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体育祭も文化祭も終わり、二年生での行事はもう残り少なくなってきた。今日は冬休みに入る少し前の、ただの平日だ。俺がいつも通り学校へ行くと、教室が異様に彩られていた。何だこれ!
俺はとても不審に思いながら、自分の荷物を片付けた。その後暫くすると、教室に少女が入って来、それと同時に周りが眩しくてほぼ何も見えなくなった。うるさくて音も殆ど聞こえない、何?何があったの?
「「「クリス様、お誕生日おめでとうございます!!」」」
誕生日?ああ、クリスマスイブが誕生日って自己紹介で言ってた子だ!そうか、今日はクリスマスイブなのか…。
「お前も、クリス様を祝ったらどうだ?」
一人の男子生徒にそう言われた。どうしよう。
①祝ってあげないと ②暴言をあげないと ③無視
ー②がひどいですね、まあ③を選びましょうー
「アリガト~。スゴく嬉しいよ~」
少女(クリス様?)は手を振って、嬉しそうに教室に入って来た。
「クリス、おめでとう!」
「アリガト~、マツリちゃん大好き~」
少女は歩いてきて「おめでとう」拍手した少女に抱きついた。
「「「クリス様!!」」」
そして男子生徒たちは、相変わらず騒いでいる。
「盛り上がってんな!どうしたんだ!?」
そのタイミングで、教室に先生が入って来た。
「先生、覚えていないんですか?今日はクリス様の誕生日だというのに…」
「そうなのか!ごめんごめん!しっかし先生は嬉しいぞ!誕生日をクラス全員で祝ってあげるなんてな!」
一人の男子生徒が先生に言うと、先生は「あっはっは」と笑った。
「ワタシとっても嬉しいよ~。ホントにありがと~」
クラス全体でワイワイ騒いでいると、チャイムが鳴った。すると皆は一斉に静かになり、席に戻っていった。




