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第9回:法螺貝は高々に鳴り響く

最終課題編突入です!ここまで読んでくれた皆さんありがとう!今回は少し早めの投稿です!

講義開始の鐘が鳴ると共に、図面返却の準備が始まった。


「まず、講評ですが…全体を見て再履修は良くできています。現役の学生でもようやくB評価が出てきましたね」


そう言って教授は課題の返却を始めた。最初にA評価の学生が呼ばれる。今期になって前半と後半両方において始めてA評価が出た。


そして、数人のA評価の学生の中に僕は含まれなかった。僕は程なくして、B評価で呼ばれた。



課題が返却される間、僕は自分の図面を見る。見るとなるほど、これはB評価でも感謝するべき程度の図面だな、と一人納得していた。



全ての図面を返却すると、教授は説明に入る。

「まず、大条件として皆さん、図面を描いている時に「何を描いているのか」「どこを描いているのか」という事を考えて欲しい。それを考えないで実際に()()()()()()を描いてしまっては意味が無いんです」


この言葉の中には、先週の講義で説明があった「不可能な加工法の話」もあるのだろう。


「綺麗なモノを描くだけなら手書きではなくCADを使った方が良い。真っすぐな線や明確な太さの線で簡単に描けますからね。でも、今皆さんがやっているのは手書き製図なんです。なんで手書き製図をやっているのか、それをもう一度考えてください」


そう言って教授は返却した課題の説明を始めた。

「まずは何度目になるかわかりませんが…配置。巡回して見ていると、まだ何も考えずに図面を描いている人が多い。例えば…今回のボルトだったら上から見た投影図をまず適当な場所に描いて、それで細かい修正や寸法なんかまで入れちゃって、結局位置が悪くて別の投影図が入らなくて泣く泣く消す、そんな無駄なことをしている人が実際に居るんですよ。

どうやったら上手く描けるか、後で消さなくて済むか、考えてから描いて欲しい。最終的に図面が完成できていれば過程でどれだけ要らない線があっても良いんですよ。後で消す時に他の線も消えたら嫌だ、なんて言うのならば字消し板ってモノがあるんだから使えば良い」


線の説明は最早「今更」という部分もある。次回が最終課題()なのだから、今更そんなところで注意されていては待っているのは「再履修(ゼツボウ)」だけだろう。そして、今教授が説明したことを「ほーん」と聞き流した学生はまた同じミスを犯すことだろう。ソースは昨年の僕だ。


それから教授は断面図の話を始めた。

まず、対称な物体は全部断面にしなくても良い、という風に製図の世界では言われている。そして、重要なものは上&右に描くというルールが製図の世界ではある。三角法における主投影図のことも考えながら意識すると良いだろう。


これらのことから、今回の断面図をどう描くべきかは自然とわかる。


主投影図であるナットの側面図の、中心線よりも上側、だ。

断面図が重要なのか?と思う人もいるかもしれないが、製図において「必要無いモノは描かない」というルールがある。これはかなり前に説明があったように、必要無いモノを描いてしまうと描く人は時間がかかるし見る人は困惑するからだ。良い事がまるで無いので必要無いモノは描かないのだ。線でも、文字でも、点でも、なんでも。


その事を踏まえたうえで、考える。


まず、部品の内側に形状が存在する場合に隠れ線を用いて表現する手法がある。しかし、時には内部の構造が複雑で隠れ線だけで表現するにはわかり難い物体もある。そんな時に部品を切断して断面図を用いる手法がある。

今回、断面図は面取りの指示の為に描く。断面図を描かない場合、もう一つ投影図(下から見た投影図)を用意するでもしないと加工者は面取りの存在に一切気が付かないからだ。

つまり、断面図を描かなければならない=断面図はこの場合重要である、ということになり、先ほど述べた位置に断面図が入る。


「あとは、断面図というのは断面…切断された面を示すのだから、ねじの部分だってハッチングを描かなきゃ駄目ですよ。むしろ書かないと、()()()()()()ができちゃいますからね」


