Battle fight‼︎
「なぜ俺を知っている?連行だ?俺は行く用事もないし、行くつもりもない。それに、俺は今急いでるんだよ」
正論で返した。暴力団の組織だかなんだか知らないが、後ろの黒ずくめの男たちの仁王立ちを見る限り、道を開けてくれそうにないようだ。
「君の調べはついている。我々が君に用事があるんだよ」
俺に用事だと?こいつらとは面識はない。人を殺した覚えもなければ、麻薬を運んだ覚えもない。俺はただの一般人だ。
「君が急いでいるかどうかは知ったことではないが、こちら側も上がうるさいものでねぇ。急用だ。大人しく来てもらえないだろうか?」
黒ずくめたちを仕切るリーダーは、眼鏡を上に持ち上げ、光らせた。
ダメだ。全く通じてない。こうなったら逃げるしか!俺の視界180度はこいつらによって道を塞がれている。だったら、後ろから逃げるまでだ!振り返り、後ろを確認する。
だが、後ろにも黒ずくめの集団がいた。
「君に逃げ道はない。さあ大人しく……」
「俺が大人しく行くと思うか?」
「なんだね、その構えは」
黒ずくめたちに構えを見せつける。右足を後ろに引き、拳を握りしめる。こいつらがどれだけ強いかわからない。だが俺は、昔空手をやっていた。警察を呼んでいる暇はない。
どこまでやれるかはわからないが、やるしかない……
「まあ、こうなることは予想はしていたけど、いざ牽制されるとねぇ。だが、やむおえまい。暴力沙汰にはしたくはなかったが……悪く思うなよ」
「うらぁーーー!!」
黒ずくめのリーダーの言葉に続き、他の黒ずくめの男たちが俺に襲いかかる。見た限りこいつらの身体能力は、平均成人男性の少し上ってとこか。
だったら、余裕だ。
「ふッ!!」
ドンッ
「ぐはっ……!!」
まずは正拳突き。だが、休んでいる暇はない。後ろから拳と共に、風の音が聞こえる。このままじっとしていれば、おそらく、0.46秒後に顔に直撃するだろう。ここはまず、回避だ。
男の攻撃をひらりと避け、その後、男の横腹を目掛けて回し蹴りを振りかざす。
「おらッ!!」
ドスッ
「うはっ……!!」
俺の足が、見事に男の横腹に直撃した。
なんだ、大したことねえじゃねえか。
拳を突き上げ、黒ずくめの男たちを次々に倒していく。
「ひとりぼっちになっちまったなぁ、リーダーさんよぉ」
他の黒ずくめのやつらは全員倒した。あとはこいつだけだ。
「少しはやるようだな。だが、俺はそう簡単には倒されない男だ」
この威圧感……並大抵の訓練を受けてるわけではなさそうだな。こちらとしては、あまり体力は使わず、温存させておいた。最初に見た時から、こいつの戦闘力が普通じゃないことを察していたからだ。
「ボーンブレイカースバルと呼ばれた男の拳!受けてみるがいい!!」
シュッ
まずい!避けられない!!俺の判断力を持ってしてもこの速度は避けられない……!
なら、仕方がない!
とっさに、拳をクロスさせて、ガード体制をとる。
ドンッ
バキバキバキッ
「あぁッ……!!」
クロスさせていた中心に拳が当たり、両腕の骨が折れた音が聞こえた。
前に出ていた腕はまだしも、後ろの腕まで……!こりゃ、しばらく腕はお釈迦みたいだな……
「諦めて大人しく来い。これ以上やっても、お前の骨が折れるだけだ」
こいつがどこに連れていくかは知らないが、俺には――
「はぁ……はぁ……断るね。もう一度、振り向かせたい女がいるからな!」
バンッ
「くッ……!!」
黒ずくめリーダーに蹴りを入れる。腕の骨は折れたが、足はまだ使える。さっき走った疲れで、威力は落ちているとは思うが、これで相手も怯んだはずだ。
相手は跪いて俺に隙を見せた。
「俺を甘く見たな。これで終わりだ」
蹴りを相手の顔面めがけて突き上げる。
「私と別れて」
「……ッ!?」
頭にさっきの言葉がフラッシュバックする。
俺の蹴りはそこで止まってしまった。
「隙を見せたな、天月要」
ドンッ
バキバキッ
首を叩かれ、意識を失った。攻撃を受けた直後、首が動かなかったのは骨を折られたからだろう。俺はこれからどこに連れて行かれるのだろうか……
こころ……最後に君に会いたかっ……た……
「悪く思うな、これも世界平和のためだ」
どうも、Trap High school‼︎の作者ゆいたんです!1話目に続き、2話目もなかなかいい展開になってきたんじゃないですか!?隙を突かれ、黒ずくめのリーダーに気絶させられた要くん。今後、彼はどうなるのか!?まだまだ、今後の展開を予想できないTrap High school‼︎。今後の展開にも注目してくいってくださいね!