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「えっ、クリス様?」
「クリス様は心優しいお方だから…」
「そうだな」
少女の周りにいた男子生徒達が、微妙にざわめいた気がした。
「皆、仲良くしているなあ! それに元気で、先生は凄くいいと思うぞ!」
教室に戻って来た先生が、俺達より元気に言った。
「もう二年だから結構知ってると思うが、自己紹介すんぞ!」
時間は一時間目の終わり…ってところか。
「んじゃ、名前順な! 一番から、どうぞ!」
先生が出席番号一番と思われる人を、前に連れ出した。自己紹介か。どうしよう。
①全員ちゃんとメモしよう ②聞こう ③自分以外どうでもいいか
ーここでなんと、①を選ぶんですー
俺はメモ帳を取り出して、クラスメイトの自己紹介をメモしていた。そして遂に、俺の番がくる。どうしよう。
①頑張れ ②真面目を装え ③適当に
ーここでも①を選びましょうー
「俺は〇〇と言います。恋人募集しています、宜しくお願いします」
軽く礼をして、俺は席に戻った。これで充分だろ。
「ワタシは松尾クリスよ~。十二月二十四日のクリスマスイブ生まれなの~。ヨロシクね~」
俺の少し後の少女がそう言うと、クラス中から拍手が巻き起こった。…次きついだろうな。まあいいや、しっかりメモメモ。松尾、クリスか…。俺のメモは、ちゃんと最後の渡辺さんまで書き続けることが出来た。
「もう今日の授業飽きた! さよ~なら~! 帰っていいよ!」
何て先生だ、じゃあこっからは…。どうしよう。
①部活に行く ②誰かと話す ③帰る
ーここでも①を選ぶとしましょうー
部活って色々あるよな。どうしよう。
①ぶらぶらして適当に ②全部行こう ③やっぱやめよう
ーここで②を選びますー
とにかく順番に部活を全部見てって、一番俺に合ってそうな部活に入ろう。俺は運動部を先に見たかったので、校舎の外に出て部活の紹介を眺めていた。
「誰か~! バレー部に入ってくれえ!」
その中でも、一生懸命大声で叫んでる少年がいた。どうしよう。
①見に行くか ②他を見よう ③帰る
ーここは①を選びましょうー
「先輩、体験どうですか?」
俺が見に行くと、少年はチラシを渡してきた。どうしよう。
①行く ②(笑) ③行かない
ーここも①を選びましょうー
「やらせて貰えるの?」
「はいっ! どうぞ」
俺はバレー部の部室に案内された。そして、バレーを教わった。どうしよう。
①入部 ②保留 ③却下
ーこれは②ですねー
俺はバレー部を保留ということにして、他の部活を見る為の旅に出た。
「誰か子猫同好会に入ってにゃん。にゃ~にゃ~」
子猫同好会って…?
「そこの貴方、どうにゃん?」
少女に腕を掴まれた。どうしよう。
①入ろう ②見てこう ③帰る!
ーこれも②ですねー
「分かった、見学させて貰うね」
俺は少女について行ってみる。すると、図書室に案内された。子猫同好会と言うのは、ただの文芸部のことだったらしい。どうしよう。
①入部 ②保留 ③却下
ーこれは③になってしまいますー
そのニャーニャーした雰囲気も文芸部と言うのも、俺には合わないと思ったので子猫同好会に入ることは諦めた。俺は再び、部活探しの旅に出る。
「先輩、テニス部に入って下さい」
ぶらぶら歩いていると、少女に紙を渡された。テニス部、か。どうしよう。
①入ろう ②取り敢えず見学だけでも ③家に帰る!
ーこれは②でございますわねー
少女に渡された紙によると、テニス部の活動場所はテニスコートと書いてある。…でしょうね! 校庭から少し遠いのだが、俺はテニスコートまで行って見学した。




