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「すんげえ嬉しいよ。初めてだから…」
走りながらも、祭はずっとニコニコ笑っていた。明るい子なんだな…、俺はそう感じていた。
「お前ぇはさ、趣味とかってあんのかい?」
暫くただニコニコしていたのだが、祭は突然俺に訊いてきた。どうしよう。
①あるよ ②ないよ ③関係ないだろ?
ーこれは②ですよねー
「ないよ」
本当になかったので、俺は正直に答えた。
「そんじゃあ、好きな女とかっていんのか?」
俺の答えを聞くと祭は、直ぐ別の質問をしてくる。どうしよう。
①いるよ ②いないよ ③関係ないだろ?
ーこれも②ですよねー
「いないよ」
彼女いない歴=年齢の非リア住生活を送ってきた俺に、好きな女とか考えられるわけないじゃないか。
「えっと、お前ぇってさ…いやなんでもねえ。じゃあよう、誕生日とか教えて貰えねえかい?」
祭は何かを言おうとして一旦口を閉じ、誕生日を訊いてくる。どうしよう。
①教える ②教えない ③教えて、からの訊き返す
ーこれは③にしてあげましょうー
「二月二日だ、祭は?」
「あたしのっ?」
質問に答えて祭にも訊き返した、それなのに凄い驚かれた。どうしてだろう。
「あたしの誕生日は、八月八日。もしかして、祝って…くれるんかい?」
笑顔ながらも何かを恐れているように、自信無さげに祭は訊いてくる。どうしよう。
①もちろん ②は? ③…
ーこれは①にしますー
「もちろん」
祭の自信なさげの笑顔に、俺は自信たっぷりの笑顔で返した。
「…ぁ! 分かった、期待しているぜい」
驚きに満ちたとても嬉しそうな笑顔で、祭は俺に返してくれる。その時俺には、細い背中から天使の羽が見えたような気がする。
「ど、どうしたんでい? あんまり顔見られるの、慣れてねえんでい。照れちまうなあ」
祭のその言葉で、俺はジッと見つめてしまっていたことに気が付く。どうしよう。
①可愛いなって ②うるさいな ③み、見てないし
ー①…? はい、①にしましょうー
「可愛いなって」
ただ俺は、正直に答えた。祭の顔が、みるみる赤く染まっていく。漫画じゃないんだからさ。
「お世辞はいらねえ、あたしは分かってるぜい。別にそんなこと言われたって、嬉しくもねえし! ぜってえ、嘘なんだから…」




