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死神と呼ばれた少女は転生を繰り返す  作者: 結音
第2章 神様がいる世界
13/13

当惑

今日はまだ四月中旬ですよね?セーフ・・・ですよね?

結局余裕なくて間に投稿出来ませんでした・・・。

 昼食後、私は佳宵を問い詰めていた。

「ねぇ、佳宵昨日聞きそびれたのだけどどうしておじいちゃんの名前を知っているの?」

「・・・柊花が前に言っていただろう」

「言ってないわ。佳宵の前ではいつもおじいちゃんとしか言ってないもの」

「柊花が忘れているだけで言っていた」

何時いつ何処どこで?何の話をしている時に?」

「それは」

「私結構記憶力いいのよ?何時何処で何を話したのか大抵覚えているわ」

 じっと見つめると少し気まずそうに顔を逸らされた。これは言う気ないわね。


「質問を変えるわ。澪桜みおうって誰?」

 その名前を聞いた途端驚愕した顔で私を見る。

「お前、その名を何処で・・・」

「昨晩また同じ夢を見たの。その中で女の人が言っていたわ」

「・・・・・・・」

 険しい顔で黙り込んでしまった。この名前に何かあるのかしら。

「ねえ、佳宵は私に何を隠しているの?」

「・・・・・・・」

「昨日の悪鬼が言っていた『みこ』に関係しているの?」

「!」

『みこ』と言うとあからさまに反応した。私の見た夢は、澪桜って人は『みこ』に関係していて佳宵はそれが何か知っているってことかしら。


「私には話せないことなの?」

「・・・・・」

 また黙り込んだ。一体何を知っているのかしら。

「ねぇ、佳宵は一体何を」

 私が話していると門を叩く音がした。

「ごめんください!誰かいらっしゃいませんか!」

「誰か来たようだな。俺が出る」

 これ幸いとばかりに佳宵が立ち上がり外に向かう。

「佳宵!」

 私が声をかけた時にはもう外に出ていた。



 こっそり私も外に出る。こそこそする必要はないんだけれど何となくこそこそしてしまう。

 ちょうど佳宵が門を開けたところだった。門の向こうにはこの間出会った護剣省の人達と同じ格好をした人がいた。その後ろには牛車がある。

「誰だ」

 佳宵が警戒しながら聞くと一番前に立っている男が恭しく一礼し話し始めた。

「先日は私共の部下が失礼致しました。私は護剣省に所属しております者です」

 昨日の人達の上司みたい。

「何の用だ」

 佳宵は凄く機嫌が悪い様だ。昨日の人達にも冷たかったし護剣省との間に何かあったのかしら。


「部下達もお話したと思いますが『みこ』様を保護する為に参りました」

 また『みこ』だ。

「ここに『みこ』はいない。去れ」

 言うとすぐに門を閉めようとする。

「それはおかしいですなぁ。確かにせんではここにいると出ているのですが」

「占が間違っているだけだ」

 佳宵が門を閉めようとするが護剣省の人が閉められない位置にいるせいで閉められない。そのせいでどんどん佳宵の機嫌が悪くなっている。


「それは有り得ませんなぁ。我らのみで行った占ならいざ知らず煌皇も共にされた占にございます。それが間違いなど有り得ません」

「例え煌皇が占をしたとしても『みこ』が何かもわからないのに正しい結果が出るとでも?」

「『みこ』が何かわからないだと?白々しい。貴殿は『みこ』が何か知っているだろう?」

 別の誰かの声がした。声がした途端護剣省の人達が牛車を遮らない位置に移動したからきっと中の人が話したのだろう。

「何を言っているのかわからんな」

 私から顔は見えないけどさっきより警戒しているのはわかった。やはり佳宵は『みこ』がなんだか知っているのね。


「わからんとほざくか。ならば教えてやろう。『みこ』とは『皇女』のこと。つまり十四年前に行方不明になられた第四皇女澪桜様のことだ」

 第四皇女って確か降神滅鬼の乱の時に行方不明になった方よね?それが今になって見つかった?それもここにいるの?それに澪桜って夢で聞いた澪桜と同一人物なの?ならその澪桜ってまさか・・・

「仮にそうだとしてここに皇女がいるわけがないだろう」

 表情一つ変えずに佳宵が返す。そうよね。ここには私と佳宵しかいないもの。皇女がいるわけがないわ。もし皇女がここにいると言うのならそれはつまり

「いいやいる。そのような所に隠れず出て来い」

 牛車の御簾は降りたままだから中の人がどうしているのか分からないのに何故だか私を指している気がした。


 少し躊躇いながら佳宵の隣に行くと刀を持った護剣省の青年が驚いた顔で私を見た。なにか変なことでもしたかしら?

「何故出て来た。早く部屋に戻れ」

 佳宵は険しい顔でそう言うけれど今更部屋に戻れない。

隼哉しゅんやこの方で違いないか」

「・・・っ、はい。間違いありません」

 先程私を見て驚いた青年、隼哉は牛車に返事をするとまた私を見て一呼吸してから告げた。

「この方が第四皇女澪桜様です」

 私を見ながら断言した。やはり私が皇女なの?でも、だけど、私は柊花で澪桜じゃないわ。おじいちゃんの、晴來の孫だから皇女なわけない。でも、どこか納得している自分もいる。一体どういうことなの?


