プロローグ
新しい小説の連載スタートです。
どこまで面白くできるかわかりませんが、全力で執筆していきますのでよろしくお願いします!!
(10/2修正)
翌日見直してみればポロポロと出てくる修正案件…。きっと他にもあるに違いないと疑心暗鬼です。自分に。
ー自分の人生はいったい何だったのだろうー
そう自分に問いかけるダニエルは、まさに今無実の罪で処刑されるところだ。
彼は、たまたま村に訪れていたエスメラルダと恋に落ち、数日間一緒に暮らしていた。
しかし、彼が留守の間にエスメラルダの情報を持った冒険者が彼の家に押しかけ、ダニエルが家に着いた時には彼女を手籠めにしようと襲っている最中だった。
彼女を助けようと冒険者に掴みかかるも、あっけなくその場に倒れてしまう。そして彼を守るようにエスメラルダは冒険者たちの要望に素直に応じた。
数日後、ダニエルが連れられて入った家で、彼女は息絶えていた。
そうして、膝をついたダニエルを冒険者は抑え込み、タイミングよく騎士団が到着したのだった。
そう、これは冒険者達によって仕組まれたことだった。
そしてこの冒険者達は、とある貴族の依頼を受け尻尾きりで殺されないためにダニエルを利用したのだった。
エスメラルダの本名は、エスメラルダ=コリーノ。コリーノ男爵家の3女で、貴族が通う学園で優秀すぎる成績を残し、上級貴族から疎まれていた。そのうちの1人が、彼女を逆恨みし、罠に嵌め社交界から追放した。しかし、その後も何かと彼女を比べられていく中で彼女への執着はこの世から消すまでに至った。
かくして、エスメラルダ =コリーノに関わる一連の騒動は、ダニエルという村男に殺害されたとして、彼を処刑したことで終焉を迎えた。
(選べ―このまま死ぬか。新しくやりなおすか―)
―確かに首を落とされた。なのに意識がある。そしてこの声は誰だ―
(再度問う―このまま死ぬか。新しくやりなおすか―)
―やり直してどうなるってんだ、貴族のお嬢様を救ってそれでまた誰かにとられるだけじゃないか―
(何か勘違いしておるな。ん?彼女のほうも自我を取り戻したか。ちょうど良い、いや本当は駄目だが、我が神域へ”2人”を招待しようぞ)
―勘違い?彼女?神域?いったい何を―
頭の中、いや、心の中?・・・もっとこう根本的なところに語り掛けられた不思議な声と問答をしていたダニエル。
真っ暗なその世界が一転、真っ白な世界に代わり、徐々に様々な色へと移っていく。
目が慣れ、視界が広がっていくと、目の前には愛した女性”エスメラルダ”が居た。
「エスメル!どうして!?」
「ダニエルなの?そう・・・そういうことなのね」
2人は再開に驚き、エスメラルダは現状を冷静に考え、ダニエルはどういうことだ!?と混乱している。そんな中で
(あのぉ、私を無視しないでほしいのです)
2人を神域という場所へ招き入れた存在が困ったように語り掛ける。
白い世界の中、また体の中に響く声。それはいったいどこから?と周りを見渡す2人。
そして目に映ったのは、可憐な姿の幼女だった。
(ちょっと!誰が幼女よ!どう見ても女神じゃないの!!)
「ごめんなさい、この現状がまだうまく理解できていないの。」
響く女神の声、告げるエスメラルダの声。
(それもそうよね、仕方ないわね。この女神さまが教えてあげる!)
