赤橙
赤橙を辞書で引くと、次のような結果が出ました。
「赤みの強い橙色」
「暖色の一つ」
「死ぬほど熟した橙の実の色」
「落ちそうになるほど熟した柿の色」
英語名はオレンジレッド・レッドオレンジ、フランス語ではグレナディン(シロップ)で、柘榴色と被っています。
要するに赤と橙の中間ですね。赤紫・青紫と似た系統です。ただし、左の二色と比べると、あまり知られてはいません。私も赤と橙の中間と聞くと、朱色を思い浮かべます。赤橙の象徴やイメージを紹介するサイト・記事もなかなか見つかりませんでした。今回は得られた情報も少なめです。
仕方がないため、地道に考察を進めます。
まず、赤と橙の持つイメージを列挙します。二つの色を合わせ持ったカラーを掘り下げるには、このような方法を用いるのが手っ取り早いでしょう。
一、赤。
「情熱的」「暖かい」「明るい」「華やか」「積極的」「やる気」「活発」「パワフル」「リーダーシップ」「成熟」「大人っぽい」「妖艶」「あでやか」「女性的」「ゴージャス」「鮮やか」「はっきり」「派手」「目立つ」「力強い」「強烈」「地獄」「争い」「野蛮」「危険」「警告」「怒り」「印象的」「高貴」「魔除け」
二、橙・オレンジ。
「暖かい」「陽気」「明るい」「華やか」「やる気」「活発」「パワフル」「元気」「軽やか」「豊か」「繁栄」「実り」「甘酸っぱい」「カジュアル」「子どもっぽい」「日常の中の非日常」「楽しい」「刺激的」「夕日」「夕焼け」「炎」「柑橘系」「ビタミン」「甘酸っぱい」「爽やか」「瑞々しい」「フレッシュ」「多産」「陽光」「黄金」
「酸味」「苦い」「見掛け倒し」「子孫繁栄」
「悲しみ」「切なさ」「やりきれなさ」「暗い気分」「失望」「落胆」「幻滅」
「口先だけ」「期待外れ」「はったり」「内容のない」
「根強い」「しぶとい」「断続的」「引き継がれる」「延命」
「躍進」「栄える」「盛ん」「成功」「輝き」「にぎわう」「発展」「実り」
この二色のイメージを統合すると――といいたいところですが、ちょっと待って、赤橙から連想される具体的な物体を列挙します。
「燃えるような」
「灼熱の炎」
「成長した赤とんぼ」
「成熟が進んだ柿・橙」
「夕日」
「夕焼け」
「紅葉」
炎・夕日は普通のオレンジよりも、少し赤が混じった色という印象があります。赤とんぼや柿の形容に用いられているあたり、秋の色なのでしょうか。茜色と似た雰囲気を感じます。
それはそうと、成熟が進んだ・木から落ちそうになっているというあたり、これ……成熟を通り越して朽ちかけていませんかね。妙な哀愁がただよっています。たとえるのなら、「昔は強かったけれど全盛期を過ぎて落ちぶれた人」「不死身とされて無双をしていたけれど、あえなく攻略をされて敗れた人」のような。夜になる前の、一層激しく光を放って燃え尽きていく太陽の色、とも言えますね。まあ、「盛りを過ぎて終わりに近づく」という意味の黄昏の表現に用いられているため、こうなるのは必然です。
そんなこんなで、情報をまとめましょう。
赤橙とは、以下のイメージを持った色です。
「情熱的」「暖かい」「積極的」「パワフル」「エネルギッシュ」「力強い」
「実り」「繁栄」「成熟」「大人っぽい」「妖艶」「あでやか」
「晩年」「盛者必衰」「勢いを失う」「憂鬱」「落ち込む」「落ち目」「残照」「斜陽」「秋」
上のほうに書いたポジティブなイメージが、後半の黄昏のイメージの前振りにしかなっていないという……。ひとまず、落ちぶれたということは全盛期があったというわけで、「繁栄」を経験はしているのでしょう。それがいきすぎて、赤橙の個性が強く強調されると、落ちぶれるというわけですね。こうしてみると、諸行無常を表している色のように思えてきます。一度ピークに到達したり頂点を取ると、後は転げ落ちるだけですからね。
いやー、橙という字を使っているのが悪いですよ。もともと、ネガティブな象徴を抱えているカラーですので。オレンジレッドだと、また違った意味になるでしょう。具体的にどうなるかと聞かれますと、そうですね……。赤とオレンジの持つ印象を、ポジティブな部分だけ組み合わせた感じでしょうか。
「情熱的」「積極的」「明るい」「健康的」「フレッシュ」「熟成」「華やぎ」「ジューシー」「元気」「好奇心」etc……あとは、「強引」「自分勝手」「競争意識」などですね。
使い方は朱色という色を文章に出したくない場合におすすめします。




