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選択肢  作者: ひなた
金子恋ルート
54/389

「だから、その………」

 恋はまだ小さい声で呟いている。

   パチパチゴー

 火の音がうるさいな、恋の声が聞こえないじゃないか。

「……いや、何でもないよ。気にすんな」

 恋は悲しそうに、でも元気に言ってきた。でもやっぱりでもやっぱり、何か寂しそうで悲しそうな気が…。どうしよう。


①気にしない ②しつこく聞く ③気にしちゃう


ーここは③になってしまいますよねー


 気にしないという事は俺にはできないが、とりあえず今は気にしないことにしておこうと思った。

 俺達は暫く無言のままいた。

「俺もう出るわ」

 恋は俺にそう言って来る。どうしよう。


①梯子を押さえてあげる ②梯子から落としてやる ③梯子を用意しない


ーそんな性格悪いことしないで、普通に①でいいでしょうー


 俺は梯子を用意して、しっかり押さえた。恋が降り始める。どうしよう。


①ちゃんと持ってる ②目を瞑りながら ③ちょっとくらい触ったって


ーうるさい!僕もそんな経験ないのに…ってことで②にしてやりますー


 俺は見ないように目を瞑りながらも、梯子をしっかり持っていてあげた。

「よいしょ、っと」

 恋が降りてまた陰に隠れたようなので、俺は瞑っていた眼を開いた。

「はあ、気持ち良かったな」

 恋は少し眠そうに体を伸ばして、俺に笑顔で言ってくる。にしても可愛いな。

 タオル生地っぽいようなうすピンクの服に身を包み、ニコ二コと笑っていた。少し髪は湿っていて、体からは湯気が出ている。今風呂出たとこ、っていう雰囲気を纏っているな。

「えっと、どうしたんだ?」

 不思議そうに訊いてくる、恋。

「いや、別に!」

 テンパってしまっていたので、少し声が裏返ってしまった。ああこういう服ならば胸の膨らみも見られるし、直ぐに女の子だって分かるのにな。今は表情も女の子だしさ。

「大丈夫かよ、まあ早く戻ろうぜ。先生たちが待ってる」

 恋は俺を心配そうに見ながらも、早くと急かしてくる。どうしよう。


①皆がいるところへダッシュで ②恋と一緒に戻る ③ここにいる


ー②を選びますよ、それでいいでしょー


「あ?ああ、ごめん。じゃあ、戻ろっか」

「えっと、おお」 

 俺達は適当に駄弁りながら、皆が待っているところまで戻った。

「おっかえり~、待ってたよ」

 行き成り梨花が、不気味な笑顔で話し掛けてくる。どうしよう。


①話を聞こうじゃないか ②無視 ③逃げる


ーここは③を選びましょー


 梨花が余りにも恐ろしく、俺は猛烈なダッシュで回避した。

「あっ次隆が入るから、お前はまた湯を沸かしに行け」

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