「ここにくるまでの威厳あるキャラはどこ行ったんだよ
」
エスメラルダがあえて指摘しなかったことを、現状に追い付いてきたダニエルが何も考えずただ突っ込む。
細かいことを気にする男は女性から嫌われるわよ?と反論する女神。
「でも私はそんなダニエルが好きよ」
つい条件反射で答えるエスメラルダ。これには女神もぐぬぬぬと唸るだけであった。
「ということで、そろそろ本題に入りたいと思います。」
「まぁ、いい余興だったわね。
「もうだいたいわかったから今日は休まないか?」
「もう!そんなんだからあの時も私を守れなかったのよ?」
「それは本当に申し訳ない。」
「ねぇ、すぐそうやってイチャイチャするのやめてもらえます?というか、私の話始めても?」
普通に話せるじゃない。続きをどうぞ。と答えるエスメラルダ。ダニエルの顔は少し赤い。
「この場所は神域と言って私たち神が存在できる世界なの。
ただ、ここは貴方達のような下界に住む、人などの動物達と話ができるようにと、特別に調整された空間で、本来の私たちの空間は、貴方達の魂では存在を維持できないくらいの高位な次元になるわけ。
この神域では貴方達の魂でも存在を維持できるように、そして私たちが顕現しても壊れないように、絶妙に調整をした領域なの。
本来は生を謳歌した魂を新しい生へ転生させるために、私たち神達が魂の選別を行う場所として作られたのね。でも、問題が起きてしまったの。
ここまでが前座、説明部分。軽く流してもらってもいいんだけど、ここからはそうはいかないの。あなたたちが殺された理由に迫るから真剣に聞いて頂戴。」
「いえ、すでに話が長すぎてダニエルが半分寝ていますわ。」
「ちょっと!!」
頑張って起きようとする努力が見えるが、それでも瞼は閉じていて最後の悪あがきと、眉毛が微妙に上に上がっている。そのダニエルの顔を見ながらほほを緩ませるエスメラルダと、大切な話なのよ!と憤慨する女神。
でもダニエルの意識はもうじき夢の中だ…
ポテン。とダニエルの頭がエスメラルダの膝へ落ちる。エスメラルダは愛おしそうに。女神ははぁ。とため息をついた。
「なんというか、図太いわね彼。」
「そうでしょう?こういうところは才能よね。彼の好きなところの一つよ。」
「貴族の霊場と育てられたお嬢様にとってはとても新鮮なことだものね。そこに惹かれるのもわからないでもないわね。」
「少しとげのある言い方ですわね女神様?でもいいわ。彼との思い出はどれも楽しいものだったもの。」
「その、本当に申し訳ないと思っているの。」
「女神様?」
他愛のない話だったはずなのに急に女神の態度がしおらしくなり、どうしたものかと不思議に思うエスメラルダ。
あなたは薄々気付いているでしょうけど。と続ける女神。
「あなたたちは本来、死ぬことはなかったのよ。貴族のいざこざであったとしてもたかが冒険者が貴族であるあなたを害することはできない。出来ないはずだったの。」
「やはり、あれには特別な事情があったのですね。正直思い出したくはありませんが。」
「本当に申し訳ないと思います。彼が起きてから詳しく説明しますが、あれには堕ちた神。邪神…いえ、魔王の存在が絡んでいます。そして、あなたたち2人の間に生まれるはずだった子こそが、魔王を討つ勇者として生を受けるはずだったのです。」
「いったい、あなた方神様の世界では、私たちはどれほどまでにその生涯を決められているのでしょうか。」
「それこそ特別な事情なのですよ。本来、私たちは何も手を出さず、ただ見守るだけなのです。
しかし魔王が誕生して以来、その世界を壊させないためにと、ほんの一握りの方々だけに干渉をしています。始まりは私たち神でありますが。」
まぁいいわ。と話を止めるエスメラルダ。
どうしました?と返す女神に彼女は、ここで聞いても彼が起きてからまた同じ話の繰り返し。なら今は別の時間にしませんこと?と、続けるエスメラルダの口から出たのは、
「私とあなたの2人だけのお茶会、いたしませんこと?」
「普通にお茶にしましょうって誘ってください…」
真剣な雰囲気を作るから何かな?と身構えた女神からは疲れるわとでも言いたげな雰囲気が漂っていた。
「まぁまぁ!それでそのあとはどうなったのですか?」
「えぇ、あの時はエルフの王子とセイシリア国の王女が恋に落ち、駆け落ちという体で新しい国を興したのですよ」
「つまり、亜人国家アダルアインは多種族が交流できる場所として、でも国同士ではどうにもできないという問題をも解決するために作られたのですね。これで一つ謎が解けましたわ!!当時、各種族毎の国しかなかったのに、急遽出来た亜人国家が他国から攻められることがなかったのか。つまり人間とエルフの国が陰で守っていたのですね。」
話し声が聞こえ、でもまだ眠い中しばらく耳を澄ましてみれば、エスメラの楽しそうな声が聞こえた。
そして感じるこのやわらかい感触…まさかこれは!!
