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Trap High school‼︎  作者: おねショタさん
入学!?乙女の楽園、光ノ宮学院
7/38

Revive memory‼︎

 どこを見ても、土しかなかった。原野というべきか。その土は湿っていて、とにかく冷たかった。門の外へと一歩踏み出す。


「……」


 俺はこれからどうすればいいんだ。冷たい風が吹く。そして、門の前で立ち尽くす。


「久しぶりだな。天月要」


「誰だ!?」


 声のした方向を振り返ると、黒ずくめの格好をした、メガネをかけた男が壁に持たれかけていた。()()()()()()()()()()()()()()なぜ俺の名前を知っている?


「覚えていないのも当然だろうな。なんせ、お前は"光ノ宮グループ"により()()()()()()()()()のだからな」


 記憶を消されているだと?じゃあ、俺が持っていた違和感の正体はそれだったということか?というか、今の現代にそんな技術があるのか?頭の中にクエスチョンマークがたくさん浮かぶ。

 だが、こいつなら何か知ってるかもしれない。


「光ノ宮グループ?光ノ宮学院とは違うのか?」


 黒ずくめのメガネの男は壁から離れ、俺の近くに寄ってくる。


「光ノ宮グループは、光ノ宮家が作り出した財閥グループだ。そのグループの中に、光ノ宮学院はある」


 難しい話をする男。財閥付属ってことか?それにしても、記憶を消されているのは、なんとなく察してはいたが、なんか消されたことがわかると気持ちが悪いな。


「やはりか。パーセントでいうと、人生の1パーセント未満しか忘れていない気がするが、それは大事なことで、忘れてはいけない思い出だった」


「あぁ、そうだ。お前はそれを覚えていてはいけないんだよ」


 こいつのことを覚えていないのも消されたから?それが大事なこと?いや、違う。その大事なことは、俺にとって、今後の人生を大きく左右する出来事だったはずだ。


「生徒会長から連絡があって来てみたが、まさか、今回の被験体が早速逃げ出すとはな」


 被験体……?ああ、俺のことか。そして、生徒会長とは有栖川健一郎のことだろう。まさか、もう俺が逃げ出した情報が伝わっていたとは。


「そりゃ、ご苦労様で」


「今回は見逃してやるが、今後は門の外には出るなよ。お前は()()()()()なのだから、逃げ出してもらっては困る。わかったら早く、学院に戻れ」


 外に出れば、なにもない更地。学院にいれば、女装男子の群れ。まだ、学院にいた方がマシってことかよ……


「それで、お前は何者だ?」


 黒ずくめのメガネの男に聞く。こいつが誰だろうが俺には関係のない話だが、こいつを忘れているということは俺の記憶に関することだ。だからこいつのことを知らなくてはならない。


「ただの光ノ宮グループと光ノ宮学院の関係者だ。名乗るものではない」


 当然、こいつは生徒でもなければ多分、教師でもない。じゃあ、有栖川の言っていた関係者っていうのは、生徒と教師だけではないのか。


「いや、名乗れよ」


「スバルだ」


「名乗るのかよ」


 スバルと名乗る男はその場を去ろうとする。結局、なんだったのだろうか。


「ついでだ。あの時、お前が落としたものだ」


 スバルは俺のほうに一度振り返る。そして、胸ポケットに手を入れ、あるものを取り出し、俺に投げた。それを俺は受け取る。


「イルカのストラップ?」


 水色の可愛らしいイルカのストラップだ。頬がピンク色なのがまた可愛らしい。こんなもの、持ってたんだな。



 ピキッ



 ものすごい頭痛とともに、記憶が蘇る。頭がかち割れそうなくらいの頭痛。俺はとっさに頭を抱え込んだ。


「あぁーーーーーッ!!」


 黒ずくめ……骨折……告白……デート……彼女……


 頭の中に、いろんな言葉が出てきて交差する。()()()()()()()()()()()()


 俺にはこころという彼女がいて、あの夜、こころに別れてと告げられた。そして、黒ずくめの男たちに囲まれ、俺はそいつらを倒した。だが、一瞬の隙をつかれ、この男、スバルに気絶させられた。



「どうした!?大丈夫か!?」


 スバルは頭痛を起こした俺を見て、こっちに駆け寄ってくる。俺はゆっくりと目を開けた。


「お前、あの時俺に襲いかかってきた黒ずくめだな」


「なん……だと……思い出したのか!?」


 スバルはかなり驚いていた。自分でもなにが起きたのかはわからない。だが、あのストラップが引き金となり、記憶が蘇った。


「そんなことよりも、俺はあの時、お前に両腕と首の骨を折られたはずだ。なのになぜ、俺の体はピンピンしている?」


 首の骨なんかが折れたらまともに動くことさえできないはず。ましてや、リハビリすらもした覚えないぞ。


「それも、光ノ宮グループによって治されたものだ。光ノ宮グループの作った都市エリアは、全てにおいて発展しているからな」


 骨折すらも治せる医学……光ノ宮グループは、ただの財閥グループではないことはわかった。この医学が世界中に広まれば、不治の病も治せる未来が来るのかもしれない。


「そんなことはどうでもいい!緊急事態だ!今すぐ、学園長に連絡を……!!」


 スバルは急いでスマホを取り出す。記憶が戻ると、そんなにやばいのか?記憶……?


「おい!今日は何日だ!?」


 俺はあの時、こころを向かいに行こうとしていた。だが、こいつらに邪魔をされたせいで行けれなかった。だったら、行かなきゃならないだろ……!こころの元へ……!!


「なんだまた!俺は今忙しいんだよ!」


 スバルはでスマホを触っており、電話をしようとしているのがわかる。だが、こちらもそれどころではない……!


「いいから答えろ!」


「うるさいな!9月1日だ!!」


 9月1日……俺が誘拐された日は、8月19日。あれから約二週間も立っているだと!?


「もしもし、学園長!!例の被験者が、記憶を取り戻したようで……」


 スバルは電話の方に集中して、こちらには気づいていない。


 今なら……!!


 俺は、全速力で走り出した。どれだけ走っても、土しか見えない。だが、俺はここから出て、こころと話をしなければいけなかったんだ!待ってろよ、こころ!!今からお前の家行くから――



 バンッ



「あ……」


 あれ……身体が動かない……右肩を見ると銃弾のようなものが命中した。出血もしている。方向からして、スバルが撃った……?


「はぁ……はぁ……お前が逃げるから悪いんだ……」 


 微かに、スバルの声が聞こえる。だが、そのあとの言葉はあまりよく聞き取れない。というか、目がかすれて……


「ここ……ろ……」

どうも、Trap High school‼︎の作者ゆいたんです!光ノ宮グループの力はすごいですね!今後、光ノ宮グループの謎も解けていくころだと思われます!2度にわたり、謎の黒ずくめのスバルに攻撃された要くん。果たして、彼は無事なのでしょうか!?一様言っておきますが、これバッドエンドではありませんよ!!

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Trap High school‼︎の作者ゆいたんです!読者の皆様、いつも読んでくださりありがとうございます!!ブックマークや評価などをしてくださると、もっと頑張れるので、そちらの方も、ぜひぜひ、よろしくお願いします!!
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