2021年6月18日(金)『クマーに釣られた全裸男』
札幌の市街地に熊が出たらしい。
雄の成獣で、この熊によって四名が負傷したとのことだ。その中には自衛隊も含まれており、熊の膂力の強さが伺える。
実際に街中で暴れ回る熊の映像を見たのは、これが初めてだった。
今まで熊を投げ飛ばしたお爺さんの逸話などをテレビで聞いていたが、あんなものは投げ飛ばせるはずがないと確信できた。もしかしたら本当に投げ飛ばしたのかもしれないが、雄の成獣ではなかったのだろうと考えてしまう。
この熊は十一時過ぎに猟友会のハンターが駆除したとのことだった。
またもや動物愛護団体が苦情を入れそうなものだが、今回ばかりは駆除も致し方無しだと思われる。今回は実際に負傷している人もいるのだから仕方がない。それでも苦情を入れるならば、人様が恐ろしいことを熊に教え込まねばならぬだろう。マサイ族はライオンを狩るため、ライオンは恐れをなしマサイ族を見ると逃げ出すらしい。それと同じことをやればいいのだ。
とここまでならニュースの感想なのだけど、私がわざわざ日記に残したのはもう一つ理由がある。
同じ札幌市街地に全裸男が出たというのだ。
熊が闊歩する街中に、呼応するように全裸男が現れたのだ。
この身一つで熊と相対してやろうという意志があると勘違いしてしまうぐらいに完璧なタイミングでの全裸登場だった。まさに実写版変態仮面だった。いや、実際に数年前に実写化しているし、ツイッターで見つけた全裸男の画像を見る限りパンツも被っていなかったが、まごうことなき変態であった。
私はこれまで札幌という町のイメージは、北海道一の都会というイメージだった。
だが、今回の件で熊と全裸男が徘徊する街というイメージに上書きされてしまった。
人も獣も野生に戻る街、札幌だ。
それだけ聞くと群馬以上の「未開の地」感を覚えてしまう。
群馬には「野生の王国 群馬サファリパーク」があるというのにも関わらず、私の中では「野生の王国」というチャンピオンベルトは札幌に奪われたしまった。
群馬には、一刻も早くチャンピオンベルトを奪還してもらいたいものだ。
とりあえず群馬で獰猛な動物が出現した時に、徒党を組んだ全裸男が徘徊しているのを確認できれば「さすが群馬だ。ひと味違うぜ」と汚名挽回できるのではなかろうか。




