夜間戦闘終了
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尽きたジェノサイドキャットが地面に倒れ込み、完全に絶命したのをゲオルグが確認して戦闘の終わりを告げる。
「ぶはぁぁぁっ!!」
大きく息を吐き出し昌晃が地面にへたり込む。
「お疲れ様」
そう言って、へたり込んだ昌晃に手をさしのべるゲオルグ。
「ありがとうございます」
と、昌晃もふぅと安堵の息を漏らしながらゲオルグの手をとり立ち上がる。
「それにしても、キリングキャットという話しだったのにふたを開けたらジェノサイドキャットとキリングライダーとはな……」
長剣を地面に突き刺し、ゲオルグは事切れたジェノサイドキャットとキリングライダーに視線をやり呟く。
「副長………」
と、今度はスプーンに回復魔術をほどこされたパーカスがヨロヨロとこちらに向かってくる。
「パーカス、無事だったか?」
「………はい、ダメージは大きいですが回復魔術のお陰で何とか……」
「そうか……なら、全員無事だな」
夜間であるため、近くにいなければ確認は難しいがそれでも当初と同じ6人がその場にたっていた。
「一様確認しておくぞ?パーカス?」
「はい……」
「スプーン」
「……はい」
「藤堂君」
「うぃ!」
「千鳥君」
「はい」
「時任君」
「はいっす!」
ゲオルグの呼び声に全員が反応、それを確認して改めて安堵の息をもらす。
「兎に角ここじゃなんだ、落ち着ける場所に移動しよう」
戦闘の傷跡を見回しながら、一行は休息の取れる場所へと移動する。
「すいません副長……」
まだ回復魔術をかけたとは言え、ダメージの抜けないパーカスが、焚き火の少し離れた所に寝かされながらゲオルグに謝罪する。
「構わんさ、何せ今回はイレギュラーが多すぎた、それに対応して良くやってくれた」
「副長………」
謝罪するパーカスに対し、優しく労い、言葉をかけるゲオルグ。全員が火を囲み、そのやり取りを見守っていると。
「そして、研修ではあるが三人も良くやってくれた、勿論スプーンも」
と、他のメンバーにも労いの言葉をかける。
…………
……………
少しばかりの沈黙。パーカス以外のメンバーが火を見つめ、何か言葉を発そうとするが上手く言葉を紡げない。すると。
「それにしても時任君の魔導武具は珍しい形をしてるな……」
「これっスか?」
「あぁ、弓やボーガンとはまた違う、威力も申し分ない、差し支え無ければ教えてもらえるか?」
純一は、銃を自分の前に脚を立てて置き全員に披露する。
「正直なところ、俺もあんまり解んないんスけど、頭に流れてくる情報だと狙撃銃らしいっス」
「狙撃銃……?」
銃と言われてもゲオルグ達はぴんとこないのか、銃を眺めるだけ、どうやらこの異世界には銃は存在しないかかなりの希少なモノなのだろう。
「銃はですね、スプーンさんにも言いましたが弓の強化版と思って貰えばいいと思います」
純一の説明に、ザックリとした付け加えをする淳。
「強化版か………」
言われても中々に理解しきれないのか、ゲオルグが首を傾げる。しかし、当の本人達も銃に精通しているわけでもなく、詳しい説明は出来ない。
「とにかく銃に関しては信頼出来る武器だという事です……安心して下さい」
と、淳はどこぞのお笑い芸人の仕草で狙撃銃を指差すが、勿論こっちのメンバーは誰一人反応はしなかった。
「まぁ、淳はさておき……ゲオルグさん、話は変わるけど、研修何時もこんなハードなの?」
と昌晃が、話題を今回の夜間戦闘にかえる。するとゲオルグは一瞬考える仕草を見せ。
「いいや、今回はイレギュラーすぎる」
と、首を横にふる。
「なら何だったんですか?」
今度は淳。
「すまない、正直なところ解らないとしか言えない、それにギルドが情報をミスしたのが信じられない……」
「なら、意図的に情報を改ざんした……とかですか?」
「いや、それこそ無いと思う今回の任務依頼の担当者は旅団とも懇意の担当者だ、わざわざ裏切ったりするメリットは無いだろう……」
首を更に横にふり、裏切りの可能性を改めて否定する。なら、何故キリングキャットがジェノサイドキャットとキリングライダーになったのか。謎は深まるばかりだ。
「まぁ、兎に角だ解らない事をこれ以上論じ会っても仕方ない、今日はここまでにしてしっかりと休もう………」
そう言ってゲオルグが他のメンバーに休む事を指示する。勿論夜営の為、歩哨が立つがそれはゲオルグがかってでてくれたのであった。
「なぁ?」
「ん?どうしました昌晃?」
「今何時だ?」
「唐突ですね、えぇ……」
地面に寝そべり、三人が川の字に寝そべっていると、不意に昌晃が時間を聞いてくる。
「此方の時間は解りませんが、日本時間は深夜3時ですね……」
寝そべり、左手の腕時計に目をやってそう答える淳。すると昌晃は、大きくため息をつき。
「明日は………もとい、今日は授業無理だな……」
「…………ですね」
「ぐぅぅぅ………スゥ……」
昌晃はもう一度ため息をつき、淳もそれにならいため息。純一は寝息をたてるのであった。