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29歳独身OL小夜子の語り部日記  作者: 酒井伴四郎氏にはなりたくない女:小夜子
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2021年3月26日(金)『私生活の破滅を防ぐため』

 はい、反省会のお時間です。


 何の反省かと聞かれれば、それは昨日の日記と答えてあげる世の情け。


 このままの口語のリズム感で「世界の破滅を防ぐため~」とロケット団の口上を述べたいが、そのまま脱線するのが目に見えるため、ここで止めておく。


 

 はい、昨日の日記の反省会を開きます。


 なんだ「ひゃっほい」って。


 なんなんだ「心に麦畑」って。


 頭の中がラリパッパでははないか。



 何故こうなったのか言い訳をしよう。いや、これは言い訳ではない原因追究だ。


 昨日は仕事で嫌なことがあった。斎藤という上司のことだ。今思い出してもムカつくし、ここに恨みつらみを書き殴ってやりたい気持ちもあるが、さらに荒んだ日記になることこの上ない。また、それを見て怒りが再燃しそうなのでこれぐらいに留めておく。


 斎藤のせいでむしゃくしゃして、昨日は買い溜めしているビールをいつもより多く空けた。いつもは食前食後一缶ずつなのだが、それに加え寝落ちするまでにビール三缶、ストロングゼロ一缶を空けた。


 ストロングゼロは安酒の中でも質の悪い酔い方をする(たぶん体質的に合ってない)ので普段は飲まないようにしているのだが、昨日は質の悪い酔っ払い方をしたかったから空けた、のだと思う。思うというのは記憶がないのだ。気付けば朝になっており、二日酔いで頭は痛いし、「あぁ、飲み過ぎたな」と容易に考察できるぐらいには空き缶が散乱していた。


 体調不良を理由に休みたかったが、それはできなかった。残念なことに今日は外せない会議があった。私が主導となる会議だ。私がいなければてんでお話にならない会議だ。休めない。休めるわけがない。リモートワークのほとんどを横になって過ごし、ミーティングの時だけ、バリバリ仕事してます・してました感を出して乗り切った。たぶん、親しい同僚は「昨日飲みすぎたな、こいつ」と気付いただろうが、口にはしない優しさがあった。情けともいえる。



 今後、酒は控えよう。


 心の麦畑は、焼き払おう。汚物は消毒だ。


 ラリパッパになる麦畑は麦畑ではない。それは大麻畑だ。



 今日でアル中日記はおしまいだ。


 明日からは禁酒日記を始めるのだ。


 そう、明日からだ。今日は残っている缶ビールを飲んで最後の別れを惜しもうと思う。


 アルコールは良く燃えるとも言うし、着火剤だ。


 ……そう、これは禁酒を成功させるための着火剤なのだ!

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