卯の花色
「卯の花色ってなんぞや?」
と、なりませんか?
馴染みが薄いですよね。私も響きは好きだけど、ダイレクトに詳細を伝えろと言われると、困ります。強いていうなら、白い花ですよ。いいえ、白のカテゴリに入れている時点で、分かりきったことですよね。
特徴を文章で表すと、そうですね。
花は小さく、花びらは五枚。葉に密集して、ついていますね。角度によっては、モップのように見えるかもしれません。
見た目はアーキタイプの花に近い印象です。濃い緑色に花びらの白さが映えて、いいアクセントになっています。
色は青みがかった白ですね。スノーホワイト・アリスブルーが近いでしょうか。実際に、「雪のように白い」と形容されます。実物は色見本よりは青が抜けて、真っ白に近いです。白に青みを足して、「真っ白」だと表現した感じでしょうか。牛乳ビンをに入ったミルクを濃厚に見せるために、青いラベルを貼るようなものです。
名前の由来は『下の空木を略して卯の花という』と答えるのがいいですかね。
卯つながりで旧暦の四月(卯月)に花が咲くから(正確には、「卯の花がその季節に咲くから卯月という」)という説も見つけました。現代の開花は五月・六月ですね。一ヶ月早いです。
とはいえ、昔の卯月が現代の五月・六月に相当する可能性はあります。実際に、ズレがありますからね。月の満ち欠けが基準とはいえ、秋が七月スタートなのは、解せない。
ズレを修正すると、
春:三月・四月・五月
夏:六月・七月・八月
秋:九月・十月・十一月
冬:十二月・一月・二月
ですね。二ヶ月のズレ……ということは、合っているような、合っていないような、なんともいえません。雨季なのでね。合っているということにしておきます。
初夏の季語でもあります。空という字が縁起が悪いため、卯の花と呼ぶようになったとか、なんとか。
空木ともいいます。幹や枝が空洞になっている植物ですね。いちおう、木なのですよね? イマイチ全体像が分かりません。画像検索をするとおからまみれになるわ、まともに検索をかけても、途中から桜に侵略されるわ。いちおうサクラウツギなる品種はあるものの、あれは誰がどう見てもただの桜でした。
知名度はどれほどのものなのやら。文学的な表現では、そこそこ聞きますが。
画像検索をすると欄がおからまみれになるのは、おからのことを卯の花と呼ぶからですね。漢字で書くと御殻。投入の絞りカス(大豆の殻)だから、殻です。余り物ともいえます。空木と同じく空を連想するため、卯の花というようになりましたとさ。ほかにも雪花菜という呼び方もありますね。どことなく、卯の花をイメージする字ですね。
おからの別名が多い理由は、空に通じているからです。おからの概要を読み返すと、ほとんど悪口ですし。これで、栄養価が高くてカロリーも低い、有能な食材だから、皮肉ですね。
花言葉は秘密・古風・風情です。
秘密は中が空洞だから、古風・風情は見た目からですね。古風な女性を思わせる花姿だからとか。
ならばやはり、女性にフィットする色名ですかね。花ってだいたい、そんな感じですけど。
以上で情報は出し切ったも同然ですね。
強いていうなら雨季に咲くから雨も連想しなくもありません。ただし、雨の降る季節のメタファーがあじさいが強すぎます。イメージとして、頭に入れてもいいかもしれませんが。ちなみに、卯の花はアジサイ科です。
あとは空っぽであることを強調する場合に、用いるのがいいでしょう。白は空白をイメージしやすいとはいえ、その中でも特にといったところです。まあ、白は黒と対比して、明るい・善・正しい印象のほうが強いですね。
ただし、わざわざ卯の花とつけて負のイメージを消しているため、ハッキリと描写をせずともいい気がします。たとえば、ぼかすとか? 普通の人のように書いいていたけれど、実は中身が空っぽだったという展開を作っても、面白いでしょう。
個人的にはBLEACHの卯ノ花烈を連想します。ちなみに(ネタバレになるため詳細は省きますが)烈を崩すととなる名前になるとか。
まとめます。
イメージは――
『虚ろ』『おから』『中身がない』『真っ白』『秘密』『雪』『白波』『涼しげ』『清々しい』『初夏』『古風・和風』
卯の花は間違いなく古風です。今日び、聞きませんし。卯の花と書くだけで、情緒的な雰囲気が香ってきます。実際に花の香りはありませんが。最初の『卯』と合わせると、かわいらしくもあります。『卯』は十二支でいううさぎです。うさぎ=女性的ではありませんか。幼い雰囲気もかもし出しています。だくてんがついていなくて、やわらかい印象なのも、ポイントが高いですね。
無駄話はさておき、このくらいで卯の花色に関する話は留めておきます。色というより、ほとんどが花に関する解説でしたね。




