表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神と呼ばれた少女は転生を繰り返す  作者: 結音
第2章 神様がいる世界
12/13

心夢

どんどん文量が減ってしまいます・・・

こうなったらこのくらいの文量で投稿数を増やした方がいいのでしょうか・・・・

「●●、これからは晴來せらの言う事をよく聞くのですよ」

 綺麗な女の人が私の頬を両手で包み込みながら泣きそうな顔で言う。

「●●様、そろそろ」

「わかりました」

 私を抱き締めた後、私の後ろにいる老人に私を預けた。

「●●を頼みます」

 そう言って老人に頭を下げる。

「はい。必ずや守り通してみせます。絶対に●●様は奴等には渡しません」

 二人が何を話しているのかわからないけれど、この女性ともう会えないのはわかった。

「あねーえしゃまはいかないの?」

 すると女性は・・・姉上様は寂しそうに笑った。

「そうですね。わたくしは共には行きません。けれど何時も、何時までも●●の事を想っていますよ。だから、」

 姉上様は私の額に自分の額を合わせた。

「せめて、●●だけでも自由に・・・幸せになって」

 そう言われた途端急にその人から離されて行く。

「まって、あねーえしゃま」

 私は必死に手を伸ばすけれど届かない。

「あねーえしゃま!!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 目が覚めると見慣れた天井が見えた。ここは・・・私の部屋?起き上がって寝起きでぼんやりする頭で何があったか思い出す。

 えっと、そう、悪鬼に襲われかけて護剣省の人に助けられて連れて行かれそうになったのを佳宵が止めて、それで私気絶して・・・。

 そこまで思い出すと障子が開いた。

「目が覚めた・・・か・・・・」

 私の顔を見るなり驚いた顔をする。

「どうしたの?」

 何故かわからず聞くと戸惑った顔で側に座ると頬に触れた。

「何故泣いているんだ?」

 言われて気づいた。私泣いているんだ。何故かしら?


 自分でも何故泣いているのかわからずどう答えようか迷っていると佳宵が心配そうな顔で言い募る。

「どうした?いつもなら泣かないだろう?悪鬼がそんなに恐ろしかったのか?それとも護剣省の奴らか?」

「・・・違うわ」

「なら、何故泣いているんだ?」

 何故?目が覚めたらいつの間にか泣いていて、それで・・・そう、確か

「夢を、見たの」

「夢?」

 首を傾げながら佳宵が繰り返す。


「えぇ。とても綺麗な人がいて、私はその人を姉上様と呼んでいるの。その人と一緒にいたいのにその人はどんどん遠ざかって行ってしまうの」

 どれだけ手を伸ばしても声を上げても届かなかった。

「それに、その人は多分私の名前を言っているはずなのだけど何故か名前だけ聞こえないの」

「・・・そうか」

 それだけ言うと頬に触れていた手を頭に乗せ撫で始めた。

「その夢が何を指しているのかわからないが暫く気を付けておけ」

「うん」


 夢は人の記憶を元に見るもの。夢は夢、現実にはなんの影響もない。しかし、極稀に現実に影響するものもある。いや、影響ではなく未来を見てしまうと言った方が正しいか。

 未来の出来事を見る夢を予知夢と言う。霊力が強い、もしくは霊力の質が高い者は極稀に予知夢を見てしまう。予知夢にはただ未来の光景を見るだけの場合とそれに干渉出来る場合がある。また、ハッキリと未来を見れる場合と曖昧に抽象的に未来に起こることを示唆するだけの場合もある。だから、霊力を持つものは夢を見た時は気をつけなければならない。

 特に私の霊力は他の人間より強く質が良いらしいから尚更だ。術をしっかり学んでいればただの夢か予知夢なのか判断出来るらしいが生憎私が祖父から習ったのは結界術のみだから出来ない。だから佳宵も気を付けろと言っている。


