ガーネットレッド
開口一番でなんですが、ガーネット色もしくはガーネットレッドという色名は存在しないのではないかという疑惑が立っています。
カラーコードは二つともあるっちゃあるのですが、マイナーっぽいですね。なにしろ、検索しても出てきません。
そもそも、ガーネット自体が辞書に出てこないといいますか。「辞書」と付け足して検索しても「英和辞典」が目立つくらいでで、国語辞書だと即座に柘榴石に誘導されます。
そんなガーネットの語源は種子「granatum」です。柘榴の実の中にある粒に似ていることに由来します。つまり、ガーネットは柘榴の象徴とも言えるわけです。柘榴に関しても掘り下げたほうがいいとは思いますが、それは最後のほうで行います。
ひとまず今は宝石について話すとして、ガーネットは深紅のほかにも緑色のものも存在します。いわゆるグリーンガーネットですね。色はエメラルドやペリドットと似ているようで、違ったよさがあります。
しかしながら、文章で使うには難しいでしょう。ガーネットは赤というイメージが強いため、混乱を招く可能性もあります。
「わざわざガーネットを使うのなら、ほかの緑色をした宝石を使ってもよくないか?」
となりかねませんね。
それから、柘榴石を磨いて丸く仕上げたものを、カーバンクル(赤い宝石の総称としても使う)といいます。
同じ名前の伝説の生物(UMA)も存在します。ファンタジー小説で名前を見たことがある方もいるのではないでしょうか。作品によって姿はまちまちですね。私はウサギのイメージが強いです。額に真紅の宝石をつけていて、それを手に入れた者は冨と名声を得られるともされています。
ちなみに語源は「カルバンクルス(燃える石炭)」です。
さて、ここからが本題です。ガーネットは一月の誕生石で、石言葉が以下の通りですかね。
「貞操」「真実」「友愛」「忠実」「忠誠」「陽気」「献身」「精力」「優美」「権力」「勝利」「疲労回復」
これ以外だと、「実り」の象徴ともされています。「努力が報われる」「恋が成就する」といった意味ですね。
あとは、大切な人との別れのさいに再会を約束してガーネットを贈り合うという、古い伝承があります。「絆」「一途な愛」とも表現できますね。
それで、パッと見た感じルビーとの違いは色ですね。ガーネットのほうが濃く、深いです。褐色に近いため、控え目でシックな印象ですね。もっとも、純粋なものは紫色だったりしますが、
まあ、そこは置いておくとして……。あくまでイメージなので。
柘榴石、もとい柘榴は血液や傷の色を連想します。ためしに「柘榴のよう」を「””」で挟んで検索してみると、グロテスクな表現が山ほど出てきます。
そんなわけで、宝石の色も深い色をしていますし、ルビーよりも「血」というイメージが濃かったりします。実際に中世ヨーロッパではガーネットの赤が「一族の血の結束」を表し、尊ばれていたと、パワーストーンに関するサイトに書かれていました。
また、ルビーと同じように赤ワインの形容にも使われています。フルーティなルビー色と比べると、こちらはやや熟成されています。
色に対するイメージはまとめるとこんな感じです。
「シック」「深みのある」「濃厚」「熟成」「優雅」「優美」「魅惑的」「妖艶」「艷やか」
石言葉は正直な話、そこまでアテにしていません。花言葉と同じですが、由来がないとなんとも言えないといった印象ですので、ひとまず、しっくりくるものだけ羅列します。
「燃えるようなドラマチックな恋愛」「変わらない愛情」
「友愛」「絆」
「努力の成果」「勝利」「報われる」「忍耐力と精神力」
「多産と豊穣」
「真実を得る」
あくまでイメージですが、ルビーはパーソナルカラー(髪や肌の色から、その人になに色が合うかというもの)でいうウィンター(冬)で、ガーネットはオータム(秋)という印象があります。
ルビーは華やかで派手なのに対して、こちらはどちらかというと控え目で堅実といいますか。ガーネットのほうが落ち着いていて、成熟した雰囲気があります。
とにもかくにも、柘榴石の話題は終了です。ここからは柘榴色について話します。本来なら果物関連の色をまとめて一つの記事として投稿するつもりでしたが、一つだけフライングさせます。
とはいえ、ガーネットと象徴としてはかなり被ります。ですので、手短に。
柘榴色は柘榴の実か花の色です。花か実かハッキリとはしませんが、柘榴色と言われて連想するのは実のほうでしょう。
象徴は「豊穣」「子孫繁栄」「復活と再生」などですかね。
実自体には美肌・美白効果やシミ予防の効果があるそうです。まさに、女性のための果実と言えるのではないでしょうか。
しかしながら、文章内だと悪いイメージしかないんですよね。人肉の味だと言われたり、内蔵の見た目に例えられたり、グロテスクな表現に使われる食べ物と言えば、柘榴です。色名も、使われるとかなり不穏ですね。
そんなわけで、象徴・イメージはこうなります。
「ジューシー」「品のある」「シック」「血」「傷」「ガーネット」「不気味」「熟れた」「艷やか」




