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不死の六兄妹の仕事の話  作者: 柚木 命
11/18

幕間~ちょっとした日常編~

今回はちょっとした小話です。

誤字脱字は気づき次第修正いたします。

「…なんで俺がパシリしてんだよ」

「しょうがないだろ琉偉兄さん。じゃんけんで負けたんだから」

文句を言う琉偉をなだめる一夜。

月に一度やる兄妹全員での、映画観賞会のためのつまみの買い出しに二人は来ていた。

近所のコンビニまで来ると、五男はスマホを取り出し買い物メモを兄にむかい読み上げる。

「えーと、スモークチーズとチョコアイスとホットスナックのポテト。ジンジャーエールとビール三缶…ってビールまだ冷蔵庫にあったじゃん」

スマホから顔を上げ、一夜呆れたようにビールの吟味をしている琉偉に問いただす。

「あの量じゃ一人一缶しか飲めねぇんだよ。最低でも一人二缶は欲しい」

「皆好きだよねアルコール…」

一夜が言うと、ビールが入り少し重くなったカゴを持ち直しながら琉偉は隣の棚から

ジンジャーエールを指さし、

「お前と小夜はこっちだもんなぁ。そんな苦手か?」

「別に飲めと言われたら飲むけど、好んで飲まない。ていうか、飲む習慣がなかったから」

一夜はジンジャーエールのボトルを入れながら質問を答えると、琉偉はふーんと対して気にもせず、スモークチーズを持ちレジに向かう。

店員にポテトを注文し、財布を取り出すと思い出したように一夜に尋ねる。

「そういえば今日の映画、誰選んだ?あとそれ、欲しいなら早くしろ。会計終わるぞ」

一夜はレジ前の新作のスナック菓子眺めていたのがばれ、少し照れながらそれを手に取ると兄のもとへ速足で向かう。

「映画、今日は小夜が選んだって言ってた気がする」

「じゃあ、定番ものだな。前に伊吹が選んだときは和製ホラーでなぁ…」

会計をしながら琉偉がため息をつく。以前、伊吹の趣味で選ばれた映画が、当時続編が出たことで注目されていた和製ホラー映画だったのだ。

誉は終始目をつぶり、小夜はそんな誉の陰に隠れ、琉偉と一夜は虚勢をはっていたもののホラーシーンでびくついてしまい、伊吹にさんざんからかわれてしまった。

コンビニから出ると、当時のことを思い出しながら琉偉はしかめっ面を見せる。

そんな琉偉を見ながら同じく一夜も当時を思い出しながら話し出す。

「でもまあ、今回は小夜のチョイスだから」

「まあな、小夜と誉は定番や名作しか選ばない…あっ」

話を急に打ち切り、立ち止まる琉偉。

「どうしたの兄さん」

一夜が顔を覗き込むと、琉偉は慌てたようにコンビニへと引き返す。

そんな後ろ姿をみて一夜は一瞬戸惑うが、すぐに何かを思い立ち同じように引き返しながら、

「誉兄さんのチョコアイス!」

「その通り!あいつ結構しつこい性格だからな。思い出してよかった!」

二人が慌てて引き返してることもしらず、自宅では妙に遅い二人を三人は待っていた。

テレビの前のソファに座り、テーブルにはすでにコップや皿が並んでいた。

「遅いね二人とも」

「そうだな…なあ小夜。本当に今日の映画それでいいのか?」

妹に同意しながら、誉は優しくもどこか戸惑いがちに尋ねる。

小夜は兄の気も知らず、ニコニコとした笑顔で頷くとそれを見た伊吹はどこか誉をからかうような口調で

「小夜が選んだんだから文句言わないでよね兄さん。てかお前、そういうのは大丈夫なんだな」

「こういう感じのはむしろ好きだよ私。見たかったんだよね~ネットじゃなかなかなくてさ、わざわざレンタルしてきたの。早く帰ってこないかな二人とも」

レンタルDVDのパッケージを見ながら小夜は楽し気に話す。

パッケージには『エイリアン!謎の恐怖生物の襲撃!』と書かれていた。

二人が映画のタイトルを知るまであと五分。

ありがとうございました。

次回から新シリーズを予定しています。

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