ダンジョン計画
資格試験も無事終わりましたので、頑張ってペース上げていきますよ~
んみゅ。とかわいい言葉をこぼしてエスメラが目を覚ました。
そして、頭がさえてきたのだろう、あの後そのまま寝てしまうなんて。と顔を真っ赤にさせながら照れている。ものすごくかわいい。
その後ステラも合流し、これからのことを話し合った。
コアを通じて映像が見れるようにしたダミーコアを作ったことで残りDPがないことに関しては、ないものは仕方がないからどうにかして集めようという話に。
廃墟となったコリーノ男爵家については、遺体をすべてコリーノ邸の庭に埋めようという案も出たが、それだと廃墟となった男爵邸を建て替えるときに掘り起こされかねないからという理由で、ダンジョンの草原の中に埋葬することになった。近くには俺たちの家もあるし、今まで寂しくさせていた分これからは一緒に居られると考えればいい方法なのかもしれない。
まず俺たちが取り掛かったのは、コリーノ邸に残った使用人たちの死体を1人残らず埋葬したことだった。
エスメラと2手に分かれ、俺は屋敷を回って覚えている近場を。エスメラは遠方を担当し、距離的に集めるのが早く終わる俺は、せっせと草原の中に穴を掘った。
時間がかかった(屋敷の中が真っ暗になる)がなんとか全員運び終えたのではないだろうか。
「ひとまずお疲れ様」
「えぇ、ダニエルもお疲れ様」
「とりあえず屋敷の中は真っ暗だし、今日はこのまま休んでしまおうか」
「そうね、無理に動いても疲れるだけですものね。ほらステラもおいで」
「いや、せっかくの2人の時間を邪魔しては悪いかなと思うのだ」
エスメラがこちらへと誘ったステラちょうど小屋から出ていこうとしていたところだった。今からナニすると思って気を使ってくれたのかな?
「今日はそんなことないから大丈夫よ?」
「そうなのか?じゃあいくのだ」
パァと笑顔になってステラはこちらに飛び込んできた。
そんなに甘えたかったのかこの子は。
そういえばあんな口調だから忘れていたけど、ステラは女神様が作ったダンジョンで生まれて1年もたっていない・・・つまり赤ちゃんと言うべきか?なるほど、それだと親が恋しい時期だろう。もっと一緒にいてあげないとダメだな。
「我に向けられているその視線はなんなのだ。だいたいわかるぞ!小さい子を見る目だなそれは!!」
「流石ステラだな。もっと甘えていいんだぞ」
「そうよステラ。よく考えたらあなたまだ0歳なんだから。ほらこっちにおいで?一緒に寝ましょう?」
「むむ、じゃが我は赤ちゃんではないぞ。こうやってしゃべれるのだからな!」
「そうね。じゃあ一緒に寝ないの?」
「い、いや・・・一緒に寝る」
意地を張ったものの、一緒に寝たかったのかすぐにこっちにきたステラもまたかわいい。あぁ、俺はこんなかわいい2人に囲まれて幸せ者だな。
そう思っていると、エスメラがふふと笑って抱き着いてきた。なななな、なにごと!?
「幸せそうにしているダニエルが好きよ。いつか私たちの子供が欲しいわね」
そんな言葉を吐くものだから、全然寝付けなかった。その横でエスメラとステラはすぅすぅと気持ちい寝息を立てて寝ている。ちくしょう、寝れねぇ。
☆彡★彡☆彡★彡☆彡
「ダニエルはなんでそんなに眠そうにしておるのじゃ?」
「可愛いステラと私を意識して寝れなかったのかしらね」
「それは悪いことをしたのだ。次からは離れて寝ることにするのだ」
「あらあら、ステラちゃんが気にすることじゃないのよ?あくまで、ダニエルの問題なのだから」
エスメラめ、昨夜のあれはわかっててやりやがったな。くそう、やり返したいが何も浮かばねぇ。
だけどまぁ、本来この光景がありえたのかも知れないと思うとやるせないね。いや、女神様のお力でまたやり直せてるんだ、次は絶対勝ち取って見せる。
「何だか別方向でやる気を出しちゃってる人がいますけれど、今日やることについて話し合いますわよ。帰っておいでダニエル」
「おう、今行くぜ」
昨日無事にコリーノ家使用人たちの埋葬を終えた俺たちは、屋敷の外に出て周囲を探索することにした。
ただ、屋敷が荒れ放題だったため、予想していた通り草は生い茂り、かつて栄えたコリーノ男爵領と思しき街の家々も朽ちた姿となっていた。この様子では、住民は1人もいないだろう。
「本来であれば、ここには新婚の花屋夫婦が。こっちには、風変わりな料理を出す食堂。あちらには、我の強いアパレル店。今でも一人ひとりの顔を思い出せますわ」
懐かしい。とそう呟くエスメラの表情は悲しそうだった。
いろんな人がいた。俺だって覚えている。
それがロマンだと、普通に商売をすればいいのに変わったことばかりする馬鹿なやつらばかりで、それが楽しい街だった。
1軒1軒お邪魔させてもらったが、家の中で亡くなってる人は誰1人としていなかった。連れていかれたか、どこかに亡命したか…。どうしているんだろうな。
領内を一通り見回った俺たちはダンジョンへと帰宅していた。
ステラも合流し、ご飯をみんなで食べているときにエスメラが覚悟を決めた顔で、言ったんだ。コリーノ男爵領を私たちのダンジョン領域として飲み込む。って。
話は言うほど簡単ではない。まず、ダンジョン領域にするためにはDPが必要で。そのDPはほぼ0だ。
それを言おうと口を開いたが、ステラに止められた。
「エスメラ、そのためのDPの工面についても当てがあるのじゃな?」
「えぇ、まず我が屋敷で眠っている物をすべてDPに換金するわ。物置にある分だけで結構なポイントになると思うの。それでダメなら他にも手を出していきましょう。」
「しかしいいのか?エスメラにとって全て思い出や遺品ってことに」
「いいのよ。ここを復活させるためには、仕方のないことだもの。それに、何十年もほこりをかぶって寝ていたままの物たちよ。解放してあげなくっちゃ」
「それでエスメラよ、ダンジョン領域にしてなにをするつもりじゃ?」
「決まっているわ。領民を増やすのよ!そしてDPを生み出すの。コリーノ男爵領を蘇らせるのよ」
エスメラのやりたいことは分かった。でもその未来像には最大の問題があるんだ。
そう、この領地にいったいどうやって人を移住させるのかという、最大級の問題が・・・。
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