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丹色

 ()色とはいわゆる赤土の色です。正確には硫黄(いおう)と水銀とを化合した赤土でしょうか。神社の鳥居に塗装として用いられている色でもあり、中国では朱色と同じだとされていますね。


 しかし、日本では区別して使われています。なんだかもうよく分かりませんが、とにかく似ている色ということでしょう。


 また、「丹」という字は「赤」と同じ意味を持ちます。つまり、「混じりけがない」「飾り気がない」「ありのまま」といったイメージを色名にも加えられるといったところでしょうか。ちなみに、「丹」の字を含む言葉は次のようなものがあります。


 丹液:不老不死の薬。仙薬。

 丹花:赤い花。

 丹花の唇:赤い花のように魅力的な、美人の唇。

 丹款・丹心:真心。

 丹精:飾り気や偽りのない心。誠意。

 丹唇:赤い唇。

 丹頂鶴:鶴の恩返しの鶴。

 丹念:細かいところまで注意を払う。心を込めて丁寧に行う。

 丹薬:塗り薬(漢方)。不老不死の薬(道教)。

 丹石:代赭(たいしゃ)石や黄土石の異称。

 丹つらふ(う):赤く照り映える。頬が紅色で、美しい顔色をしている。

 丹の穂:赤色の目立つこと。


 やはり赤と同義の意味が目立ちますね。もっとも、意味が同じでも字面によって雰囲気は異なりますが。朱色とも似ていますが、こちらは真心・ありのままといった、特有の意味を持っています。使い分けは充分に可能ではないでしょうか。


 それから、丹を使った言葉として「牡丹」があります。薔薇よりもふんわりとした雰囲気の、華やかな花のことです。漢字の組み合わせの意味は、「赤い花」と「雄々しい」です。中国の人は「赤い花」を最上のものと見るようで、ボタンに「丹」の字が使われている理由にもなっています。いちおう真っ赤な種類のものもあるため、間違いではないでしょう。画像で検索すると出てきますが、血または炎を思わせる鮮やかな色をしていて、ピンク系のものよりも妙な強さを感じました。


 くわえて、赤紫と赤は色合いは同じようなものです。昔は赤・青・黄・白・黒の五つしか色がなかったといいますし、そんな感じではないかと。


 とにもかくにも総合すると、色名から連想できる単語は以下の通りです。


「真心」「混じりけがない」「飾り気がない」「ありのまま」「神秘的」「呪術的」「神社」「塗装」「不変」「不老不死」「赤土」「赤」「炎」


 やはり、朱色と被りますね。個人的に、丹色のほうが落ち着いたイメージを持っています。使い方に関しては中国に関連する色名ですので、中華系のキャラクター・建物に用いるとよいかもしれません。


 余談ですが私は以前、この色を髪の色として形容したことがあります。昔は色の意味を考えてはいなかったため、深い赤橙というだけで使っていたのですが、今思うと合っていないような気もしますね。丹色の髪とは想像すると、脱色した髪を硫化水銀を塗りたくって染めたような印象を持ちます。なんともいえませんね。どことなくおぞましいような、そんな雰囲気です。使うのなら神社や寺院といった建物や無機物に使うのがベストなのかもしれません。とはいえ、銀や金も植物由来の色ではありませんが、髪の色の表現に使われています。丹唇といった言葉もあるため、人体の表現に用いるのも、有りといえば有りなのでしょうか。「使うのなら朱色でいい」と言われたらそれまでですが。



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