Sudden storm‼︎
俺の名前は天月要。ただ今絶賛リア充中の16歳、高校1年生だ!成績優秀、運動神経抜群、高校1年生ながら、大学への推薦は確定済みのハイスペックボーイ、とまで言われているな。
だが、そんなことは今はどうでもいい……そう、俺にはかけがえのない彼女がいる。それこそが……いや、この事実こそが俺の人生において1番の要と言ってもいいことなんだ。
あいつとは、入学式の時に一目惚れをして、俺が勇気を振り絞って告白をして掴み取った希望とも言える存在……どうやら、後から聞けば、両想いいだったらしい。
そして、今日で6回目のデート。
おっと、話が少し逸れたな。そして今は、その彼女とのデートが終わり、家に帰る帰り道。
「さぁーて、家に帰るか!」
家に帰れば、優しい妹、美味しいご飯を作ってくれる母さん、そして、一番の理解者であり、仕事をして俺たち家族をいつも支えてくれる父さん。
待ってる……俺を待ってる人がいるんだ。
ブーーーッ
「メール?」
こころ……そう、岬こころ。俺の彼女からだ。まあ察するに、今日はありがとう!!また夏休み明けにデートしようね!ってところかな。あいつは絵文字が多いからなぁ。まあ、そこが可愛いんだがな。
俺はスマホを開き、メールを確認した。
『私と別れて』
「……」
あれ?今日ってエイプリルフールだったっけな?スマホをロック画面にして確認する。
「8月19日……」
嘘だよな……?
スマホをロック画面にし、確認……
スマホをロック画面にし、確認……
これを、何度繰り返したことか。
「何かの冗談だよな?』
そして、やっと返した言葉がこれだ。だが、手は震えていた。信じたくない……
だが、これが事実かもしれないということを受け止めなければいけないという自分もいる……
いや、まだ決めるのは早い。メールを待とう。
『要は何をやってもすごい人。だから、私なんかと付き合っていても釣り合わない。それに要は、名門大学の推薦までもらって将来が約束されたようなものじゃん。私がいたら勉強の邪魔になるだけよ』
勉強の邪魔……いや、そんなことはない。俺はなんでも両立できる人間だ。
それに、こいつのためなら学力を全て捨てる覚悟だってできているんだ。
『じゃあね』
『待ってくれ!!』
それ以降、俺のした返信に対して彼女から既読がつくことはなくなった。
ブロックされたのか?
いや、こんなところで終わらせない。今すぐ呼び止めるんだ。あいつの家ならわかっている。夜はもう遅い。電車もないかもしれない。
それでも、あいつの家に直接行って話さないと気が済まないんだっ!!
「待ってろよ、こころ!!こんなところ終わらせねえっ!!」
全速力で、真夜中の世界を駆け回る。脚が棒のようになっても、息が死にそうなくらいに切れても、その脚は止まらない。
いや、止めるわけにはいかないんだ。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
だいぶ走ったな。だが、こんなところで止まるわけにはいかない。思った通り、電車が止まっていたせいでかなり走った。だが、あいつの家まではもう少しだ。あと少しで……もう少しで!!
「止まれ!!」
「……ッ!?」
目の前には数人のサングラスをかけた黒ずくめの男たちと、それをメガネをかけて仕切る男が目の前に現れた。
「天月要だな。光ノ宮学院学園長のご命令により、お前を連行する」
黒ずくめのメガネをかけたやつが表情一つ変えず、そう言った。
「なんだよ……こいつら……」
どうも、Trap High school‼︎の作者ゆいたんです!今作は、1話1話を短くしてみようと思います!あらすじ自体がネタバレになると思うので、書いていくごとに増やしていこうかなと思います!まだ最初なので、どういう内容かわからないと思いますが、温かく見守ってくれると幸いです!