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選択肢  作者: ひなた
初めのルート
6/389

 俺が目を覚ますと、朝だった。昨日風呂入ってないんだよな。どうしよう。


①シャワーを浴びる  ②顔を洗う  ③気にしない


ーここでは③を選ばせてもらいますが、いや汚いですね 信じられませんー


 ちなみに俺は一人暮らしを始めたのである。朝ご飯食べないとだけど、料理は得意じゃないんだよな。どうしよう。

 

①料理にチャレンジ  ②その辺に買いに行く  ③食べない


ーお腹空かないのかね、とは思いますが③を選びましょうー


 弁当も作らないとかな。どうしよう。


①料理にチャレンジ  ②その辺に買いに行く  ③食べない


ーさっきと完全に同じ選択肢です 今回も③を選びましょう しかし、売店を使っちゃいけないんでしょうかー


 少しくらい食べなくたって大丈夫さ。…うん。俺は鞄に教科書を入れて、家を出た。この時間に行けば、余裕が出来るな。俺は歩き出した。俺の家は学校に近いので、ゆっくり歩いても二十分もかからない。

「その制服は、☓☓東高校のものだね」

 体育会っぽい、ツインテールの少女に話し掛けられた。制服的に少女も同じ高校みたいだが。どうしよう。


①君もだね?  ②だからなんだよ


ーここはやっぱ、②を選ぶしかありませんね!ああ、楽しくなって来たかもー


「だからなんだよ」

「同じ学校なら一緒に行こうかなって思ってさ。一人じゃつまらないしね」

 少女はクスクスと笑っている。一緒に行こうと言われてもな。どうしよう。


①一緒に行く  ②断る  ③無視する  


ーここは、③を選びましょうかねー


「僕は一年三組のあたらさくらだよ。ヨロシクね」

 少女は名乗って来た。どうしよう。


①俺も名のる  ②宜しくとだけ  ③無視する


ーここも③を選びましょう!ー


「無視しないでよ。てか、何か怒ってる…?もしかして、先輩だったりするのかな?」

 桜は俺を見上げてきた。どうしよう。


①そうだ 先輩なのだぞ  ②…


ーここも②を選びましょう あ、この『…』は無視するって意味ですよ?ー


「何で無視するの?あ~もう!学校が見えて来たから、僕は走って行くよ」

 桜は高速で走って行ってしまった。どうしよう。


①謝る  ②追いかける  ③無視する


ーここもやっぱ③選びます このルートは基本③ですからー


 俺は一人で歩いて行った。学校に入り上履きを履いたとき、長い黒髪をポニーテールにした無表情の女子が見下ろしていた。どうしよう。


 選択肢は出ず、俺は固まるしかできなかった。雪のように白い肌、対象的に真黒な髪、見惚れるしかできなかった。

「ふっ」

 その女子は俺を鼻で笑い、去って行った。

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