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轟魔機吼デモンデウス  作者: 貴宮アージェ


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第18話 魔神敗北~DEMONDEUS DEFECT~ Part1

1.

 気付くとアキラは不思議な空間に1人佇んでいた。

そこは普通の空間とは異なる一面真っ白な何もない静寂が支配する世界。

地面がある様でない様な感覚が全身に伝わる。

まるで呼吸が出来る宇宙空間の様な無重力状態とも形容できるそんな空間だ。


アキラ:

「ここは――――?いったい――――?」


 アキラは周囲を見渡す。

何もない、ということがハッキリと認識できるぐらいにまっさらな世界が広がっていた。

というよりも自分以外はもしかしたら何も存在しないのではないかという不安と恐怖すら感じるぐらいには全てが真っ白な世界である。

自分以外は存在しないもしくは自分も自らがそう認識しているだけで実は存在してないのかといるだけでも頭がおかしくなるかもしれないぐらい、ここは“今”何もない。

不安と恐怖にいつ押し潰されるかわからない気持ちを抱きながらもアキラは周囲を

もう一度見渡す。


アキラ:

「誰かいませんか?―――――いないよね・・・・・・」


 返事は返ってこない。

やはり何もないのか?自分はここに取り残されたひとりぼっちの人間なのか。

考えれば考えるほど自分の中の不安と恐怖が大きくなっていく。

しかし、そんな不安や恐怖を一気に吹き飛ばす衝撃が彼女を襲った。


アキラ:

「――――ッ!!!!」


2.

 アキラをおもむろに顔を上げてとある方向へと視線を向ける。

さっきまでは真っ白だった空間が急激に真っ黒な空間へと塗り替わっていく。

一転して黒が支配する空間となった場所はまるで星の輝きがない暗黒の宇宙を思わせるかのような印象を与え、先ほどよりも恐怖が募り始めていった。

一切の光すら吸収し、アキラすら呑み込むのも容易いだろう漆黒に広がった闇黒の世界。

“何か”が潜んでいるかもしれないがそれが何なのかすら把握が出来ないほどの認識が難しいぐらいのまるで黒い絵の具だけでキャンパスを塗り潰した様な“無”を表現しているかの様な虚無感を抱かせる世界。

しかし、その世界にもすぐに変化が起きる。


アキラ:

「――――あれは・・・ッ!?」


 アキラは視線をはるか先の方へと向けた。

一寸先の変化がないと思っていた闇の世界に無数の小さな光が現れ出した。

現れた無数の光はどんどん大きくなっていき、こちらへ近づいてくる。


アキラ:

「来る・・・!!」


 身構えるアキラ。

どんどん大きくなっていく無数の光は近づくにつれてその全容を露わにしていく。

ソレらは鋼鉄の身体を構成した巨大な質量を持った金属質の巨人たちだった。

そして巨人たちはアキラの頭上と思わせる様に上を通り抜けていった。


アキラ:

「デモンデウス!?」


 通り過ぎていく鋼の巨人たちを見てアキラは思わず言葉を漏らす。

アキラの知っているデモンデウスとは無論、細かい意匠が異なるものの確かにデモンデウスだと認識が

出来る外見をしていた。

しかし、それらの全ては彼女が知っているデモンデウスとは違っているのは知らなくても分かっている。

何故かはわからないがアキラの知らない記憶が呼び起こしているのかそれらを理解し認識できているのは不思議と違和感はなかった。

そして更に無数のデモンデウスの後にもう一つのデモンデウスが姿を後を追う様にその姿を現した。

最後に現れたデモンデウスはアキラの知っているゴウとケンのデモンデウスだ。


アキラ:

「デモンデウス!ゴウさん!!ケンさん!!」


 声が届いていないのか、それともこちらの存在を認知していないのか先に行った

デモンデウスの後を追うように通り過ぎた。

その光景を見たアキラは自分の状況を理解する。


アキラ:

「ここはもしかして――――誰かの記憶の世界?」


?????:

「半分正解で半分不正解、かな?―――――だけども流石、察しが良いね。そこら辺はもしかして“旧世”の影響かな?」


 アキラの後ろから声が聞こえてアキラは振り向く。

そこにいたのは少女だった。

そしてその少女のことをアキラは知っていた。


アキラ:

「貴女はあの時の―――――」


?????:

「覚えて貰えて光栄だわ。“当世(いま)”のアナタは知らないからこそ改めてご挨拶するわ」


 そう言うと少女はスカートの端を摘まみ、お辞儀をする様に姿勢を変える。


?????:

「ワタシの名前はエフ。アルファベットのFFで本来の名前は別にあるのだけども

便宜上、エフエフ又はエフとそう呼んで貰って結構よ」


3.

