SA
スキー後も、三人で遊びに行くことはあった。クリスちゃんと二人きりでデートなんかもした。そして残る宿題。どうしよう。
①教えて貰おう ②自力で頑張ろう ③答えを写そう ④やらないでいいや
ーこれは②を選びたい①ですー
自力で宿題くらい! そんなことは考えるだけで、俺のHPは尽きてしまった。クリスちゃんという強力な助っ人を呼ぼうか。そう思ったとき、玄関にクリスちゃんの気配が。どうしよう。
①行く ②イク ③気のせい
ーこれも①を選んでいいのでしょうかー
やっぱりクリスちゃんだ。喜び、俺はドアを勢い良く開ける。
「キミ、宿題終わってないでしょ? 一緒にやろうよ」
優しく優しく、クリスちゃんは優しく微笑んでいた。その表情の優しさに、天使っぷりに、俺は……。
「うん、ありがとう。困ってたんだ」
クリスちゃんさえいれば、楽しい勉強だって可能だ。クリスちゃんさえいれば、宿題だって可能だ。
「そうでしょ? そう思って来たんだもん」
これじゃ、電話なんて必要ないな。そんなものなくたって、俺とクリスちゃんは繋がっているのだから。
クリスちゃんがいてくれたおかげで、スラスラ解いていくことが出来た。まあ、殆んど俺が解いた訳ではないけど。
一日掛けて、冬休みの宿題を退治する。たった一日で、退治し終えたのだ。さすがはクリスちゃん、と言ったところだろう。
宿題が完璧であったので、安心して三学期をスタートすることが出来た。そしていきなり、最初の行事は近付いてくる。持久走大会。
「優勝目指して頑張るぜい!」
「コノも、今年はビリにならないように頑張りたいです」
「順位なんて関係ないよ~。一緒に頑張ろうね~」
など、様々な声が聞こえてくる。俺は……。どうしよう。
①優勝目指そう! ②自分に勝とう ③歩いていいや
ーここでは②を選ぶのがいいと思いますー
他人なんて関係ない、自分に勝つんだ。そんなことを意識して、俺は練習に挑んだ。自分で自分の目標を設定し、その為に懸命に頑張った。そして本番を迎える、遂に俺らの番だ。どうしよう。
①歩かないように頑張ろう ②最初と最後は猛ダッシュ ③歩いてでいいや
ーここで選ぶは①なりけりー
最後まで加速減速なく、自分のペースで走り続けた。順位はそこまで良いと言えない。しかし、それでも俺は満足であった。だって、自分の目標は果たしたから。
持久走大会イベントはもうこれで終了となります。
三学期のイベントは、今回も重要視せず流すようにいきたいと思います。
次のイベント、いつも通りですよ。くっくっくっく。
少しすると、縄跳び大会という行事の練習が始まった。どうしよう。
①今回は一位を狙おう ②保健室で休んでいよう ③自分に勝つ
ーここは③なのでしょうかー
今回も、他人のことは見なかった。だって、人には得手不得手があるんだ。比べたって仕方がない。
「頑張るよね、キミって」
クリスちゃんが俺のところに来てくれる。そして、優しく微笑んでくれていた。
「ワタシ、隣にいてもいい? 邪魔にならないようにするから」
ははっ! 何を。クリスちゃんが邪魔な訳ないじゃないか。
「練習、一緒にやろうぜ」
隣にいるだけ。クリスちゃんの言い方じゃまるでそうじゃないか。
「いいの? 邪魔じゃないんだよね」
嬉しそうに笑ってくれるから、俺も嬉しくなった。嬉しくなって行った。だって、素直そうな表情なんだもん。
「マツリちゃんのことも誘おうか」
二人きり、そう喜んでいた。しかし、祭さんなら大歓迎だね。
「まーつりさーん、一緒にどう?」
一人で懸命に練習していた祭さん。真面目な彼女だから、誘うことだって出来る。
「あっ、ありがとう。練習、頑張ろうぜっ」
話し掛けられ、祭さんは驚いたような表情を見せる。しかし嬉しそうな表情をしてくれていた。だから喜んでくれているのだろう。
喜んでいるのなら、攫ってしまってもいいのだろう。
「うん。ガンバろう」
三人で微笑み、本格的な練習開始。話もなく、練習を頑張る。隣に二人がいるから、頑張れたんだ。
「あわっ、急ごう。皆、もう集まっちゃってるよ」
クリスちゃんのその言葉でやっと気付く。授業終了時間寸前、クラスメートは先生の元に集合していた。呼んでくれている声にも気付かず、待たせてしまっていた。迷惑を掛けてしまっていた。どうしよう。
①急いで行く ②行く ③行かない ④行かせない
ー普通に①でいいと思いますよー
待たせるなんて酷い。この人数の時間を俺は使ってしまったんだ。自殺したかった。しかしこれ以上迷惑を掛けない為に急いで行く。
『早くしろ』そんな視線は痛かった。心に突き刺さった。でも、俺が悪いのは確かだから。急いで行った。
「夢中になっちゃったね」
挨拶が終わると、クリスちゃんは可愛く微笑んでくれた。天使の微笑みを見せてくれた。