「膝・・・枕だ!」
「おはようございますダニエル。寝心地はいかがですか?」
「あぁ、とても素晴らしいよ。」
「まぁまぁ、それはよかったです。私はダニエルの腕枕で寝たいので今度お願いしますね?」
「今度…次が俺たちにはないんだよな。」
「実はそうでもないようですよ?女神さまからその件について詳しいお話があるみたいですわ。」
「それは本当なのか!でもだって俺たちは魂の」
「そう、貴方達はいま魂の状態です。でもまぁ、その状態で眠ることができるのですから自我が強いことの証明ですね~」
自我が強い…。つまり魂が強いということ。魂が強くないと神の住まう世界には行けない。そんな話をしていたような。
いや、その時は何を言っているのかわからなくて眠気に勝てなかったんだよね。そのおかげでまたエスメラの膝枕にありつけたわけだから、結果良し!だな
「全く良くはありませんが…。ダニエルさんもここからの話が、とても重要であることを理解して頂けた様ですので、ここからとぉっても大切な話を進めますね?」
さすが女神様、さらっと心が読めますアピールをしつつ話の主導権を握ったようだ。
仕方ない、ここは素直に真剣に話を聞こうじゃないか。
「今まで隠れてた本性が顔を出し始めましたね…。」
「そこもダニエルの素敵なところなのですよ」
「そこでいちゃつくの禁止ですからね!」
心が読めるゆえに進まない説明。それなら今この瞬間を楽しく過ごさせてもらってもいいのでは?
おっと、女神様の泣きそうで少し怒っていらっしゃる目がうるさいと訴えてきているので少しおとなしくしますので、どうぞお願いします。
「はい。まず本来貴方達はまだ死ぬべきではありませんでした。
あなたたちの感覚でいえば太古に、我を貫いた結果、下界に落ちた神。邪神が魔王として貴方達の世界に降り立ちました。
私たち神は、世界のバランスのためどの世界にも不干渉がルールなの。それを破ったのはやはり邪神故でしょうか…その結果、それまで世界には存在しなかった魔力が生まれ、世界が崩壊を止めるためにとったバランス処置、魔物が生まれました。簡単に言うと魔力をまとった凶暴な動物なの。
当時はまだ、この世界には魔王に対抗する力はありませんでした。かといってこのまま放置すれば確実に魔王の手に落ちてしまいます。
その為にこの世界を管理していた神は、自らの格を人間へと落とし、その存在を人間へ作り替えることになりました。」
「つまり、その方こそが初代勇者様ということでしょうか?つまり私に流れる血には…」
「その通りです。そしてそれこそが、私たち神が唯一下界に接触することができる存在になりました。
神のお告げを聞くことができる聖女様も、元をたどれば初代勇者につながるの。
それからは、歴史の通り復活を繰り返しては、その当時の勇者たちの手によって封印されていったのだけど…だけど、魔王もバカではありません。何度もの封印を得て、封印を解かず、我々にも感知されず、勇者を始末する術を遂に手に入れてしまいました。
その結果こそが、ダニエルさんとエスメラルダさんの死となります。」
あの不自然な出来事、そして普通では考えられないほどの速さで進んだ処刑。俺が生まれた意味の全否定の結果だったんだな。
知った時にはすでに負けが確定していて、されど勝負はまだ決まっていない。今はそんな状態ということなのか。
世界を救う使命を持った人。すなわち勇者。その存在こそが俺と彼女の間にできる子供。
でも生まれたわけでもないが、自分の子にそんな重い物を背負っては欲しくないというのは、我がままだろうか…。いやもう負けたんだけどさ。
「私たちは今回、魔王に初めて先手を打たれた形となりました。それも一手で再起不能な状態までに。
でもまだ挽回のチャンスが残っていました。それこそが貴方達の魂の強さなのです。
片方ではだめでしたが、幸いというべきかお二方ともなんとも自我の強い魂をお持ちで、私たちにとって奇跡的に手元に残った最後の希望なのです。」
その重い期待を死後の俺たちに向けられても何もできない。
ここから転生だというのなら、俺たちが子をなせるようになる前に魔王が復活するんじゃないか…。それまで食い止めるための存在が必要だし、そもそもまた魔王の手によって殺されるかもしれない。完全に詰んではいないが、ほぼ詰んでいる状態だな…。
しかしそもそもだ。魔王はどうやって俺たちの存在を知り、復活もせず俺たちに狙いを絞っったうえで不信感を抱かせず、かも自然に見える方法で始末することができたんだ。
それこそ神側に裏切り者でもいないと…。
「神側に裏切り者がいる…その考えもあるでしょう。しかし、今回あなた方に手を下した方法は別にあります。新しい種族、名を魔族といいます。」
「魔族、ですか。つまり私に流れる神様の血のように、魔王の血を持つ人間が生まれた。ということですね?」
「流石の理解力なの。概ねその通りなの。