それから教授は、寸法の入れ方について説明を始めた。

今回の図面は上半分が断面図になっている投影図がある。その為、注意しなければならないことがある。面取りの大きさを指示するために入れた寸法や、面取りの角度を示す寸法だ。


これらは、一方は断面図で描かれたところから寸法補助線が伸びていく。ボルトを描いた時と同じ知識で行くと、寸法補助線は2本なければならない、と思い断面図ではない方からも寸法補助線を伸ばしてしまいそうだ。

しかし、断面図ではない図から一体どうやって寸法補助線を伸ばすというのだろうか?定規で測る?目測?フィーリング?


答えは「片側の寸法補助線は描かない」だ。ただし、この描かないという方法は()()()()()()()できるということは忘れてはいけない。また、寸法補助線を片側しか描かないといっても寸法線は描く。ただし、その場合は中心線よりも少し出るくらいの長さの寸法線とし寸法の数字は中心線と並ぶように描く。もちろん、角度表記の場合も同様に描く。


また、これは僕も間違えたことなのだが寸法線のルールは長さ寸法と角度寸法で変わるようなことはない。寸法を表していればそれは寸法線なのだ。

その事から、寸法線間の間隔は10㎜という事を忘れてはいけない。それは長さ寸法を示す寸法線と、角度寸法を示す寸法線との間隔でも同じだ。




ここまでで、前回の課題の反省点の説明は終わった。そして…次の課題の説明が始まるのだった。


「今まで皆さんはボルトとナット、両方を描いてきました。しかし、部品図には組立図が必要であるとかなり最初の講義で説明しましたね?

なので、皆さんには最終課題として「組立図」を描いてもらいます」

最終課題。それはこの講義の成績を決める課題だ。遂に始まるのだ。


今回の組立図は、ボルトとナットで2枚の鋼板を挟んだものを描くという。

「まずは、組立図は使用する向きで描くと初めの頃の講義で説明しました。どのような向きで描くかは、使用する立場になれば想像できるはずです。しかし、この組立図は使用する向きだけを伝えたいのではありません。使用する場合、どのような穴が必要か、という事も伝えなければならないのです。

世の中、ボルトとナットを製造してそれだけを使う事はありません。観賞用のボルトとナットならば必要はないかもしれませんが、何かしらの物を留める為にボルトとナットは用いられるのです。なので、ボルトが入る穴が必要になってきます。更に言えば、どんな穴ならば描いた図面のボルトとナットが入るか、というのを使用者が知らなければならないのです。今回の組立図はその為に描くのです。そうなれば、何が必要になるかは自ずとわかってきますね?」


もちろん、断面図だ。

断面図があれば、穴の径が説明できる。このボルトを入れるために必要な穴の径が。


「断面図、ということがわかれば幸いです。しかし、断面図を描くからといっても、断面にして欲しいモノと断面にして欲しくないモノというのがありますのでそれに関して説明しようと思います」


大前提として、断面にして意味が無いものは断面にしない。

今回描く組立図は「使用者が使う時に困らないようにする為のもの」だ。その為、「断面図?ならナットと同じように…とりあえずナット断面にすっか!」等と考えていてはもう落単だ。


先ほど、穴の径を説明するべく断面図が必要と述べた。という事は、穴が空いている鋼板は断面にしなければならない。しかし、それ以外はどうだろうか?

ナットの断面図を見ないと使用者が困る事態があるだろうか?

ボルトの断面図を見ないと使用者が困る事態があるだろうか?


