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飯食い過ぎ問題

 VRゲームの破綻項目、個人的No.1はこれです。


 ゲーム内での食事、夢がありますよね。

 美味しいものをたらふく食っても、実際の体にはカロリーは補給されないので太らず、無限に食える超健康食品です。


 いや、ちょっと待てよ、と。


 それ、怖くないですか?


 人間の3大欲求、睡眠欲、性欲、そして食欲。

 そのうちの1項目が、いとも容易く満たされてしまうんです。

 でも、現実には何も栄養が得られていない。

 欲求は満たされるのに、身体が欲する需要は満たしていないんです。


 私たちは仙人ではありません。霞だけ食ってたら死ぬんです。

 死にたくないですよね?

 でも、仮想世界で十分満たされるのに、あなたは現実世界でわざわざ高いお金を払って食事を摂りますか?

 おそらく、バカバカしくなるんじゃないでしょうか。


 すると、どうなるのか。


 皆、食事を簡素なもの、最低限の栄養価を満たすだけのものに切り替えて、VR世界で豪勢な食事を楽しむ生活に変わっていくでしょう。

 名付けてVRダイエットです。効果はばつぐんです。

 VR機器が買えない方以外は、皆それが当たり前になるんじゃないでしょうか?


 そうなると、食事で回ってきた世界中の経済が様々な面で破綻します。

 外食産業が減るとかそういうレベルでは無く、農業や畜産の1次産業から消えていきます。だって売れないから。

 本物の食事は一部の上流階級が「やっぱりリアルは違うわ」と別の欲求を満たすものに変わります。


 なんかそういう設定でショートストーリーが書けそうですね。

 誰かが既に書いてたらごめんなさい。


 まぁこれは「リアルと同等のモノが口に出来て、満たされる」ことが前提なので、大げさではありますが、理屈は通ってるんじゃないでしょうか?


 なので、架空の世界で食事を摂らせてしまうというのは現実に与える影響面においてすさまじいリスクがあり、生半可な事では認可されないでしょう。


 そもそも、食事という作業自体も再現するのは簡単ではありません。

 味覚だけではなく、視覚、嗅覚、触覚とあらゆるセンサーが高度に反応しなければならず、一つか二つが不十分なだけで一気に満たされなくなります。

 風邪をひいた時に摂る食事が不味いのと同じです。


 例えばおにぎり一個食わせるだけでも、それに含まれる情報量って、すごく多いですよね?

 パリッとしたのりの食感、米の甘み、梅干しと米が混ざった時の味の変化、嚥下するのどごし。

 それら全てを完璧に再現して、ようやく美味しい食事になるんです。

 食事をテーマとしたシミュレーターなら分かります。でも、RPGや戦闘をメインとするゲームに、その凄まじく高度なシステム、本当に必要ですか?

 結局、それが簡単に実装できるほど食事事情が変化しているなら、やっぱり上述のディストピア化してそうですよね。


 ですから、VRゲーム内という設定でキャラクターに食事を摂らせる皆々様方、私からの小さなアドバイスです。


 リアルを求めるなら、ゲーム内で飯を食わせるな。

 あえて食わせるなら「わざわざゲーム内でこんな不味い物食うなんて、物好きだな」と誰かに言わせて下さい。これで解決です。




 ちなみに、僕はゲーム内で美味しそうに食事を摂るキャラクターを見るのは大好きです。

 だって主人公がちゃちゃっと作って振る舞う飯を、「こんなに美味いもの食ったのは初めてだ!」みたいに大袈裟に喜ぶNPCとかを見るのって面白いし!!


 リアリティがあるけどつまらないより、完全な空想だけど面白い。

 どっちが読みたいって、当然後者ですもんね。

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