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「ちょっと、そこでニコニコしてないで練習するよ」
梨花が俺達のところに来てそう言った。
「でもさ、この人数じゃ試合出れないんだよね。今年くらい出たかったけど、まあそこは恋ちゃんに任せようか」
隆先輩は、残念そうに言った。今のところ、男子と女子を合わせて五人。試合の人数には、全然及ばない。
「ねえ隆先輩、練習しましょうよ」
「そうだね。君達もおいで、早速練習するから」
「「はい!」」
俺達は部屋の奥の、コートがある広い場所に案内された。
「じゃあまず、サーブの練習しよっか。んーあたしはこの子見るから、隆先輩は華香先輩をよろしくお願いします」
梨花がボールを二つ持って来た。
「ほら、始めるよ」
俺は梨花に詳しく教えて貰った。暫く練習すると、恋がやって来た。
「ごめん、もう無理っぽいから戻ってきちゃった。俺も練習参加するぜ」
「ああ、じゃあ恋ちゃんも来て!一緒に練習しようよ」
梨花は恋のことも、俺のところに呼んだ。
「恋ちゃんは小学校の時からやってんでしょ?一緒に先生やってよ」
「了解!」
俺は二人に早速五時くらいまで教えて貰っていた。はあ、初日から結構キツイな。
「これで今日の練習を終わりにします。ありがとうございました」
「「「「ありがとうございました!」」」」
これで練習は終わりか…。疲れたけど、楽しかったな。頑張ろう!
「おいお前、どうだった?腹減っただろ。あのさ、良かったら夕飯食いに行かないか?」
突然恋に言われた。どうしよう。
①行こう ②行かない ③無視
ーここも①を選びましょうー
「行こう」
「いいのか?」
俺が言うと、恋の顔が嬉しそうになった。
「俺のお気に入りの店があるんだけど、来てくれるか?」
恋がキラキラとした目で、俺を見つめてきた。どうしよう。
①もちろんさ ②嫌だ
ーここも①を選びましょうー
「もちろんさ」
俺は笑い、そう言った。
「じゃあ早く行こうぜ」
恋は走って行った。どうしよう。
①走ってついて行こう ②歩いてついて行こう ③帰ろう
ーここでも①を選びますー
俺は荷物を手に持ち、走ってついて行った。