無いのだ。つまりは、必要な断面図は()()()()()()()()()鋼板だけなのだ。

ボルトを入れる穴は、ボルトの大きさよりも大きい穴でなければならない。それを示す為に断面図を描くのだ。また、こればかりはナットの時と同じなのだが断面図にした際に「どこは断面で」「どこは断面ではないが見えるか」を考えて描く必要がある。具体的には「面取りをした箇所」と「鋼板とボルトとの間の空間」だろう。


「あとは…そうですね。今回は2枚の鋼板を使いますが…同じ鋼板を2枚使うこととします。まったく同じものを2枚使うということは、どういう事かよく考えてくださいね」


それから教授はハッチングの向きの話を始めた。ハッチングは()()()()()別の向きのハッチングをする。そうしないと、物と物の境界線がわかりづらいからだろう。


ここまで、単調な文章で課題説明を記述したが、これだと「別の物は別の向きで…2枚の鋼板は全く同じ物を使う…2枚の鋼板は同じ向きのハッチングをするんだな!」などと思われてしまいそうだが、2枚の鋼板はそれぞれ「同じ形状、同じ大きさ、同じ加工を施された物」ではあるが、物としては2枚あるのだから1枚目と2枚目として考える。1枚目と2枚目と分かれているので同じものではない。同じものならばそもそも2枚にはならない。


と書き加えておく。



「あとは、大事なのはボルトの組み立て方や板に空いた穴であって、それ以外はさほど大事ではないんです。板の幅や奥行きに関しては、今回の課題では大事ではありません。それを踏まえて描いてください」

と教授は説明する。こうなると、板に関して大事なことはほとんど無いように見える。だが、教授は1つだけ説明を残していた。


「ただ、ボルトとナットを組み合わせた時、強度を考えるとどれだけ深くナットにボルトを入れたら良いか考えてみてください。だいたい3~5山ナットからボルトのねじ部が飛び出ていれば、ある程度の強度が保証され、しっかり固定されるんですよ」

教授は説明を続ける。

「そうなると…今回皆さんに与えている寸法はボルトの呼び径と呼び長さだけですよね?

では、板の厚さはどれくらいになるでしょうか?」


教授は深みを持たせて言った。


学生によって与えられている呼び径と呼び長さの値は違う。すなわち、こればかりは自分で考えなければならない。

「しかし、だからといって、自由に鋼板の厚さを決めて良いわけではありません。世の中には規格があります。その規格に沿ってモノづくりを考えなければ、費用はかさむ一方です。なので…」

そう言って教授は配布資料を見るように言った。

配布資料には、「標準厚さ(JIS B 3193 熱間圧延鋼板 及び 鋼帯の形状、寸法、質量 及び その許容差から抜粋したもの)」が書かれていた。


「この中から鋼板の厚さを各自選択して、図面を描いてください」


これこそ、今回の最終課題にして勉強不足の学生にとっては運が絡んでくる鬼門だった。その理由を示すように教授は補足説明をする。

「ですが、配布資料には厚さ50.0㎜までしか書いていません。しかし、皆さんの中では50.0㎜よりも厚い鋼板を用いなければならない人もいます。そんな人は、「標準数」というものを勉強しておいてください」


これである。

呼び長さが長い人は、ここで標準数とは何かを調べる必要があるのだ。これがわからないと、鋼板の厚さは定まらない。つまり、落単である。


「それからですね。組立図は複数の部品を1つの図面に描くわけなので、それぞれの部品が何なのか説明を入れなければなりません。表題欄に工夫を施さなければなりません。

今まで書いていた表題欄に品番や品名を描いた箇所がありますね。そこの段を自分で増やしてそれぞれ描いてください。ただし、品番は前の課題で描いた物と同じにしてください。

ただ、注意として表題欄は下から上に品番が増えていく性質があるので注意してくださいね」

教授の説明は止まらない。

ボルトの品番は「1」と書けと指示があった。ナットの品番は「2」と書けと指示があった。つまり、今回の組立図でも同じように描くわけだ。

そして、この品番は組立図の図面上にあるもの全てに振らなければならない。その為、鋼板にも番号を振る。

となると、鋼板は2枚あるので3と4、と振ると思った学生は落単する可能性が高いので気を付けて欲しい。前に説明があったように「2枚の鋼板は同じもの」なのだ。その為、品番は「3」とし、数量の記入欄に「2」と入れると良いだろう。