前回、魔王が復活を果たした時、近くにはゴブリンによって捉えられていた女性の冒険者が居たの。その女性を助け、数十年彼女がその命を全うするまでの期間を、魔王は我々に感知されることなく過ごしていたようです。
そうして増えた魔王の血族。その血は封印を施された魔王とのつながりを持とうと、本能的に変化を始めたの。
最初はグールと呼ばれる死んだ人間が魔物へと変化する現象。この現象が起きるのは魔王の血を持つものだけ。そしてグールに噛まれながらも生き延びた魔王の血族がその姿を変え、吸血鬼やリッチ、インプ、サキュバスと様々な変化が起こりました。
エスメラルダ、歴史を勉強した貴方であれば知っているでしょう。数百年の間で新しい魔物が現れだしたことを。」
「当然ですわ。当時は復活した魔王が新たな力を手に入れ、次の復活の時、私たちはかつてないほどの苦戦を強いられるのではないか。と考えられていましたもの。」
「そうですね、いい的を得ていた考察でしたが、数百年それ以外に起きた変化がなかったために、幾度の復活を遂げた魔王の影響として片づけられたの。
それこそもう、魔王の手が中枢にまで届いていることの証明だったのですよね。私たちも気づいたのは貴方達が殺されてからですが」
詰む一歩手前とか考えていたやつ誰だよ。
これ完全に詰んでるだろ。むしろ魔王による詰め作業の途中だろ。
俺たちの中にまで魔王の手が入っていて、それに気づけないのであれば手の打ちようがない。バカな俺でも分かる。今回は俺たちの負けだ。そして次はない。
「そして、結果なのですが」
「「結果ってどいうことなんだよ!(なんですか!)」」
仲良く反応が被る。それもそうだろう。
結果って言われたらそれはもう、魔王の手に落ちちゃってるじゃんかよ。
「はい、結果です。我々の負け。あの世界はもう魔王の手に落ちてしまいましたの。」
ということは何か?俺たちは自我が強い状態だから(神様の血が強く残っていた)転生もできない。転生する先がない。だから説明した。
そしてこれからここでずっと…。まぁ、彼女がいるから別にいいか。
「良くないですけどね!まぁ、魔王の手に落ちてしまいましたが、魔王は別にその世界を滅ぼしはいませんでした。
よく考えてみればそうですよね。神界に帰ることができない存在に落ちた神ですから。
世界が滅べば己も滅びる。そんな選択肢はないでしょう。
魔王のものとなった世界で、統一国家ナイトメアを魔王が作り、世界を掌握した。これが現在の状況です。」
「世界が滅びず、存続している。
つまり俺たちの使命も終わり。滅べるといった危機は去ったわけなのだから。
これはそういう事後報告だよね?魔王にとって敵である神の血を持つ俺たちは、今から違う世界に転生することになるんだろ?」
「残念ですが、そうはいかないの。
自分の世界を持った魔王の存在は、格がひとつ上位に上がりました。つまり魂の力が増えたということです。
今はまだ1つの世界しか持っていませんが、今後ほかの世界を手に入れていけば、いずれ神界にたどり着けるのです。
そうなれば全ては魔王の思うがまま、魔王以外のすべての生き物は、魔王の意思で存在を許されるようになります。
それこそ魔王の完全勝利を意味します。我々の戦いと魔王の戦い。そのずれが今、正しく修正認知されたのです。」
神側は、世界を滅ぼさせないためにかつての仲間と戦っていたわけだが、魔王は神界すらも自分のものにしようと動いていた。その魔王の目的が1つの世界を魔王に取られてたことで初めて知ったわけだ。
つまり、俺とエスメラがここに呼ばれたのって
「そう、貴方達には世界の奪還をお願いしたいのです。」
「お断りだわ。」
「申し訳ありませんが拒否権はありませんの。」
「でしょうね。」
「・・・頼む側としてはあまり強く言えないのですけど、わかってて八つ当たりしてくるのは性格が悪いのですよエスメラルダさん。」
「あら、ごめんなさいね。つい」
エスメラは怒らせると色々とヤバそうだ。気を付けよう・・・。
「それで、女神様は俺たちに何をしてほしいんだ?」
拒否権はない、俺たちにしてほしいことがある。それがわかったんだ。話の内容が濃すぎてこれ以上はパンクするから簡潔にやるべきことを教えてほしいところだ。
「今、あの世界は魔王を神として成り立っています。
貴方達にはその神の敵として叛逆者として、舞い戻ってほしいのです。
あなた達はかの世界で勇者ではなく魔王という立場になります。ただ1度の敗北も許されない魔王として。
しかし、力がなさすぎる。そこで私たちは魔王の手に渡りきる前に一つの権能をねじ込むことに成功しています。
それは他の世界でダンジョンと呼ばれる場所。
貴方達2人にはそのダンジョンの管理者、ダンジョンマスターとして、かの国を取り戻していただきたいのです。」
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貴方の思いが作品のやる気につながります(作者の問題でしかない)