さ
「じゃあ、いいじゃないですかぁ」
そう言って先輩は、先生を呼んだ。
「先生、ミーとこの子でお願いしますぅ」
「分かったぜ!頑張れよ!ゴールで待ってるからな!」
ゴールって何なんだろう。先生は先輩にシールみたいなのを渡し、去って行った。
「名前の上のところに、貼って下さぁい」
俺は先輩に、八と書かれた緑色のシールを渡された。
「ほら、急ぎますよぉ」
先輩はジャージの名前の少し上の辺りに、そのシールを貼った。
「早くして下さぁい」
先輩は早く早くと、俺を急かしてくる。どうしよう。
①貼ろう ②破ろう ③無視
ーこれは…②…③?いや、①を選びましょうー
俺は言われた通り、名前が書いてある上のところにシールを貼った。
「では、出発で~す」
先輩は、さっさと山に向かって歩いて行く。俺も早歩きで、何とかついて行った。
「ちょっと危ないかもしれませんから、気を付けて下さいねぇ」
危ないって何が?俺がそう思っていると、先輩は道ではないところから登り始めた。いや、どこに道があるのかは分からんが…。
「どこ通ってんすか!?」
「いいから早く来て下さいよぅ。君はあの中で一番、体力ありそうでしたしぃ」
そんなに俺って、体力ありそうに見える?まあとにかく俺は、道なき道を進み続けた。
「早く来て下さいよぅ」
先輩は急斜面も、スイスイ登って行きます。
「きゃっ!」
多分一時間くらい登った時、先輩の悲鳴が聞こえてきた。どうしよう。
①急いで見に行こう ②ゆっくり先輩のもとへ ③怖いから下にいよう
ーこれも、①を選びましょうー
「大丈夫っすか!?」
俺は駆け登り、急いで先輩がいるところまで行った。