「人違いだろう」

 私を彼等から隠すように立って睨みつける。

「それはない。隼哉は澪桜様の葵剣きつるぎとして幼き頃より側にいた。その隼哉が間違えるはずなかろう」

「だが皇女は十五年前に行方不明になっているはずだ。それだけ時間が経てばわかるわけないだろう」

「葵剣は他の祓い師とは違う。煌族を守る護剣省の中でも葵剣は剣皇の血を引くものだけがなれ、煌族一人に一人付くことになっている。そして、葵剣は一度仕える主を定めると絶対に主を間違えることはない。例え何年も離れていようとも」

 佳宵はそれを黙って聞いていた。この話が本当なら私は第四皇女ということだろう。でも、なら何故私は晴來の孫の柊花としてここにいるの?


「皇女をこのような場所にいさせるわけにはいかぬ故我等と共に来てもらおう」

 すると周囲の祓い師達に取り囲まれた。

「さあ、こちらへ」

 取り囲んだ中から隼哉が出て来て手を差し出した。

「煌族は常に悪鬼に狙われるもの。だから守りが盤石な宮廷にいて貰わねばならぬ」

「守りが盤石か・・・よくそんなことが言えたな」

「なに?」

 佳宵が嘲る様に言うと訝しむ様な声が聞こえた。


「十五年前にみすみす悪鬼を宮廷に侵入させておきながらよく言ったものだな」

 その言葉に一部の祓い師の顔が強ばる。

「なんの事だ」

「とぼけるな。十五年前、宮廷を覆う結界が破れ多くの悪鬼が侵入しただろう?それなのに祓い師どもはろくに討伐もせず第二皇女が命を落とすことになった。そんなに役に立たぬ連中がいる所にこいつを連れていかせる訳にはいかない」

「なにを」

「出て行け」

 今までよりも強い言葉で佳宵が言うと祓い師達は見えない何かに追い出されてしまった。門の外に全員が出るとひとりでに門が閉じた。


「ねえ佳宵、さっきのって」

「お前は何も知らなくていい」

 それだけ言って私の腕を引いて部屋に戻った。




 それから暫く気まづかった。先日の事を聞こうとするとあからさまに顔を強ばらせて話を逸らすし、外にも出してくれない。私は知りたいだけなのに。私は誰で、どうしてここにいるのか。



 それから数日後の夜私は中々寝付けなくて庭に散歩に出た。空には三日月が浮かんでいる。

 一体私は何者なんだろう。それに佳宵も。どうして十五年前に宮廷で起きた事を知っているのかしら。佳宵が付喪神となったのは四年前で私がおじいちゃんにこの首飾りを貰ったのが九年前。どうやっても佳宵が宮廷の事を知る事は出来ないはずなのに。

「一体何がどうなっているのかしら」

「俺も聞きたいよ」

 すぐ側で佳宵でない声がした。声の方を振り向くと先日追い出された祓い師の隼哉がいた。


「あなた、確か」

「隼哉だ。お前の葵剣だ」

 そう言って近づいて来る。逃げた方がいいのだろうけど私の体は動かなかった。近づいて来てもなんの警戒も抱かなかった。

「私は晴來の孫の柊花よ?第四皇女様じゃないわ」

 本当に?

「それは本当の真実じゃない。お前は第四皇女澪桜で俺の主だ」

「違うわ」

「何故そう言いきれる?根拠は?」

「それは・・・」

 本当に言いきれるの?私は両親に会ったことがない。私が生まれてすぐに死んでしまったとおじいちゃんが言っていたから。でもそれが嘘だったら?


「言いきれないんだろ?自分が皇女かもしれないと思い当たる節があるんだろ?ならこっちに来てくれ」

 隼哉が見つめながら手を差し出してくる。

「でも・・・」

 私はどうしたらいいんだろう。仮に私が皇女だとしても十五年も行方不明だったんだもの。宮廷に私の居場所はあるのかしら。それに私が宮廷に行ったら佳宵はどうなるの?

「さあ」

「・・・ごめんなさい。私は行けない」

 こんな状態で行っても迷惑をかけるだけだもの。

「そうか・・・」

 残念そうに言って手を下ろした。


「なら無理やり来てもらうしかないな」

「え?」

 隼哉が術をかける時の様に印を組み何かを小さな声で唱え始めた。すると段々意識が朦朧としてきた。

「ごめんな」

 その声を最後に私は意識を手放した。

誤字、脱字、これおかしくない?などありましたら是非教えてください!!


来月なるべく中旬に投稿しようと思いますがもしかしたら下旬になるかもです。


すみません投稿遅れます!!(。>ㅅ<。)ウイルス性の嘔吐とほぼインフルエンザ並の風邪のダブルコンボでダウンしました・・・・

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