「そして、それぞれ振った品番が図面上のどの部品かを示す為に部品に引出線を引いて示します。その引出線の引き方は2種類ありまして、ひとつは図面の中から引出線を伸ばし、黒丸で部品を示す方法。もうひとつは、外形線に矢印をくっつけて(中には入らない)引出線を伸ばして示す方法です。今回は矢印で示す方を用いてください。

また引出線の角度は原則60°とし、伸ばした引出線の先に丸を書いて中に品番を入れてください。この丸を業界では「フウセン」や「バルーン」なんて言ったりします。現場に行って知っていないと大変なので覚えておいてください」


それからフウセンに関していくつか説明があった。

それぞれのフウセンはなるべく縦に真っすぐ&横に真っすぐ揃うような位置に配置すること。フウセンの引出線は絶対に交差しないように配置すること。フウセンの丸の直径は自分で調べてくるように指示が出た。


このフウセンの大きさだが、ネットで調べても中々明確なソースの情報が出てこない。従って、自分自身で答えを見つけるしかない。ここからはあくまで僕個人が調べたことなので、あまり鵜呑みにしないで欲しいが記述することとする。


まず、このフウセンとは照合番号を円で囲んだものだ。つまり、数字ありきの存在と言える。そう考えると、文字サイズに左右されることが考えられる。

JIS B 0001:2010 機械製図によると、「ラテン文字,数字及び記号の文字高さは,呼び2.5mm,3.5mm,5mm,7mm及び10mmの5種類とする。ただし,特に必要がある場合には,この限りではない」という表記がある。その為、照合番号もこの5種類の大きさから選ぶことが好ましいと考える。

ここからはあくまで感性の問題になるが、A4図面において、見栄えが良く見やすい文字の大きさを考えてみる。寸法数値の文字の大きさは5㎜を用いていることを考えると、呼び2.5mmや3.5mmは些か小さすぎると言えるだろう。また、寸法数値の2倍の大きさ、10㎜の文字というのも大きすぎるように感じる。そうなると、消去法で文字の大きさは5㎜か7㎜となる。

ここで改めてJIS B 0001:2010 機械製図を見ると、「照合番号は,明確に区別できる文字を用いるか,文字を円で囲んで示す。」という記述がある。ということは、円で囲めば文字の大きさは周りと一緒で良いのではないか?と僕は考える。


これらの事から導き出した()()()()結論としては「高さ5㎜の文字で照合番号を描き、そこを6㎜~10㎜くらいの見栄えが良くてわかり易い円で囲む」というものだった。

と、したり顔で息巻いてみたが、教科書を読めば書いてある。10~12㎜の円で囲め、とバッチリはっきり書いてある。


つまり、そういうことだ。僕は一人赤面した。


「あとは、組立図には表面性状は不要です。寸法公差も書かなくて良いでしょう。寸法は、必要な寸法だけ入れるように。組み立てる際に必要な寸法を入れてくださいね」


そういって教授は参考として手書き製図の教科書のあるページを開くように言った。そこには比例寸法による略画について書かれていた。

「組立図と部品図では図面の描き方が異なる場合があります。それがこの「略画」というものです。略画は読んで字のごとく、略して描いた図面ですね。

今回の組立図では、各部品に関しての詳細なデータは必要ではありません。もし詳細なデータが知りたいならば、部品図を見れば良いのです。何度も言うように、組立図は組み立て方、使用方法を伝えるためのものです。なので、こういった略画を用いて描く場合もあります。今回の課題、「ボルトとナットの組立図」では略画で描いてもらいます」