 だけれど、

「たぶんあの夢は未来のことではないと思うの」

 それを聞いた佳宵は訝しげな顔をする。

「何故だ?」

「だっておじいちゃんが出てきたんだもの」

「晴來が?」

「えぇ」

 おじいちゃんは七年前に亡くなっている。だから未来におじいちゃんがいるはずがない。


「夢の中で晴來は何をしていたんだ?」

「たしか、女の人から私を預かって『必ず守り通してみせます、絶対に奴等には渡しません』って言っていたわ」

 すると佳宵は少し驚いた顔をして私をじっと見つめだした。

「・・・・?」

 私が何なのかよくわからず首を傾げていると小さくため息をついた。

「なんでもない。・・・まだ少し顔色が悪いから寝ていろ。夕餉には起こす」

 そう言って私を寝かせる。なんだかはぐらかされた様な気がするわ。


「寝るまではここにいるから早く寝ろ」

 そう言いながら私の頭を撫でる手は暖かくて優しくてすぐに眠くなってくる。眠りにつく前に私は気になっていたことを聞いた。

「ねぇ佳宵、」

「なんだ」

「どうしておじいちゃんの名前を知っているの?」

 私の指摘に驚いた様なしまったと言いたそうな顔をした様に見えたけど、返答を聞く前に私の意識は眠りに落ちていった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「どうしておじいちゃんの名前を知っているの?」

 そう聞かれて俺は気づいた。俺は晴來の死後に付喪神として柊花の側にいる。だから晴來のことは()()()()()()()()()()()。いや、柊花を育てた祖父と言う事は知っているが名前は知らないはずだ。何故なら柊花は晴來のことをおじいちゃんとしか呼ばないから。なのに何故晴來の名を知っているかと聞かれても今の柊花には答えることは出来ない。幸い聞いてすぐに眠ってくれたから良かったがこれからは気をつけなければならないな。


 静かに寝息を立てながら穏やかに眠る柊花を見つめながら願う。

「どうか、このまま何も思い出さないでくれ」

 もう、先程見たという夢は見ないでくれ。

「お前は呑気に笑っていてくれればいい」

 あいつの様にはならないでくれ。


神子みこか・・・」

 悪鬼と護剣省の所属と名乗る祓い師が探している『みこ』はおそらく神子みこのことだろう。

「何故今になって神子を探す?」

 神子が双方にとって必要な存在ならばとうの昔に保護されているはずだ。 なのに今更探し出すのはおかしい。

「一体何が起きようとしているんだ?」

 出来れば柊花だけは巻き込まないでほしい。そう願うがそれが叶わない願いであることを俺は知っている。だから、

「お前だけは守ってみせる」

 強く力を込めて言霊を放つ。俺は神なのだからそこらの人間よりも言霊は強い。そんな俺が更に力を込めたんだ。絶対叶えてみせる。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 目が覚めるともう日が落ちかけていた。そろそろ夕餉の時間かしら。

 立ち上がり部屋を出て台所に向かう。いい匂いがする。これは煮物かしら。


 台所に着くとちょうど佳宵が煮物をよそっている所だった。

「起きたか。運ぶから先に部屋に行ってろ」

「私も手伝うわ」

 盆に既に料理が盛り付けられた皿を乗せて居間に運ぶ。机に料理を並べ終わると向かい合わせに座る。

「「いただきます」」

 手を合わせ食べ始めた。



 後片付けを終え、一服しながら今日の事について話し始める。

「ねぇ、あの悪鬼が言っていた『みこ』って一体何なのかしら」

「さあな」

「佳宵もわからないの?」

「あぁ」

「そう・・・」

 納得した振りをしておくけれどどうも怪しい。態度はいつもと変わらないけどなんだか違和感かある。勘だけど絶対何か隠しているわね。


「もう遅い。そろそろ寝ろ」

「・・・そうね。お休みなさい」

「お休み」

 湯呑みを台所に持って行ってから部屋に戻った。


 さて、どうやって聞き出そうかしら。直接聞いた方が早いかもしれないけれど佳宵は頑固だから素直に教えてくれるとは思えない。なら、うっかり喋らせるしかないかしら。・・・そう言えば私寝る前に佳宵に何故おじいちゃんの名前を知っているのか聞いたけれどまだ返事を聞いてなかったわね。まずはそれから聞くことにしましょう。


 明日は早く起きてさっさと家事を済ませてじっくりと佳宵に話を聞きましょう。

 そう決めて布団を敷いて横になると昼間あれだけ寝たのにすぐに私は眠りについた。


 眠っている間、私はまた同じ夢を見た。今度は名前が聞こえた。

誤字、脱字、これおかしくない?などありましたら是非教えてください!!


来月も中旬頃に投稿予定です!文が浮かべばその前にまた投稿するかも・・・?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