表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29歳独身OL小夜子の語り部日記  作者: 酒井伴四郎氏にはなりたくない女:小夜子
5/117

2021年3月25日(木)『おビール様を讃えよ』

 昨日は残すべきものではなかったものを書き上げてしまった気がする。


 なので初志貫徹ということで日記ではない日記を書こうと思う。


 そもそも日記を書くにあたり、ルーチンワーク的な日々を過ごしている社会人にとっては語るべきものがなさ過ぎる。


 中高生の頃は面倒な行事が毎月のようにあり、書くことに困らなかった気がする。


 学園祭の準備で自分から意気揚々とパシられる子やら、合唱祭で男子にしっかり練習しろという涙目になる委員長やら、を他人事のように眺めてた日々が懐かしい。どうして皆、あんなに行事に張り切っていたのだろう。


 うん、こういうところが女子のつける日記における「前向きでキラキラ! おしゃれで可愛い! 夢いっぱい!」な部分を削ぎ落としているのだろう。


 私の心は鉄工用棒ヤスリか。それも荒目だ、きっと。荒んだ心で日記に挑むから日記も荒むのだ。


 だから私は今日も缶ビールを飲み干す。


 荒れた心にはアルコールがよく染み込むのだ。昔、枯れた大地に水を垂して木々が生い茂るコマーシャルがあった気がする。たぶん私の心にもアルコールが染み渡り、植物が生えてくるだろう。できれば大麦がいい。それでビールをまた作るのだ。ひゃっほい。



 世間の可愛い系女子は心に花畑を持っている。ヒマワリなら明るそう。薔薇なら美しいが性格は刺々しい。タンポポなら種をあちこちに飛ばして回る不純異性交遊野郎だ。


 だから、どうした私は心に麦畑を持っている。観賞用ではないのだ。実用性の塊だ。古くはメソポタミア、ヨーロッパでは主食となった。加えてビールの原料だ。ビールを飲めば心も癒える。


 鉄工用棒ヤスリたちよ、ビールを飲め!


 そして、心に麦畑を持て!


 おビール様、万歳!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  自分の場合は、タバコとコーヒーとウィスキーが有れば生きていける。  そんな私でも世界の片隅で叫ぼう。 『おビール様、万歳!』  飲む時、頭をカラッポにして酔えるなら、それは幸福だと思ふ。 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