第2話 想像破壊【イメージラベージ】
【レベル7】、日本だけに6人いる犯罪者である。
そんな奴らを俺はこれから殺しに行くのか。
一人目はここにいるらしい。いかにも吸血鬼が住んでそうな暗い場所である。
そこにいかにも豪族、貴族が住んでいそうな屋敷があった・・・。
音も明るさもないのである。
???「貴様、私の家で何をしてるんだ?」
そこには、ゴスロリ風の女が立っていた。
荒街「すみません。ここに迷い込んでしまった旅人なんですよ。方向音痴なもので・・・。」
こんな嘘が通じるのかわからんがターゲットなのは間違いない・・・。
???「そうか・・・。もう遅いから明日帰るとよい。私の家でもよければ泊めてあげるが・・・。」
荒街「本当にいいんですか?見ず知らずな男ですよ?」
???「別に構わぬ。貴様が私のことを襲うつもりで近寄ってきても私は勝てる自身しかないのだから。あとは貴様の自己判断だが?」
荒街「そんなことしませんよ・・・。お言葉に甘えて泊めさせてもらっていいですかね。」
???「よかろう。そういえば名乗っていなかったな。私の名前は尾賀嶋奈津実だ。貴様は何という名前だ?」
荒街「よろしくです。尾賀嶋さん。僕は荒街です。荒街幸屋。」
尾賀嶋「よろしくな。こっちへ来たまえ。」
意外とフレンドリーの人だな・・・。
この人が本当に【レベル7】なのか・・・。
尾賀嶋「ここが幸屋の部屋だ。この部屋ならば自由に使ってもらってよいぞ。」
荒街「ここつかっていいのですか・・・。僕なんてトイレとか風呂でいいですよ。もっと言うならベランダとかでも・・・。」
尾賀嶋「お前はなんて悲観的なんだ。トイレや風呂は私も使うのでだめだ。ベランダは下着が干してあるしな。裸や下着を見られるのは少し照れくさいのだ。だからここを使うとよい。」
荒街「あぁ、デリカシーなくてすみません。じゃあ、使わせていただきます。」
尾賀嶋「では、私は自分の部屋にいるからの。」
そういって彼女はその日の夜もなにもしてこなかった。
尾賀嶋「お、起きてきたか?幸屋。寝心地はどうだった?」
荒街「おはようございます。ぐっすり眠れました・・・。」
尾賀嶋「それはよかった。私はそれが気になって眠れなかったがの。」
荒街「あはは、本当ですか。」
知っている、自分が寝ている部屋の周りを行ったり来たりしたり、部屋のドアを少し開けて寝てるか確認していたことを・・・。まぁ、それは言わないことにしよう・・・。
尾賀嶋「それでもよかったよ・・・。幸屋が寝られたなら・・・。私は幸屋が帰ってから寝ることにするわ。いつも昼間寝ているからな。」
荒街「そうなんですか。僕もよく昼間に寝てるんで・・・。」
尾賀嶋「あんまり昼間に寝るのはよくないぞ。」
荒街「それをやってる人にだけは言われたくないセリフですね・・・。」
尾賀嶋「す、すまぬ。」
荒街「じゃあ、それじゃ、帰りますね。」
尾賀嶋「おう、またいつでも遊びに来るがよい。」
荒街「は、はい。すぐに来ると思います。ぜひ、僕の家にも来てくださいね・・・。」
尾賀嶋「気が向いたときにすぐに飛んでいくことにしよう。」
帰り道振り返ったが彼女の姿はなかった。
一つ言えるのは報告書にはあまりない彼女の姿を見た気がした。
尾賀嶋「いやぁ。久しぶりの来客だったなぁ。のう、河守?」
???「まったく、姫様はなぜ気が付かないのですか?河守綾子は悲しいです。」
尾賀嶋「なんじゃ、なにかあったか?」
河守「あの、荒街という男が最初来た時のセリフは覚えてますか?」
尾賀嶋「台詞?」
『すみません。ここに迷い込んでしまった旅人なんですよ。方向音痴なもので・・・。』
尾賀嶋「迷ってしまったのがなんだ?」
河守「じゃあ、なぜ今道も聞かずにさよならといわれたのですか?」
尾賀嶋「た、たしかに。なんでだ?」
河守「そんなの一つしかないですよ。姫様を倒しに来たのですよ・・・。」
尾賀嶋「でも、私は倒されてはないぞ?」
河守「事前の確認といったとこでしょうかね。」
尾賀嶋「本当かのう?考えすぎではないか?幸屋いいやつであったではないか?」
河守「確かにそれは認めますが・・・」
そんな会話をしてることは知らなかったが・・・。
自分は波崎先生のもとにいき報告をすることにした。
波崎「なに?・・・ってことは対象のとこに泊まったのか?お前はどんだけ馬鹿なのだ?」
荒街「そんなに言わなくていいじゃん。こうやって生きて帰ってきたのだから・・・。」
波崎「まったく・・・。命知らずにもほどがある。・・・。で?何か情報とかはあったのか?」
荒街「まぁ、あの家には何人か潜んでいたな。ずっとそいつらに監視されてたはしたかな。」
波崎「なるほど。ざっと何人くらいいたんだ?」
荒街「【レベル6】は1人、【レベル5】が3人ほどいた感じですかね。」
波崎「なるほどな。まぁ、そんな感じはしていたしな。慎重に動いてくれよ。」
まぁ、危険なのは変わりないが何もないまま終わればいいと思っている。
出来れば殺さずに。