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選択肢  作者: ひなた
新木桜ルート
202/389

「賑わって来るまでまだ時間あるでしょ? その間に最終訓練だよ」

 時計を確認すると、立ち上がって桜は戦闘のポーズを取った。どうしよう。


①受けて立とう! ②逃亡 ③隙あり!


ーこんなん①に決まってるやないですかー


 正々堂々闘ったら、桜に勝つことなんて不可能だ。だが、卑怯な手を使って勝ったって嬉しくない。

「そうだ! いいこと考えたよ」

 俺のことをぼこぼこにした後、笑顔で桜は言って来た。どうしよう。


①隙あり! ②言わせねぇよ ③何だか聞く


ーこりゃ③ですよー


「いいこと? 何何」

 今更変更するのだろうか。しかしいい事を考えたんだから、採用しないと勿体無いね。

「挑戦料取っちゃおう。OKらしいよ? どうかな」

 まさか、金に目が眩んだのかっ!? あの桜が……、信じられない。どうしよう。


①採用 ②不採用 ③もっといい案を


ーここ実は①なんですよー


「いいね! でもいくら」

 あんまり高くしちゃうと、誰も挑戦してくれなくなっちゃうよね。

「フリー、でどうかな。募金みたいな感じで、一円以上……とかどう? それだったら、お金が掛かるからって理由で止める人もいなくなるでしょ。それに心優しい人が、もしかしたらお札とかくれるかもしれないじゃん。大儲かりだよ」

 なるほどね。どうしよう。


①採用 ②不採用 ③もっといい案を


ー先程と同じ選択肢ですね ここでも①を選びますー


「うん、それならいいんじゃない? それと、暇な時間に看板とか作ろうよ」

 目に付きやすい場所にいはするが、このままじゃ出し物が何か分からない。今まで何もしなかったことを後悔するが、今やればなんとかなるさ。

「僕、絵とか字とかめっちゃ上手なんだよ。僕が描きたいな」

 自分で言うくらいなんだし、相当上手なのだろう。どうしよう。


①俺が描く ②桜に描かせる ③描くのをやめる


ーここでは②を選ばせて頂きますー


「紙とか職員室で貰って来る。ここで待っててね」

 一応筆記用具は持っているが、画用紙なんて持っている筈がない。だから俺は桜に一言告げ、職員室へとダッシュした。そして画用紙を二枚貰うと、全力ダッシュで桜の元へと帰って来た。

「じゃあ僕は一生懸命描かせて貰うんで、その間に走って宣伝して来てよ。今いる人だけでいいから、絶対僕の元に連れて戻って来てね」

 下を向いて何かを描き始めると、桜は俺にそんな指示を出してきた。どうしよう。


①従う ②従うふりをする ③動かない


ーここは①に決まっていますよねー


「分かった、俺に任せて」

 そしてまた俺は走り出す。すれ違う全ての人に声を掛ける。そして内容を聞いてくれた人には、一生懸命丁寧に丁寧に説明をする。しかしこんなに早く来ているのは準備がある人なわけで、来てくれる人は一人もいなかった。そこそこ客が来始めてたので、渋々誰も連れずに俺は桜の元へと戻った。

「おかえり。お客さんを連れず、よく一人で僕のところに帰って来れたね。勿論覚悟は出来てるんでしょ? ……な~んてね。冗談冗談、お疲れ様。僕も大体描き終わったから、戻ってくるタイミングとしてはぴったりだったよ」

 最初の方、正直本当に怖かった。何の才能もある桜は、演技の才能もやっぱりあるんだね。

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