表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
選択肢  作者: ひなた
新木桜ルート
211/389

「そんな訳ないじゃん。何でこの僕がそんなことしなきゃなんないのさ、ったく」

 笑顔でそう言ってくれる桜は、果てしなく可愛過ぎて仕方がなかった。

「やった、僕の勝ちだよね。僕の勝ちだよね」

 長い長い戦闘の果て、接戦を繰り広げてようやく桜が勝ってくれた。どうしよう。


①実は俺の勝ち ②桜を褒める ③もう帰る


ー普通に②を選んであげたらいいんじゃありませんかねー


「さすがは桜だな。スポーツだけじゃなくて、こうゆうのでも才能発揮か……」

 負けに負け捲ってるし、逆に才能って言うくらいのレベルの物だった。がしかし、現に勝てた訳だし本人が喜んでいるのでそう言ってあげた。

「でしょ? やっぱり僕は天才なんだよ。はっはっは」

 嬉しそうに笑い、桜はケーキの最後の一口を頬張った。可愛い、こんな可愛い生物初めて見た。

「じゃ、次は何しよっか。これはもういいでしょ? ほら片付けるよ」

 その後も楽しく桜と遊ばせて貰った。過去最高のクリスマスを送ることが出来たね。一人暮らしを始めた時点では、クリスマスなんて部屋で泣くだけだと思ってたのに。実際去年はそうだった訳だしさ。

 そして冬休みは、桜と部活したり走ったりといろいろ楽しんだ。宿題もちゃんとやってたよ? 恋にやれって怒られちゃったんだもん。宿題をやり遂げたので自信満々で三学期を始めることが出来たね! で、三学期最初の行事持久走大会の練習は始まる。

「優勝目指して頑張るぜい!」

「コノも、今年はビリにならないように頑張りたいです」

「順位なんて関係ないよ~。一緒に頑張ろうね~」

 など、様々な声が聞こえてくる。俺は……。どうしよう。


①優勝目指そう! ②自分に勝とう ③歩いていいや


ーここでも②を選んじゃいましょうかー


 人に勝つんじゃない。自分に勝つんだ。そんなカッコ良さげな言葉を思い浮かべ、俺は練習から本気で臨ませて貰った。そして本番を迎え、遂に俺らの番。どうしよう。


①歩かないように頑張ろう ②最初と最後はもうダッシュ ③歩いてでいいや


ー真面目にここは①を選びましょうー


 自分のペースで周りは気にせず、ずっとそのペースで走り続けていた。順位は三位。まあ、悪くないので一位じゃないけどいいとは思う。

「持久走大会、どうだった? 僕は勿論一位だけど」

 部活の時、当然桜は話題にする。どうしよう。


①正直に伝え桜を褒める ②事実を偽りましょう ③スルーパス


ーここも①を選んでおきましょうー


 三位だって、十分誇るべき順位だと俺は思う。一生懸命頑張ったんだから、それでいいじゃないか。それに、順位じゃなくて見るべきはタイム。本番で過去最高を出せたんだ、それは自分に勝ったってことなんじゃないかな。

「三位だった。でもやっぱり桜は一位か、さすがだな。頑張ったな」

 何だか親みたいな立場になってしまったが、そのまま俺は桜の頭を撫でてあげる。すると桜は幸せそうな顔をしてくれる。猫みたいで可愛い♡

「ふ~ん、三位ねえ。まあ、そこそこって感じだね。頑張った方じゃない? 僕も頭なでなでしたげるよ」

 俺の手をどかすと偉そうにそう言ってくれる桜。どうしよう。


①お褒めに預かり光栄です ②頭を差し出す ③練習開始


ーここじゃ②を選んじゃいましょうー


 桜の高さに合わせて頭を差し出すと、可愛らしく桜は俺の頭を撫でてくれる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