緋色
緋色と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、アーサー・コナン・ドイルの「緋色の研究」です。
ほかにも「緋色の欠片」「緋色の椅子」など、「緋色」がつくタイトルがやけに多いような気がします。あとは、クルタ族の緋の目など。
そんな緋色は、濃い赤・深紅・黄色みのある鮮やかな色を称される色です。
茜染めに紅花で重ね染めしたもですね。
茜色と比較すると、こちらのほうが鮮やかで明るいと言えます。
高貴な色ともされて、その順位は深緋が四位・浅非が五位だったそうです。
(色名の)意味は火です。より正確に言うのなら、火色と呼ばれる黄色がかった鮮やかな赤色と、緋色を混合したといったところでしょうか。
日本では思いの色とも表されます。それも燃えるような熱い想い。素敵な響きだと感じました。
しかしながら、緋色および英名であるスカーレットには、以下のような意味もあります。
「罪悪」「淫ら」「姦通」
よい印象ではない単語が並びましたね。
スカーレットは「罪深い」「極悪」を意味する言葉ではあります。
しかし、緋色とは元は緋すなわち赤。明るさを意味する色でした。日本では情熱的・高貴(アメリカでも高位という意味はある)なイメージのほうが、強いのではないでしょうか。
また、英語の慣用句ですが、「恥ずかしさ(怒り)で顔が真っ赤になる」といった意味も存在します。
ほかにも、緋色(赤)には魔除けの効果もあります。巫女装束の袴の色でもあるため、どことなく和風で神聖な雰囲気がただよっていますね。
ちなみに、サルビアという植物が存在します。緋衣草・スカーレットセージとも呼ばれています。花言葉は「よい家族」「家族愛」「燃える思い」といったところでしょうか。
まとめると、緋色の意味としては以下のようになります。
鮮明・高位・巫女・魔除け・火・想い・熱い・罪悪・淫ら
情熱的な恋心を抱く女性や、少し危険な匂いをただよわせる人物にピッタリですね。
さて、ここから先はおまけです。
深緋、茜+紫紺によって誕生した色。
イメージは魅惑的・洗練された・上品・目立つ・存在感がある・暖かい・燃え上がる・鮮烈・辛口・逢魔時といったところでしょうか。
逢魔時とは、夕方(現在の一八時)のことです。魔物が出てきそう・または災厄をこうむりそうといった意味ですね。
キーワードは、「不吉」「妖怪」「幽霊」「禍々(まがまが)しい」など、ですかね。
言葉を辞書で引くより、画像検索をしたほうが早いと思います。
とにもかくにも、ポジティブなイメージを持つ夕焼けに茜色を、緋色は不吉な夕焼けを強調したいときといった感じで使い分けられますかね。
おまけのおまけです。
ファイアレッド。火の色です。
ポケモンのカセットとかぶるため、検索しづらかったです。
意味は熱い・炎・イキイキとした・光・輝き・燃える・エネルギッシュ・力強いといったところでしょうか。
緋色にも似たようなことが言えます。ただし、度合い・強さとしてはファイアレッドのほうが高く、明るい印象がありますね。
余談ですが、緋色は橙色がかった色です。
本来、このような色は男性的で赤紫色がかった色は女性的と言われています。
しかし、緋色は女性のイメージがあるのです。
なぜでしょうね。
おおかた、英名であるスカーレットと、情熱的な思いの色の影響だと思いますが。