ウ
「テニス部、入りませんか?」
顧問と思しき先生に言われる。どうしよう。
①入部 ②保留 ③却下
ーこれも②ですかねー
「考えておきます。では、他の部活見に行って来ますので。ありがとうございました」
軽く礼をすると俺は、再び校庭に戻った。
「水泳部、入りませんか? 誰か、どうですか?」
オドオドしていたが、一生懸命チラシを配る少年を見つけた。どうしよう。
①入ろう ②見てこう ③帰る!
ーこれも②ですねー
「水泳部か」
見に行こうと思った俺が呟きながら近付くと、少年は凄く嬉しそうな顔をした。
「あっ! 水泳部に、来てくれるんですね! 僕が案内します、着いて来て下さい」
水泳部なのでプールに案内された、のではなく一年一組の教室に案内された。
「新しい入部希望者? ようこそ~」
星香さんが、俺を出迎えてくれた。どうも水泳部は、今は作戦会議中なんだそうだ。あと入部の、勧誘かな? どうしよう。
①入部 ②保留 ③却下
ーここも、②になってしまいますねー
俺は取り敢えず、水泳部も保留ってことにした。そして折角校舎内にいるので、今度は校舎内の部活を見ようと考えた。部活表を確認する、活動場所を見とかないとね。でもどの部活に行こうかな。どうしよう。
①やっぱ外へ ②理科室へ ③生徒指導室へ ④音楽室へ
ーここは③にしましょうー
一番近いということで、俺は生徒指導室へ向かった。そこを部室にしているのは茶道部だ。
「こんにちは、見学ですか?」
俺がドアを少し開けると、木葉ちゃんが招き入れてくれた。何か、女子ばっかりだな。俺は先輩達にいろいろ説明して貰う、茶道ねえ。どうしよう。
①入部 ②保留 ③却下
ー③になってしまいますねー
雰囲気が俺に合っていないと判断し、残念ながら茶道部は諦めた。文化部って、俺には合わないと思うんだよな。まあ次の部活だ! どうしよう。
①やっぱ外へ ②理科室へ ③音楽室へ
ーこれは②ですねー
音楽室はめんどくさい場所にあるので、取り敢えず先に理科室へ行こうと思った。理科室で活動しているのは、当然科学部だ。
「え? 科学部見るの? ま、まあいいけど…」
ドアを開けると、黒いカーテンが閉められていた。そして音に気付いたのか、風香がカーテンを少し開けてくれた。しかし、中の様子は見えない。どうしよう。
①見る ②見ない ③撤退
ーまあ①にしときましょうかねー
不安ではあったが、全部見ると言うのが目標なので覘いて見ることにする。
「中入って、いいの?」
俺は一応訊いてみる。
「入りたきゃ、いいよ」
風香に、カーテンを潜る様指示される。恐る恐る理科室に足を踏み入れる。するとそこには、スマホ弄ったり適当に駄弁ってたりと言う、友達の家に集まったかのような光景が広がっていた。理科室を何だと思ってるんだか…。
「りんりん来るまではこんな感じ、んで入るの?」
何と言うか、運動部とは違うよね。部員を増やそうという気も、さらさら見られないし。てか風香の言うりんりんというのは、理科の担当で科学部顧問である立花陸人先生のことだよな? あの若くて真面目な、怖い先生。どうしよう。
①入部 ②保留 ③却下
ーこれは③になってしまいますー
「えっと、俺には合ってなさそうだな」




