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夜間戦闘 2

閲覧ありがとうございます!


一行はマルゼンのへの移動を開始。夜間と言うことを除けば、ただの密林を切り開いた街道を歩く簡単な移動。


「と、言いますか整備された道もあるんですね……」


夜間であまり良くは見えないが、スプーンが発現させた光球を頼りに、淳は周囲を観察する。


「そうですね、でもマルゼンへは、この道しかありませんけどね」


スプーンが肩をすくめて、淳を追うように視線を動かす。


「に、してもキリングキャットとか言うのもビックベアーズ見たいにデカいのかね?」


刀を腰に下げ、腕を頭の後ろで組みながら昌晃がそんな事を漏らす。


「仮にもキャットですから、それは無いでしょう……」


流石にそれは無いだろうと、淳が昌晃の疑問を否定する。


「まぁ、千鳥君の言うとおりだ、キリングキャットは体長三メートル程でビックベアーズ程じゃない……が、その俊敏さと的確な攻撃は、ある意味ビックベアーズより怖いだろうな………」


「パワーのビックベアーズに俊敏なキリングキャットってとこっすね!」


「そうなるな」


ゲオルグの言葉に純一が付け加えをして、またゲオルグが相槌をうつ。


夜間の移動。現状三人にはそれほどの苦にはなっていないようだ。


「スプーンさん?」


「ん?」


と、不意にに淳がスプーンに話しかける。


「あの、僕たち三人は、正直武器というものを扱った事がありません……その、戦闘になった場合……」


淳が申し訳無さそうにスプーンに質問し、次の言葉を口にしようとしたその時。


「大丈夫だよ、魔導石から顕現した武器は使用者本人が使えば頭に使用方法が流れて来るようになっているの!」


「……それは、何というか便利ですね……」


「でも過信は禁物だよ、情報が流れて来て使用出来るようになったとしても、それはあくまでも一時的なモノ、特に相手が上級者になれば通用しないと思っていいよ!」


「なる程……最初から使えるが上を目指すなら日々の鍛錬が必要と言うことですね……」


「そうだね、まぁ、後衛の魔導士とかはあまり武器には頼らないだろうからなんだけど、前衛や中衛はね……」


「解りました、ありがとうございます!」


「うん、どういたしまして解らない事は何時でも聞いてね」


淳とスプーンが会話を終えて再び周囲を警戒しはじめると。


「おぅ見習い共、武器も握った事無いのか?」


と、嘲るようにパーカスが、自身の武器であるバトルアクスを見せながら三人に話し掛けてくる。

淳はそれをほんの少し不快に感じながらも、表情には出さず。


「えぇ、まぁ、僕たちの地元では機会が無いもので………」


「はぁ、そりゃあエラい安全な村なんだな、安全過ぎて平和ボケか?」


「はは……そうですね、これからはボケ無いようにしますよ……」


「まぁ、何かあったら俺がしっかりと援護してやるよ!」


大声で笑いながら淳にそう伝える。勿論他の二人もそれを聞いていてあからさまに不快感を露わにしている。


「パーカスさん、相手は見習い何ですから!」


すかさずスプーンがフォローに入る。しかし、パーカスは更に声を上げ。


「まぁいい、今回程度の任務なら俺と副長だけでも良い感じだ、Cランクと見習いはしっかりみとけよ」


と、見下した態度。本人に悪気は無いのかも知れないが、流石に腹がたってくる。


「糞、見習い見習いってよ腹立つな……」


「仕方ありませんよ……どこの世界にもいますからねあぁいう輩は」


昌晃の言葉に、肩をすくめながら反応する淳。



と、その時、離れて先頭を歩いていたゲオルグが振り返らずに右手を出して停止の合図を出す。




空気が変わった。先程までのただ静かな闇夜ではなく、殺気に満ちた闇夜に。ゲオルグは剣を抜き、ゆっくりと後退してくる。


「多分キリングキャットだ……この気配感じたことがある……」


そう言われ、三人も周囲に気を配る。と。ベットリとした嫌な感覚に襲われる。


「僕たちでも解りますね……監視されているような……嫌な感覚ですね」


そう、淳が感想を述べる。その時。


「来るぞ!!」


ゲオルグが叫んだ刹那、森の蔭から一体の物体が来襲。それがゲオルグに激突。


「副長!!」


「パーカス、コッチは良い、後一体いる警戒しろ!!」


ゲオルグが叫ぶ、その通り後一体いるのだ。周囲はゲオルグと、来襲したキリングキャットの戦闘の喧騒で気配をよみずらくなる。


「スプーン、援護!」


「はいっ!!」


「研修、武器はあるんだろ、身ぐらい守って見せろ!!」


パーカスが声を張り上げ、前へ出る。


だが………


グギャァァァァ!!


叫び声を上げ、森の中からノソノソと現れる。そして、パーカスとスプーンは驚愕する。


「馬鹿な…………キリングライダー…………Aランクモンスター………」


そう、それはキリングキャットにオークが跨がっているではないか。しかも、パーカスの口からはAランクと漏れている。


「ヤバいんか?」


固まるスプーンに話し掛ける昌晃。すると、スプーンはゆっくりと顔を昌晃へ向け。


「多分、パーカスさんと私じゃ荷が重い……」


「荷が重いって……どうすんだよ?」


「ゲオルグさんが正面を何とかするまで、時間を稼ぎます!!」


「その通りだ!スプーン魔術援護!!」


「はいっ!!」


5対1、三人にとっての初めての実戦が始まる。

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