降神滅鬼
とりあえず先に二章の導入?を投稿しておきます!続きは来週(いや、もう今週なのかな?)中に投稿出来るようにします!
神々に愛されし国『蒼苑』。それが今生の私が生きている場所。
この国には多くの神々が住んでいる。でも滅多に姿を表さないし干渉もしてこない。だから本当に神様がいるのか疑う人もいた。でも、今は皆信じている。
今から十四年前、都に悪鬼が出没した。悪鬼はよく都に出没する。それは都にかつて悪鬼達を束ねていた荒神を倒した武神の末裔がいるからだ。
武神の末裔は武神の妹神である水神の末裔を守る為に水神の末裔が煌王として治めている蒼苑の都を剣皇として守護している。悪鬼達は荒神の仇である武神の末裔を武神そのものだと思い狙う。そして、武神を絶望させる為に武神が溺愛していた妹神の末裔も執拗に狙う。だから、末裔がいる都を度々襲撃する。しかし、都には悪鬼討伐を生業としている祓い師が沢山いるからそこまで大きな被害は出なかった。
しかし、十四年前は違った。その時はかつて無い程の悪鬼の大群が押し寄せてきた。弱い個体ならばいくら大挙して押し掛けて来ようが被害はそこまで出ない。だが、強い個体がいた。かつて荒神と共に武神と戦ったと言われる程の強大な悪鬼だ。武神ですら手間取った相手に人間が勝てるわけもなく多くの祓い師が命を落とした。祓い師だけではない。逃げ遅れた多くの人々も命を落とした。
剣皇さえいればまだ少しは違ったかもしれない。だが、先代の剣皇が崩御したばかりで新たな剣皇が即位していなかった。その為、剣皇のみが使える神器の破魔の剣の継承の儀が出来ていなかった。
もう終わりだ。都は滅びるのだ。誰もがそう思った時だった。
突然宮廷に光の柱が現れた。その光は日が落ち瘴気に覆われたせいで暗闇に包まれた都がまるで日が出ている時の様に照らした。見る者に希望と畏敬の念を抱かせるその光に人も悪鬼も動きを止め魅入った。そして、声が聞こえた。直接脳に語りかけている様にも聞こえるその声は都に住まう全ての人に届いた。
『人の子よ恐るるなかれ。我等が血脈が途絶えぬ限り都は落ちぬ。汝らが我等を忘れぬ限り我等は汝らを見捨てぬ』
そして光が都を覆い尽くした。光が消えた頃には悪鬼は跡形もなく消えていた。
その後、都ではある話で持ち切りだった。悪鬼を退けた光は武神であり武神に助けを乞うために皇女が自らの命を対価にし亡くなった。そして、五歳になる第四皇女が同日行方不明になった。
───人々はその惨禍を『降神滅鬼の乱』と呼んだ
誤字、脱字、これおかしくない?などありましたら是非教えて下さい!