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死神と呼ばれた少女は転生を繰り返す  作者: 結音
第1章 化け物がいる世界
9/13

◆◇◆始まりの記憶◆◇◆

今回は本編だけど本編じゃないです。一章のお話ではないです。これがなんのお話かは後々分かってくると思います!

 友達に誘われて始めたオンラインゲームが今日サービスを終了した。そこまでやり込んでいたわけではなかったけれど終わってしまうと寂しい。またプレイしたいなぁ。そう思いながらもただのプレイヤーの一人でしかない私にはどうする事も出来ない。



 数日後、目が覚めると見知らぬ場所にいた。

 いや違う。私はこの景色を知っている。

「旧市街地地下迷宮?」

 私がプレイしていたオンラインゲームにあった場所だ。ここの上層はソロでも攻略しやすく、ギルメンやフレンドがインしていない時によく潜っていた。でもどうしてここにいるの?私は家で寝ていたはずなのに?


 状況がよくわからない。周りを見れば見る程ゲームの世界に酷似している。まさかと思い自分の姿を見ると案の定私がプレイしていたキャラの姿になっていた。鏡がないから顔は確認出来ないけれど服装や体型、髪型などが一緒だからきっと顔も一致しているだろう。


 ・・・そうか夢だ。もう一度ゲームをプレイしたいと思ったから自分がゲームの世界にいる夢を見ているんだ。きっとそうだ。

 そう思っていると突然ピコンッと音を鳴らして目の前にモニターの様なものが現れた。それはチャット欄と同じデザインだった。画面には

『セイラ:今どこ!?すぐにホームに来て!!』

 とあった。セイラは私が所属しているギルドのマスターであり、私をこのゲームに誘ったリア友だ。チャットまで現われるなんて凝った夢だなぁ。


「ホームに来いって言われても・・・」

 ここはダンジョンの中だし外に出ようにも夢の中とはいえモンスターがいる中を突っ切るのはちょっと・・・。インベントリの中に帰還石はあるけどゲームみたいに表示されてるわけじゃないからなぁ。そう思っているとチャット同様ピコンッと音を鳴らしてインベントリが表示された。

「さすが夢。考えればどうにかなるんだね」

 表示されたインベントリから帰還石をタップすると光に包まれ次の瞬間にはホームにいた。


華燐かりん!」

 姿を現したのはセイラだった。ちなみに、華燐はゲーム内での私の名だ。

「やっぱり華燐もこの世界に来ちゃってたんだね!他の皆も向こうにいるから行こ!」

 手を引かれていく。手を引かれる感覚まであるなんて夢にしてはやけにリアルだなぁ。・・・あれ?今セイラ『この世界』とか言わなかった?

「ねぇ、『この世界』ってどういうこと?これ私の夢じゃないの?」

 そう聞くと驚いた顔をした。

「はぁ!?何言ってんの!?これは現実なの!ちょっと腕出して」

 言われた通り腕を出すと左手で掴まれた。そして右手はしっぺをする時の様に人差し指と中指を引っつけていた。まさか・・・

「えっ・・・とセイラさん?一体何をするつもりで?」

「いくよ!」

「え、ちょ、まっ」


 バシンッ


「いったぁぁぁぁぁぁ!!!」

 痛い痛い痛い!マジで痛い何これ骨折れたんじゃないの!?

「痛いでしょ?これで夢じゃないってわかった?」

 悪びれた様子もなく言うセイラを睨む。

「他に証明する方法なかったの?」

「だってこれが一番手っ取り早いもん」

 だからってさ、リアルでも痛くて一回やられたら二度とやられたくないと評判のしっぺをする?セイラに喧嘩ふっかけた男子もしっぺするぞって言われた途端に謝り出すくらいなのに・・・

「怪力ゴリラめ」

「なんか言った?」

 小さい声で言ったのに聞こえてたのか。

「なんでもないでーす」

「そう。じゃ行くよ」

「うぃっす」



 その後ギルメン達に会って状況を確認したが皆私と同じで家で寝ていたはずなのに目が覚めたらここにいたらしい。そして、他のギルドに所属しているフレンド達にも聞いたらしいが解答は皆同じだったらしい。

「まったく。目が覚めたらゲームの世界にいるとかどこのラノベだよ」

 その言葉に皆頷く。ラノベではゲームの世界に行ってしまっただとかゲームの世界に閉じこめられたなどの設定をよく見かけるが実際に自分達がそうなるとは誰も思わなかっただろう。しかも、サービスが終了したゲームの世界に来るなど誰が想像し得ただろうか。

「とりあえず暫くは他のギルドと情報交換しつつ元の世界に帰れるまでの生活の基盤を作ることを最優先にしましょ」

 その言葉でとりあえず話し合いは終わった。



 それからしばらく各ギルトのギルマス達による今後の方針を決める会議が何度かなされた。会議といっても全てのギルドが集まると人数が多すぎるのでホームがあるエリアごとに分かれている。

 その会議の結果は全プレイヤーに公開されるのだがめぼしい情報はなかった。

 帰る方法も何も思いつかなかったようだ。いや、正確には意見が出たらしい。その意見はゲームをクリアすれば帰れるのではないか?というものだった。が、それはすぐに否定されてしまった。


 そもそも、ストーリーをクリアしたプレイヤーもこの世界に来ている。ストーリーをクリアしたという事はゲームをクリアしたことと同じ。もし帰還条件がゲームをクリアする事ならば既にゲームをクリアしたプレイヤーは帰還出来ないことになる。

 また、真っ先にその事を思いついたクリア済みのプレイヤーが最後のラスボスのいるエリアに向かったらしいが辿り着けなかったらしい。ダンジョンには入れるらしいがラスボスの部屋に入ろうとすると自動的に入り口に転移させられるらしい。

 まだクリアしていないプレイヤーなら行けるのでは?と思いクリア直前、あとはラスボスを倒すだけだったプレイヤーとパーティを組み試したそうだが結果は同じだったらしい。


 つまり、元の世界に帰るためにはゲームをクリアする以外の何らかの方法を探す必要があるということだ。しかし、クリア以外に何をすればいいのかなど誰も思いつかない。



 誰も何も思いつかないまま一ヶ月が経った。





誤字、脱字、これおかしくない?などありましたら是非教えて下さい!


次回は二章を投稿します!二月の中旬頃になりそうです。

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