臙脂(えんじ) カーマイン
臙脂は早稲田大学のスクールカラーです。深紅・濃い紅色と呼ばれる色で、やや黒みを帯びています。由来は中国の「燕」という国で生産される化粧紅(朱にヤギの脂を加えて化粧紅を作っていて、脂という字は化粧紅を指しています)。最高級の口紅だったようで、妲己(中国の傾国)が王にねだって取り寄せていたことから有名になったそうです。
色調は、見事にカラーコードがバラバラです。赤紫に近い色合いが目立ちますが、早稲田のユニフォームが真紅よりの濃い赤であるため、そちらを優先しましょう。光の当たり加減で赤紫に見えることもあるため、なんとも言えませんが。
個人的にはパッと見は茶色でよく見ると赤、というイメージがあります。
とにもかくにも、臙脂はシックで理知的な雰囲気があります。暗い色であるため、成熟した艶やかな色にも感じますね。ほかにも、優雅・品格がある・情熱的といった単語も連想できるのではないでしょうか。
文章中の使われ方は「コート」「帯」「リボン」「ネクタイ」といった、衣服に関する組み合わせが多かったです。蘇芳と同じく、どことなく和の雰囲気がします。色名としては蘇芳よりはメジャーなようで、用例で四倍近くの差がありました。「色」をふくめて検索した場合は、十倍以上の差でした。使うとしたら、臙脂のほうがどのような色か伝わりやすかもしれませんね。とはいえ、イメージが少しばかり被ってはいますが、蘇芳には「代用品」「褪せやすい」「血液」という象徴も存在するため、このあたりで使い分けるのも重要ですね。
また、この色は植物性と動物性の二種類があります。前者は紅花が染料の正臙脂、後者が臙脂虫や雌のコチール(臙脂虫の別名だとかなんとか)という虫からとれる生臙脂です。コチールは着色料として食品(ハム・かまぼこ・かき氷のシロップ)に使われていて、より濃く染めたものは洋紅色と呼ばれています。洋紅色とは西洋から伝わった、深く鮮やかな紅色ですね。英名をカーマインといいます。ルビーを思わせる色合いで、どちらかというと赤紫寄りでしょうか。中世には完璧な赤ともいわれて、権威や富の象徴ともされました。
洋紅色・カーマインの全体の印象としては、「落ち着いた」「深みのある」「シャイニー(光る、輝く、ピカピカ、光沢がある)」「透明感がある」「西洋」「ハイカラ」「ルビー」「完璧な赤」といったところですね。臙脂よりも華やかで派手な印象があります。洋風のイメージをつけたい場合に、登場させることをおすすめします。