お
俺が目を覚ますと、朝だった。昨日風呂入ってないんだよな。どうしよう。
①シャワーを浴びる ②顔を洗う ③気にしない
ーここでは③を選ばせてもらいますが、いや汚いですね 信じられませんー
ちなみに俺は一人暮らしを始めたのである。朝ご飯食べないとだけど、料理は得意じゃないんだよな。どうしよう。
①料理にチャレンジ ②その辺に買いに行く ③食べない
ーお腹空かないのかね、とは思いますが③を選びましょうー
弁当も作らないとかな。どうしよう。
①料理にチャレンジ ②その辺に買いに行く ③食べない
ーさっきと完全に同じ選択肢です 今回も③を選びましょう しかし、売店を使っちゃいけないんでしょうかー
少しくらい食べなくたって大丈夫さ。…うん。俺は鞄に教科書を入れて、家を出た。この時間に行けば、余裕が出来るな。俺は歩き出した。俺の家は学校に近いので、ゆっくり歩いても二十分もかからない。
「その制服は、☓☓東高校のものだね」
体育会っぽい、ツインテールの少女に話し掛けられた。制服的に少女も同じ高校みたいだが。どうしよう。
①君もだね? ②だからなんだよ
ーここはやっぱ、②を選ぶしかありませんね!ああ、楽しくなって来たかもー
「だからなんだよ」
「同じ学校なら一緒に行こうかなって思ってさ。一人じゃつまらないしね」
少女はクスクスと笑っている。一緒に行こうと言われてもな。どうしよう。
①一緒に行く ②断る ③無視する
ーここは、③を選びましょうかねー
「僕は一年三組の新木桜だよ。ヨロシクね」
少女は名乗って来た。どうしよう。
①俺も名のる ②宜しくとだけ ③無視する
ーここも③を選びましょう!ー
「無視しないでよ。てか、何か怒ってる…?もしかして、先輩だったりするのかな?」
桜は俺を見上げてきた。どうしよう。
①そうだ 先輩なのだぞ ②…
ーここも②を選びましょう あ、この『…』は無視するって意味ですよ?ー
「何で無視するの?あ~もう!学校が見えて来たから、僕は走って行くよ」
桜は高速で走って行ってしまった。どうしよう。
①謝る ②追いかける ③無視する
ーここもやっぱ③選びます このルートは基本③ですからー
俺は一人で歩いて行った。学校に入り上履きを履いたとき、長い黒髪をポニーテールにした無表情の女子が見下ろしていた。どうしよう。
選択肢は出ず、俺は固まるしかできなかった。雪のように白い肌、対象的に真黒な髪、見惚れるしかできなかった。
「ふっ」
その女子は俺を鼻で笑い、去って行った。