「後は配布資料を見て考えて描いてください」と言って説明は終わった。



皆が皆、早速図面を描き始める。自分自身も昨年のメモを元手に具体的な略画の大きさを再確認し、図面を描く準備を始めた。

「標準数、勉強した上でわからない人は私のもとに来てくださいね~。わからないまま描いても意味がありませんからね!」



その言葉と共に、標準数について書かれた教科書のページを読んだだけの学生が前に行き、教授から苦言を呈される。昨年も見た光景が眼下に広がっていた。


この標準数、一度理解すると「なるほど」となるが、理解しなければ永遠と苦悩する沼のようなものだ。


簡単に言うと、等比数列である。すなわち隣合う数値の比が一定な数列なのだ。

そして、JIS Z 8601に基づくと、その等比数列はR5, R10, R20, R40の4つの基本数列と、R80の特別数列、計5つの数列で表してある。


じゃぁ「Rってなんぞや?」と思うかもしれないが、別に半径ではない。僕は調べることは放棄し、ただR5ならば10の5乗根!R10なら10の10乗根!R80なら10の80乗根!!!!!と覚えている。


しかしこれだと、「これが等比数列とどう関係あるんだよ」と思うと思う。僕は思った。なので、そこで改めて表を見ると、R5は1.00から始まり1.60, 2.50, 4.00, 6.30と書かれている。これを等比数列として並べてみると、隣合う数値の比は

1.6/1.0=1.6

2.5/1.6=1.56

4.0/2.5=1.6

6.3/4.0=1.58

10.0/6.3=1.59

公比=約1.6の等比数列になっていることがわかる。

同時に、実際に10の5乗根を計算すると「1.58489319246…」と約1.6となっている。


これは他の場合でも同じであり、

R10 公比=約1.25の等比数列

R20 公比=約1.12の等比数列

R40 公比=約1.06の等比数列

R80 公比=約1.03の等比数列となっており

10の10乗根=1.2589254117…≒1.25

10の20乗根=1.1220184543…≒1.12

10の40乗根=1.0592537251…≒1.06

10の80乗根=1.0292005271…≒1.03

となっている。


ではなぜ、標準数が等比数列かというと、例えば、4mmのワイヤーでは何かしら不測の事態が生じてしまうとする。そんな時は1mm足した5mmのものにすれば不測の事態が起こらなくなる。(この場合における不測の事態というのはワイヤーが切れてしまうとか、そういうものだと思って欲しい)

しかし、これが40mmのワイヤーの場合はどうだろう。同じように1mm足せば不測の事態を防げるだろうか?40㎜が41㎜になったからといって切れにくくなることがあるだろうか?あるかもしれないが、少し不安だ。それならばいっそ、経験則などから40mmに10mm足した50mmのものにした方が良さそうだ。


そんな考え方から、増やす時は前の物の何㎜大きいもの、ではなく何%大きいものにするという考えが生まれ、等比数列による標準数という概念が生まれたのだ。すなわち標準数は、その状況によってR5から選ぶかR20の中から選ぶか、と使い分ける必要がある。Rの後の値が大きくなればなるほど精密さが上がるとも言えるだろう。


では、ここからは課題と関連付けて考える。

課題の配布資料を見てみると、

1.2, 1.4, 1.6… 45.0, 50.0と数字が並んでいる。


これはR20の標準数であると見て取れる。

という事は、標準数をもとに考えれば50㎜以降の厚さは

50×1.12=56

56×1.12=62.7


となる。

後は、自分が必要となる厚さまで計算すれば良い。


と、ここまで自信ありげに記述しながらも、不安になった僕がいた。

ネットに転がる情報の中で、何を信じて何を信じないかは己が判断することなのだろう。昔どこかの掲示板の管理者が言っていた。

「嘘は嘘だと見抜けない人でないと、難しい」

あれは掲示板の利用についての言葉だったが、インターネット全てにも言えることだろう。


そう思いながら、僕はトレーシングペーパーに線を引いていくのだった。


「信じる者は掬われる」

答えばかりを求めていると、落ちます。

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