ぎ
暫くすると、恋が走って戻って来た。
「梨花達、洗ってないってよ。んじゃあ、それで良くね?」
石鹸ないし、綺麗な水もないしなあ。てか今から浸かろうと思ってる、その水だって綺麗ではないだろ?
「ほらお前、早く入ってくれよ。先生たちだって待ってるんだぜ?」
恥ずかしそうに、恋が俺を急かす。どうしよう。
①入る ②服を着る ③入らない
ーここは①を選びましょうー
俺が入る為に梯子を上り始めると、恋は目を瞑ったようで梯子を離してしまった。それだから俺は、当然梯子から落下し…。
「ごめ…、きゃあっ!」
謝ろうとした恋の口から、可愛らしい悲鳴が漏れた。
落ちた拍子に、俺が持っていたタオルは少し飛んで行ってしまった。つまり俺は今…。
「…どこ見てんだよ」
俺は反射的に手であそこは隠しながらも、恋を睨みつけてしまった。
「それは、だって…」
恋は手で目を覆いながらも、隙間を開けてチラチラと見ている。…それって女子じゃなくて男子がやることじゃないのか?
「今度こそちゃんと持ってるから、早く入っていいよ」
いつの間にか恋は瞬間移動して、また梯子を支えていた。どうしよう。
①入る ②服を着る ③入らない
ーここも①を選びましょうー
俺は恋の言葉を信じて、梯子に足を掛けた。今度こそ恋はちゃんと支えていてくれたので、俺はドラム缶の中に入ることが出来た。俺が入ることで、一気にお湯は溢れ出て行く。
にしても、怖いなこれ…。熱くて気持ちいいんだけど、倒れそうな気がして凄く怖い…。
「どう?これくらいでいいか?」
下から恋の言葉が聞こえてきた。どうしよう。
①丁度いいよ! ②熱いよ! ③冷たいよ…
ーここは②を選びましょうー
「熱いよ!」
お湯の熱さは丁度いい筈だったんだけど、何だか体が火照ってしまっていたのか、とても暑かった。




