを作ったり、トンネルを掘ったり港湾整備みたいな事もできるのだが、土で架けた橋や、掘ったトンネルの壁を固めて岩にしたりまで考えると、理屈ではできても現実にできるかとなるとなかなか難しい。
そもそも、火、水、風魔法と土魔法では扱う質量か全く違うのだ。
火魔法は熱を生み出し、それを誘導すること魔術。
水魔法は空気中や土中の水を集めたり浄化すらる魔法だし、風呂桶いっぱいくらいの水なら集められても、砂漠みたいな水の少ない所では集められる量も高が知れている。
もちろん砂漠で飲料水が手に入るという意味では大変重宝な魔法ではある。
風魔法は吹き飛ばしたり、真空を作って切断。人為的なカマイタチだ。なんでも切れるわけではなく鋼などは切る事はできない。
あとは風を使って音を届けたり、眠り薬などを飛ばしたりなどその応用だ。
土魔法のように大質量を、動かしたり質量自体を変化させるものとは何かが違うのだ。
カザールもこの事には気付いていたらしく。土魔法についての記述ははっきりしない事がいくつかあるし、後の世の人の研究に期待したいような事も書いてある。
あとは、土魔法の派生魔法に収納魔法というのがある。魔法空間に物を収容できるらしい。
何故土と魔法空間に繋がりがあるのか、これも後世に
期待したいと結ばれていた。