地元あっての異世界!
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ガチャリ……
ギルドの美女に別れを告げ。
扉の先は………
異世界では無く地球でした!
安堵の息を吐き出し、三人は二日前に訪れたパイプ椅子しか無い一室に足を踏み入れる。
「ほんのちょっと心配しましたの」
と、三人の背後から最初に三人を陥れたマリアがそこにいるではないか。
「あ、ドラ○モン!」
マリアを見た純一の第一声。
「誰がドラですの!」
「いやいや、異世界の○こでもドア持ってますしね」
今度は淳。
「確かにタヌキっぽい猫じゃ無いが、泥棒猫……」
昌晃も悪態をつく。
「ちょっと、何か嫌みを含んでませんの!!」
三人のジト目を尻目にマリアが言い返す。
「てか、密林のあんな所に送りやがって……熊に追いかけられて熊に追いかけられて熊に追いかけられて……」
「トラウマですね……」
「死ぬかと思ったっすよ!」
一斉にマリアに詰め寄る三人。
「そ、それは失礼しましたの、弘法も筆の誤りと言いますし、ホホホホホ……」
視線を逸らしながらマリアは冷や汗を流す。正直、本人も想定していなかった事態なのだろう、その証拠にあまり反論も言い訳もしない。
「兎に角、失敗した件につきましては謝罪いたしますの、でもどうでしたの異世界は?楽しくはありませんでした?」
謝罪の後のこの言葉。何時しかマリアの口元には笑みが浮かんでいた。
「まぁ、ファンタジー感は半端なかったな!」
「えぇ、確かにオンラインゲームなんて目じゃありませんでしたね」
「それに魔術も使えたし、異世界民とも知り合えたつすから……」
「あら?もう知り合いを作りましたの?ギルドの赤眼鏡のユリですの?」
「いんや、旅団、希望の翼のゲオルグとマリナ、それにジャリが一匹だな」
「昌晃、クリスさんですよ!」
淳のフォロー。すると、今度はそれを聞いていたマリアが。
「あら、もう希望の翼の、いえ、マリナに会いましたの?」
「「「?」」」
三人が首を傾げる。すると。
「マリナは私の妹ですの、確か旅団でも幹部で冒険者ランクA級の自慢の妹ですわ!」
…………
………………
「ちょっと何ですの、その間は?」
「いや、あの良い人そうなマリナさんが、まさか、ビッチなアンタと姉妹だなんて……」
「び、ビッチとは何ですの!そりゃあマリナに比べたら節操は無いかも知れませんが………」
「それ、言ってて切なくなりません?」
「………言わないでくださいまし………」
淳のツッコミに涙をためるマリア。ホント姉妹でこうも違うとは。
「ま、良いですの、で、今度は何時入場しますの?」
「あの、アトラクションじゃ無いんですから……」
マリアの切り替えに更に突っ込む淳。
「僕は来週頭にバイトの面接がありますから、火曜日以降っすかね……」
純一。
「なら、火曜日の授業終わった後だな、姉御、その時また頼むわ!」
「あ、姉御!?まぁ、構いませんけど…じゃあまた火曜日に……」
そう言ってマリナは異世界ではなく、出入り口のドアを開ける。
ビルを後にした三人、残ったのは異世界で感じた熱い何か。
「取りあえず寝たい……」
「同じく…」
昌晃と淳が帰宅モードに入っていたその瞬間、純一に連絡が入る。
「はい、時任です……はい、月曜日の面接ですね………はい、問題ありません…………はい?欠員が二名?自分の知り合いをですか?はい、まぁ一様聞いてみます、はい、では………」
「どうかしましたか?」
純一の通話終了を見て淳、純一は苦笑しつつ。
「何か面接に欠員が出たらしくて、知り合いで誰かいないかって聞かれたっす、昌晃、淳、面接だけでもどうっすか?」
「バイトかぁ……大学入って1ヶ月、GWあけからってのもわるくねぇなぁ……」
「確かに、これからの事考えると同じにしとくのも悪くないですね……」
「じゃあ月曜日、授業終了後に……」
そこまで話をして三人は解散する。
昌晃宅
「はぁ、疲れた……」
一人暮らしの為迎えてくれる者はいない、そのため帰って直ぐにベッドに倒れ込む。
「激動……だったな……」
枕に顔をうずめうつらうつらと、まどろみを楽しんでいると。
ガンガン!!
頭に響く雑音が耳に飛び込んでくる。
「……………」
ガンガン!!
ガンガンガンガン!!
流石に無視出来なくなり、ゆっくり立ち上がると。
(いるんでしょ!?昌晃!)
玄関前から聞こえる女性の声。
「チッ……」
舌打ちしながら玄関へ向かう。そして、鍵を開けると。
「ちょっと、2日間もどこほっつき歩いてたのよ!心配したじゃない!」
良く通る声が昌晃の耳に響く。が、昌晃は少し気怠そうにしつつ。
「どうでも良いだろ……ダチと色々だよ……」
「色々って、コッチはアンタが2日も家開けるから心配したのよ!」
「別に、お前に心配してもらおうなんて思ってねぇよ岬!」
「ちょっと、何よその態度タマタマ同じ大学で、アンタの世話おば様から頼まれたから世話してるのに……」
「じゃあそんなの反故だ、無視していいよ……じゃぁな……」
そう言って昌晃が玄関のドアを閉めようとしたその時。
「ちょっと待ちなさい、今日はアンタに話があるの!」
「はぁ?話?」
「そうよ、アンタ、バイトやる気ない………月曜日に面接あるんだけど?」
岬と呼ばれた少女は、昌晃にそう告げるとその後小声でゴニョゴニョと言ったが何を言っているか解らず、昌晃はあえて聞き流す。
「いや、その日は無理だ授業終了後に用事がある」
「用事?」
「あぁ、ダチとバイトの面接だよ!悪いな……」
「そう……なんだ、なら仕方ないね……」
少し残念そうにしながらも岬は柔らかな笑みを浮かべ、昌晃の部屋を後にする。
勿論、残った昌晃はそのままベットに直行して、深い眠りにつくのだった。