アキラ:

「エフ――――私は・・・もしかして知っている?」


 自己紹介で返そうとしたアキラは先ほどの彼女の反応から自分のことを知っているのかと自問した。

その様子にエフと名乗った少女はクスクスとどこか無邪気には思えない笑みを漏らす。


エフ:

「知っているのは当然よ。アナタとは何度も逢っているわ。まだ一般の何も知らない女子高生としての

アナタからそうでもないアナタまで、ね」


アキラ:

「どういうこと?それよりもデモンデウスは?ええと、さっきまで戦っていたゴウさんたちはどうしたの?それに私はどうしてここにいるの!?」


エフ:

「落ち着きなさい。混乱するのは仕方ないし無理もないからこそ冷静さを失うのはよろしくなくてよ」


 落ち着かせる様に促すエフに応じる様に深呼吸をし、心身を落ち着かせるアキラ。

それを見たエフは笑みをそのままにアキラの質問に答える。


エフ:

「とりあえずは混乱しない様に答えていくわ。まず一つとしてはここアナタの“記憶の中”よ」


アキラ:

「私の?」


エフ:

「厳密に云えばアナタであってアナタではない記憶よ。簡単に言えば前世とも平行世界のアナタとも間違いないわね」


 唐突なことには流石に慣れてきていたアキラだがいきなりまた平行世界の自分などと言われても混乱はする。

ゲームやマンガなどでは馴染み深いだろう平行世界などのネタがまさか自分に関係あるとは流石に思いもよらなかったがそれで混乱するよりかは今はそうであると思うと色々な湧き出そうとしたモノを呑み込む。

それを見たエフはいい子ね、と話を続けた。


エフ:

「いずれわかるわ。アナタが見たアナタの記憶の全てをね。次に“当世”のデモンデウスの現状ね・・・

率直に言うわ。彼は負けたわ、感服無きまでにね」


4.

 何の躊躇もなく唐突に冷徹に残酷な現実の結末をエフは告げた。

一瞬、アキラは思考を停止する。

無論、それは精神の崩壊を抑えることも去ることながら自分が更に混乱しない様にする為の自己本能から来るセイフティとして機能した行為だ。

ほんの少しだけ胸を抑えたアキラは深呼吸しながら震える全身や精神を落ち着かせながらエフのことを

見据える。

少女は微動だにしないまま、呼吸を乱しているアキラのことを微笑みで見つめていた。

その微笑みに悪意はなかったがどこか哀れみを伴うかの様なそんな印象を与えるものだった。

息を整え、一瞬だけ目を閉じたアキラは少しだけ何かを考えようとしたがすぐにそれをやめ、自分の現状を改めて聞いた。


アキラ:

「―――改めて聞きたいんですけども・・・私はどうなってるんです?」

エフ:

「安心して。アナタ自身は無事よ。身体は今は眠っているだけで所謂、魂だけが今この場所にいるだけのことよ」

アキラ:

「ここはどういう場所なの?さっき貴女は記憶の世界と私が言った時、半分正解と言ったけども・・・」


 その言葉にエフはそうねぇ、と口に指を当てながらしばし思考した後、


エフ:

「有り体に言ってしまえば、ここは“境界”ね。具体的に説明するのはちょっと難しいかもしれないけども要はあの世とこの世の境目とかかしらね」

アキラ:

「それって要は臨死体験・・・」

エフ:

「それに近いわね。たださっきも言ったけどもアナタの身体は特に外傷などはないわ。精神面で色々と

負荷が掛かっただけよ」


 そうなんだとアキラは少し納得した。少しだけだが・・・

今でもよくわかっておらず、正直どうして自分がこんな状態になっているのか・・・

理解しようと必死にしたが本能が今それをするなと訴えている。

無論、それが妥当なのだろうがそれではダメだとアキラは意を決してエフに問いかけた。


アキラ:

「エフ・・・教えて欲しいの。一体ゴウさんとレイアムさんに何があったのか。そして私自身がどう関係しているのか」

エフ:

「―――――――――」


 アキラの問いにFFは答えなかった。

すると同時にエフの身体がボヤけ始める。

それはアキラも同じく、彼女の身体がどんどん薄くなっている・・・


アキラ:

「これは?!」

エフ:

「――――そろそろアナタが目覚める頃合いね・・・」

アキラ:

「そんな・・・!」

エフ:

「仕方ないわ。まだアナタに全てを教える訳にはいかないもの。大丈夫、その時はすぐ来るわ。そして

アナタは選択する時となる」

アキラ:

「選択――――――なにを?」

エフ:

「アナタ自身が決める“運命の(タイムオブフェイト)”が・・・・・・」


 段々と少女の声が小さく聞こえなくなっていく。

それに続く様にアキラの意識もまたどんどん遠のいていった。

小さくなるエフの声をアキラは微かにだがその言葉を聞き拾っていた。


エフ:

「かつてのアナタの様に――――アナタは往くのでしょうね―――――」

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