桜の木の下には君が埋まっている。
「私が死んだら、桜の木を探してね」
次の日、彼女は死んだ。
あれからどれくらいの月日が経ったのだろう。
そして何本の桜の木の下を探したのだろう。
遠い記憶の【彼女】のことを、今日も探し続ける。
探して、探して、探して、探して…
やっと辿り着いたよ。
【君】に。
桜の木の下から出てきたのは、骨でもなくタイムカプセルでもなく、ましてや【彼女】でもない。
それは小さい紙切れ。
丁寧に袋に入れられた紙切れだった。
「みつけてくれて、さがしてくれてありがとう。」
それは、たった20文字の文。
そんな紙切れに何故か大粒の涙が出た。
あの日から灰色だった世界が、色づいた気がした。
「ありがとう。」
そう呟きながら
その紙を握りしめ
名前も顔もわからない【君】を想い
僕は前を向いた。
最後まで読んで下さった方、有難うございます。
短編を書いてみましたが、意味がわからないストーリーだと思う方が沢山いらっしゃると思いますが、無理に意味を考えず、わからないままで大丈夫です。
そのまま胸に閉まって下さると幸いです。




