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コ
「やったー、あたしさあ…。家族以外の人登録したの、初めてなんだ。だからさ、すんげえ嬉しい!」
ちょっとしょんぼりしたような表情を見せたのだが、その後満面の笑みを見せてくれた。その笑顔が、俺には凄く輝いて見えた。そして俺も凄く、嬉しくなった。
「おい、なんでい? あたしの顔ジロジロ見て、どうかしたってんのかよ」
祭にそう言われ、俺は見惚れてしまっていたことに気付く。恥ずかしくなり、祭から少し目を逸らす。どうしよう。
①見つめ直す ②誤魔化す ③…(ぽ)
ーはい、②で~すー
「いや別に、見てないよ。うん、祭のことを見てた訳じゃなくて」
「そうなのか、そりゃ残念でい」
俺が何とか誤魔化そうとしていると、祭の笑顔は少し悲しげになってしまった。
「でもお前ぇの今の瞳、すげえ綺麗だった。お前ぇはよう、他の男共とは違う気がすんなあ。本当にあたしを、思ってくれてる気がする」
どうゆう、ことなのだろう。このときの俺にはまだ、理解が出来なかった。どうしよう。
①訊き返す ②スルー
ーこれも②、なんですねー
「…」
それにはあえて俺は、何も返さなかった。返す言葉が見つからなかったのかもしれない、悲しそうに微笑む祭の表情に…。




